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その8「RE:ゼロから始める勉強生活 セカンドシーズン」

  そして、聞いてもつまらないような会話を交えた僕たちはいつの間にか、地味の家の前まで来ていた。


 後ろに僕がいる事にはもう慣れたのか、前回の様に少し恥ずかしがる素振りも見せずに鍵を開ける地味。


「どうぞ……」


 顔の赤さの割にあまり言葉を噛んでいない。いつもの地味ならここで、「ど、どどどどど、どうぞっ……」みたいな感じで言ってくれるはずだろうに。そろそろ照れて走っていく地味も見納めだろうか。



「おじゃましますっ……」


「お、おじゃま……されま、す……」


 渾身のギャグを自信なさげに呟いた地味を苦笑いで返すと、顔を真っ赤にして部屋の奥へと走っていった。


 ああ、どうやらそういうわけでもなかったかもしれないな。

 やっぱり、地味はこうでなくては……楓と一緒に遊んだりしてみれば「私さ、やっぱり~~君の方がいいと思うんだよねっ!」って平気で言いかねない。


 すると、地味は縮めて走っていく背中を止めて振り返る。

 振り返った瞬間。


「……き、きて」


 招き猫の様に手をこまねく彼女。


 そしてなによりも、大きな大きなカブ――くらいに豊満でパツパツなお胸が空気抵抗で少しへこみ、遠心力と向心力の駆け引きで「たゆんっ」と揺れる。ひしひしと込み上げてきた興奮を必死で抑えつつ僕は——。


「ん、あ、おうっ」


 わざとらしく言葉を返す。


 2,3週間ぶりの彼女の部屋はどうなっているのか。

 そして、意外に頭が悪い地味をどう鍛えるか。

 そんな期待と不安を心に抱えて、僕は彼女についていった。








「んじゃ、やるか」


「は、はい……」


 コクっと頷き、教科書を取り出す地味。

 そんな彼女を横目に僕は部屋を一瞥した。

 

「——あ、すらいむ」


 見つけたのはこの前、ゲームセンターで僕が取ったスライムのぬいぐるみ。簡素で本だけが置かれていて、他に何もない部屋にぽつんと一つのスライム。そのおかしな光景にクスリと笑みが零れる。


「あ、ど……どうしたん、ですか?」


「あ、あぁ――いや、なんでも。僕が取ったスライムがあったなって」


「……え、ぁ……その、ありがとうございますっ」


 何気なくそう言うと、地味は頬をボっと赤く染めてプイッとそっぽを向いた。どうやら、飾っていることがバレて恥ずかしかったのだろうか。


 こちらとしては飾ってくれていて本望なのだがな……。


「いやいや、とんでもないよ。僕がプレゼントしたかっただけだからね」


 まあ、とはいえ。部屋が簡素だからあげたくなったとは口が裂けても言えないがな。


「……うれ、うれしいですっ……」


「ああ、こちらこそだよ……あ、そう言えば、前のテスト結局合格できたんだよな?」


「え、まぁ……はい、できましたっ……おかげで」


「そうか?」


「はい……その、だから今日も教えてもらいたいというか……はい」


「まあ、僕は全然教えるぞ、教えるのって意外とこっちも有益だしなっ」


 おっぱいも見れちゃうしな。

 この前の机に乗っかって皺が出来た服なんて最高だったし……まぁ、別にそれだけが見たいってわけじゃないぞ? 僕も一応思春期な男子だってことだ。


「……な、ならっ……良かったですっ」


「おう、そう言ってもらえるとこっちも嬉しいな」


「わた、私も嬉しい、ですっ」


「WINWINだな?」


「——? あ、はいっ! うぃん、うぃんですっ‼‼」


「おう!」


 ニコリと笑みを浮かべた地味を眺めた僕はゆっくりと教科書を開いたのだった。





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