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2-9rep

波いる骨の大群を片付け終えた戦場には、静寂と、そして濃い死の匂いだけが残っていました。

瓦礫の陰に、一人の生き残りの騎士さんを見つけましたが……。


「どうか……このことを内地の部隊に……」


そう言い残して、彼はカハッと血を吐いて息絶えてしまいました。


「……黙祷だ」


アドニスさんの号令で、私たちは亡くなった騎士さんたちに捧げる「黙祷のプランク」を5分間行うことになりました。


手も足も、そして悲鳴を上げる腹筋もプルプルです。私はあまりの過酷さに、2分を3回に分けて行うことでなんとか許してもらいました。もはや追悼なのかトレーニングなのか分かりません。


沈黙を破り、アドニスさんが口を開きました。


「戻ろう」


「え? 今来たばっかりなのにか?」


ガストンさんが意外そうに眉を寄せます。


「そうですよ。せっかくならもう少し、このあたりを散策(有酸素運動)してからでも……」


バジル司祭も、まだ物足りなそうに鎖付きメイスを弄んでいます。


(帰れる! 帰れるんだ!)


私は心の中で小躍りしました。ようやくこの地獄の遠足が終わるのだと。


「彼らを、内地に帰してあげよう」


アドニスさんの瞳には、いつになく真剣な輝きが宿っていました。


「おぉ、良いこと言うなリーダー!」


「やはり筋肉は慈愛のためにあるべきですね」


ガストンさんもバジルさんも、その言葉の「重み」を理解してノリノリです。


……え?

ご遺体を? ざっと見て500体はある騎士さんたちの遺体を……。

一人で何十人も背負って、あの2キロもある長い橋を往復して運ぶっていうの!?

私は眩暈がしました。


でも、確かに、誰にも知られず魔王の土地で朽ちていく彼らの無念を思えば、放っておくわけにはいきません。結局、私も一番軽い(とはいえ重い)遺体を背負って、橋を往復することになりました。


一歩踏み出すごとに、肩に食い込む重みが、私の大腿四頭筋をジリジリと焼き切っていきます。


これでまた、魔法使いとしての神秘性ではなく、物理的な「搬送能力」だけが育っていくんですね……。



お父さん、お母さん。

私は今、涙と汗でぐしょぐしょになりながら、騎士さんを背負ってフロントランジのような足取りで歩いています。

やっぱり、私は選択肢を、魂の根源から間違えてしまったのかもしれません。

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