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4-10rep スライムは天然のEAAだそうです

ゴゴゴゴゴゴ……。

はい、そうですね、吊り天井の仕掛けが作動したようです……。


しかしマッスルモンスター達は、笑顔で天井を受け止めます。


「この天井、圧力が少し弱いね?」

「ふむ、それでは私は手を離してみますかな?」

「おう! お! これは丁度いい圧力だぜ! 全身の筋肉が讃美歌を熱唱してるぜ!」


元はといえば私の責任なので私も手伝おうとしますが、圧倒的に身長が足りずにピョンピョン跳ねることしか出来ませんでした。

三人の中では小さく見えるバジルさんですら178cmありますからね?


私が小さいんじゃなくて、他が規格外なんです!

これ以上は意味が無いと思ったのか、吊り天井はゆっくりと元の位置に戻っていきました。


「いやぁ、豆苗のおかげで良いパンプになるぜ! いつでも大会に出られそうなくらいにな!」


「左様、ティミ嬢がいる限りエクササイズに事欠きませんな!」


「モヤシちゃん! 次はどんなトレーニングを与えてくれるんだい?」


三人の筋肉獣達は目を輝かせています。


「あの、本当にごめんなさい、今日はなんか調子が悪ぐべっゴボボ!?」


私の不運は続き、急に天井から落ちてきた緑色のスライムが、私の顔面を覆いました。


息ができず苦しみもがく私を見た三人は、


「「「EAAスライムだ!」」」


「捕まえろ! 天然の良質なEAAだ!」

アドニスさんの指示が飛びます。


「豆苗! しっかり抑えとけよ!」

ガストンさんが無理難題を言います。


「ティミ嬢、全部飲まないでくださいよ?」

バジルさんが無理難題を言います。


(ガボボ! ボボボボ!?)

……あっ、もう無理です、流石に。


ズボッ!

バジルさんがスライムの核をむんずと掴んで、私の顔から引き剥がしてくれました。


緑色の粘液でベトベトです。優しい甘さと軽い口当たりに、軽く柑橘の香りがするのがまたムカつきます。

「ぶはぁ! はぁはぁ……! 死んだはずのお父さんとお母さんとおばあちゃんが、イージーバーでトライセプスエクステンションをしながら手招きしてました!!」


「お手柄だよ、モヤシちゃん!」

アドニスさんが革袋にスライムを詰めています。


「み、みなさん、それ、食べるの?」


「「「もちろん」」」


「これはEAAスライムと言って、エッセンシャルアミノアシッド……つまりは必須アミノ酸を大量に含んでいて、それでいて美味という、それはそれは素晴らしい物ですからな!」


バジルさんが血走った目で早口で教えてくれました。


「これがあればまだまだトレーニングが出来そうだぜ!」


「ガストンさん! 子供達を助けるのが目的ですよ!」


「あ? そうだった! ガハハ! なんてこたぁねぇ! トンとチンなら大丈夫だ! なんてったってアイツらは俺の兄弟みたいなもんだからな! 義理だけど!」


た、頼もしい限りです。確かにコナーさんの孤児院『カマッチョベイベ』の子供達なら、何故か無事な気がします。


「それよりも」

アドニスさんが場を制します。


「団体さんの」

ガストンさんが腕を鳴らします。


「ご到着ですな?」

バジルさんが軽くジャンプして動的ストレッチを始めます。


通路の奥から迫る、コボルトの群れ。

私は気配を消し、そっと三人の後方へ回れ――ませんでした……。ガストンさんの大きな手で摘み上げられて、最前線に復帰させられます。


お父さん、お母さん。私が後衛に回れた時間はコンマ1秒でした。

私は気配を消す方法の選択を、根本的に間違えたのかもしれません。

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