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2-4rep

結局、銅貨50枚とプロテイン1kgではトイレットペーパーすら満足に買えず、私たちは宿場町に腰を落ち着けて地道に日銭を稼ぐことになりました。


「それじゃあ、また一週間後に!」


そう威勢よく散っていった野郎どもは、討伐や重量物の運搬といった「筋肉を金に換える」仕事で大活躍。


一方、私は……。


「はぁ、重い物なんて持てないし、魔法も初期魔法しか使えない。これじゃあ何の役にも立てない……。何か、私にでもできる仕事は……」


トボトボと歩く私の肩に、一人の男が手を置きました。


「お嬢ちゃん、どうしたの? 困り事かい?」


私は戸惑いながらも、かくかくしかじかで、仲間と逸れて路銀を稼がなければならない事情を話しました。


「なるほど、なるほど……。じゃあ、ついてきなさい。楽な仕事があるよ」


「本当ですか!? やったー!」


地獄の筋肉合宿で疑り深くなっていたはずの私の心に、久々の「人の優しさ」が染み渡ります。連れて行かれたのは、町外れの薄暗い物置小屋。


「ここで何をするんですか? 穀物の数を数えるとか……って、え、ちょっと、何で脱いでるんですか!?」


男はニチャリと笑い、ズボンに手をかけていました。


「え? 仕事って……そういうことでしょ? 大丈夫大丈夫、痛くないって。パッとやってパッと終わらせて、金貨1ま……ぐっ……」


——ベチンッ!!


考えるより先に、右足が動いていました。

例の「神経系を繋げる」特訓の成果でしょうか。目にも止まらぬ蹴り上げが、男の股間の「急所」を捉えました。


柔らかい何かが潰れる感触が、まだ脛に残っています。

私は真顔で、何事もなかったかのように一度宿へ戻りました。そして。


「……殺す」


愛用のジェットバットを肩に担ぎ、再び物置小屋へと戻ったのです。


そこから先、小屋の中でどんな「加速魔法」が炸裂したのか、私はあまり覚えていません。ただ、小屋を出る時には、私の懐にはなぜか男が提示した以上の金貨が詰まっていました。


帰り道、私は懐に余裕ができたので、自分へのご褒美に甘いお菓子をたくさん買いました。


宿に戻ると、泥だらけで帰ってきたアドニスさんたちが「モヤシちゃん、稼げなかったのかい? 大丈夫、俺たちが……」と声をかけてきましたが、私は黙々と最高級のフォンダンショコラを口に運びました。


「もぐ……路銀なら…もぐ…そこに置いてあります」


指差した袋の中の金貨を見て、筋肉ダルマたちが初めて「驚き」の表情を、私は見逃しませんでした。


お父さん、お母さん。

私の「加速魔法」は、人を救うためではなく、クズを粉砕するためにあるようです。

やっぱり、私は選択を根本から間違えてしまったのかもしれません。

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