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16/34

2-2rep

夕方の宿場町、唯一のトレーニング室には、応援とも怒号とも取れる野太い声が響き渡っていました。


「全力を出しきれ!頑張れ!全てを出し尽くしてからの5レップ!そして更に5レップだ!!」


嫌がる私を、彼らはまるで羽虫でも扱うかのように指2本で摘んでここへ連れてきました。そして、私のBIG3を計測したのです。

彼らとの今までの過酷な旅で少しは鍛えられたとはいえ、私の記録は惨憺たるものでした。

• ベンチプレス(BP):25kg

• デッドリフト(DL):50kg

• バックスクワット(SQ):60kg

合計135kg。参加資格の200kgには、あと65kgも足りません。

大会までは後2週間。絶望する私に、彼らは恐ろしい笑顔で謎の呪文を唱え出しました。


「200マデナラ筋力アップヨリ、神経系ガ繋ガレバ、イケナイコトハナイ!」


そこからは、まさに地獄でした。

全身が悲鳴を上げ、関節が軋む音が聞こえます。食べる気力が無いと訴えれば、特製のドロドロしたスープを口に捩じ込まれました。おそらく、鶏肉を彼らの怪力で液体にまで粉砕したもの(鶏肉ジュース)でしょう。ほんのりと香るバニラの香りが余計に私を苦しめました。

そして10日後。再測定の日。

• BP:40kg

• DL:80kg

• SQ:100kg

合計220kg!


わずか10日で、私は「健康少女」の皮を被った「モヤシ」へと変貌を遂げ、参加資格をもぎ取ってしまったのです。


素直に喜べないほど衰弱し、口の端から鶏肉ジュースを垂れ流している私を、彼らは歓喜の雄叫びと共に胴上げしました。その衝撃でまた頚椎がズレそうです。


——お父さん、お母さん。

私は今、魔法よりも重力に魂を引かれています。

やっぱり、私は選択を完全に間違えたのかもしれません。

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