4-8rep だ、ダンジョン?
「カンじゃないか? トンとチンはどうしたんだい?」
コナー先生がしっかりと目線を合わせるためにしゃがみ込み、泣きじゃくるカン君に優しく問いかけます。
「ひぐっ……三人で、ダンジョンに行ったんだ……えぐっ……。僕は怖いからやめようって言ったのに……『いくじなし』って言われて……。でも怖くてダンジョンの入り口でずっと待ってたのに、日が暮れても、二人が帰って来なくて……」
「よしよし、大丈夫だから。カンは早くご飯食べちゃいなさい! トンとチンは、ガストンがすぐに連れて帰ってくるからね?」
「おうよ! カン! 俺のマッスルでマッチョなパワーで、全力でトンとチンを連れてきてやるぜ! 皆、良いよな!?」
「もちろん!」
アドニスさんはすでに準備万端。いつでも走れる姿勢です。
「お任せあれ!」
バジルさんも手首や肩の関節をぐっと伸ばして準備万端です。
「ダ、ダンジョンはちょっと怖いかなぁ……? 私は留守番希望です……」
「よし、満場一致だな!」
「満場は一致してなーーーいっ!?」
ですが、子供たちの視線が一番近い高さにある私には、この流れを断ち切ることは出来ませんでした。
バジルさんの太い肩の上にひょいと担がれ、涙が後方に流れていくような猛スピードで、私たちは街の外れにあるダンジョンへと走り出しました。
お父さん、お母さん。
ダンジョンだそうです。あの、恐ろしい魔物達の巣窟である『ダンジョン』だそうです!
私は……持っていく装備の選択肢を、根本から完全に間違えた気がします。
ティミドの持ち物
ジェットバット(攻撃力:50 / 魔力:8)
加速魔法陣が仕込まれた愛用の魔法の杖
ノースリーブ魔女ローブ(防御力:5)
ガストンさんお手製。涼しいけれど防御力は低い。
カバンの中身
飴玉が3ヶ
なめると魔力がほんの少しだけ回復する気がする。だいぶ溶けてベタついています。
ガストンさんの作ったクマのチャーム(防御力:5)
意外と器用なガストンさんからのプレゼント。何故か持っているだけで防御力が上がる不思議な代物。
着替え一式
ただの着替えです。
オークでもわかる中級魔法大全
いくら読んでも魔力は増えません。
この貧弱すぎる装備で、私は果たして生きてダンジョンから帰って来られるのでしょうか……!?




