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2-5rep

宿場町を後にした私たちは、さらに北の荒野へと進んでいました。


私は相変わらず、食料やキャンプ道具と一緒に「追加の負荷おもり」として荷車の上に乗せられています。揺れに合わせて口に運ぶフォンダンショコラが、今の私の唯一の心の支えです。

しかし、道はやがて行き止まりにぶつかりました。


「え? 通行止め? なんで?」


行く手を阻む騎士団の一人が、苦渋の表情で説明してくれます。


「この先、唯一の渡河地点である橋を魔王軍の幹部が占領しちまってな。橋の向こうの防衛隊からの連絡も途絶えていて…」


それを聞いて、私の周囲の空気が一変しました。

この筋肉ダルマたちが、おとなしくきびすを返すはずがありません。


「やめて……。下ろさないで……。私はこのまま、荷物と一緒に揺られていたいだけなんです……」


私の願いも虚しく、アドニスさん、ガストンさん、そしてバジルさんが、まるで遠足前の子供のような満面の笑みを浮かべました。


「ほう、魔王軍の幹部か。いいじゃないか、強度の高いトレーニングになりそうだ」


「俺の流星錘とどっちが速いか試してやりてぇぜ」

「バジル流スープレックスの新しいバリエーション、試作プロトタイプを試す絶好の機会ですね」


あ、これ、一番不味いパターンだ。

この人たち、魔王軍の幹部を「動く懸垂マシン」か何かだと思ってる……。


「え? 失礼しました! 皆さん、Sランクパーティーとして魔王討伐に向かわれる途中でしたか!?」


騎士団の態度が豹変しました。


「どうぞ、お進みください! 敵は魔王軍幹部『十魔団』が一人、疾風のウルフェン……奴の神速の爪を避けられた者は、未だかつて一人としていないのです。どうか……どうかご無事で……!」


「避けられぬなら、受けて耐えればいいだけの話だ」


アドニスさんが爽やかに言い放ち、私の襟首をひょいと掴んで荷車から引きずり下ろしました。


「さあ、豆苗! 仕上げの有酸素運動ダッシュだ! 橋まで競争といこうじゃないか!」


「ちょ、待っ……! 無理です! 私は今、チョコを消化するのに全エネルギーを注いでるんですってば!!」


——お父さん、お母さん。

相手は魔王軍の幹部だそうです。

でも、私の前を走る三人の鼻息の方が、よっぽど魔王の軍勢より恐ろしい音がしています。

やっぱり、私は選択肢を根本から、絶望的に間違えたのかもしれません。

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