17.謀略の雨の中。
街は次第に騒がしくなっていく。
街から人々が減っていくので静かになりそうなものなのだが、代わりに雨風が激しくなっていくのである。
台風によるものだ。
空もだいぶ黒々となってきており、夕暮れを迎えようとしているために、なお暗さが増していく。
街の通りを黄色いレインコートが歩んでいる。
今の状況――街が灰色から黒に染まろうとしている中――に一つだけ黄色というものは、とてもよく目立つ。
如何にも見てくれと言わんばかり。
歩んで行く先に見えるのは、病院跡として残っている建物。
敷地へと入るちょうど境目で足を止めた。
雨風に伏せていた顔を僅かに上げれば――和葉。
病院跡を見渡す。
門はだいぶ廃れてしまっていて、表札か看板でもあったのだろうと思しきところには、四角の窪みがある。
それも朽ちてしまっていて、僅かに型跡が残る程度のもの。
敷地は今まで色々な人が出入りを繰り返していたのだろう。
それこそ、人に隠れて何か悪さをするにちょうどいい場所なのかもしれない。
古いものから新しものまで、人の通った跡がいくつも窺える。
それに、中へと通じるための道標と言わんばかりに大小様々なゴミが散乱している。
外から見る建物は、何でこんな物が今まで残されていたのかと思うほど。
壁のあちこちにヒビ割れが目立ち、蔓植物が群生して壁の一部を侵食している。
また、隣接するケヤキの無造作に伸びる枝が窓を突き破って中へと侵入してしまっているところさえある。
もう幽霊スポットのような生易しさなど通り越してしまっていて、単に一言で済ませられてしまう「廃墟」と化していた。
病院跡といわなければ、見ただけでは元が何の建物なのか見当もつかないのではなかろうか。
「病院跡の前に着きました。
さて、周囲の様子はどうです?」
正面へと向きなおし、口を開いた。
首から僅かに覗けるマイクに、耳にはイヤホン。
離れた相手の言葉を待つ――
ノイズ混じりの声がいくつか返ってくる。
「――なるほど。
台風で正確な情報を得られませんか。
いえ、問題というほどのものでもありません。
向こうにも台風の影響でこちらの状況を完全に把握するのも困難でしょうから、イーブンです。
第一、考えても見てください。
向こうは曲がりなりにも戦争のプロです。
全うにやっても意味がなさないのです。
なので、台風による情報錯綜はこちらに不利だったものを打ち消してくれているのです。
戦争のプロが相手なら、こちらは魔具のプロです。
こちらの土俵に引きずり込んでやりましょう」
和葉はほくそ笑む。
しゃがみ、紙切れを地面へと置き、適当な石を拾って上に置いた。
紙切れが飛ばないようにしてやったのである。
「これより〝行動〟を開始します――とでも言えば、雰囲気が出ますかね?
ま、どうでもいいですね。
僕はこれより〝あらかじめ決めていたとおりに動きます〟ので、〝僕が不自然にならない〟ようにバックアップを頼みましたよ」
和葉は立ち上がった。
〝何か〟を口ずさめば、和葉を中心に僅かな空気の揺らぎが生まれた。
しかし、それもほんの少しの間のことで、この雨風の中ではあってもないようなものに過ぎなかった。
ゆっくりとした歩調で敷地内へと足を踏み入れていく。
風が増し、フードが外れる。
一気に頭から首にかけて濡れていく――むしろ、殴りつけられるような感覚。
このままではマイクとイヤホンが濡れてしまうが、気にも留めない。
まずは、建物へと入ることが先決。
外にいてもこの状況は先には進まない。
遠くで破裂音が聞こえた。
今の段階で予想できるのは銃声。
和葉もしくは和葉の周りに銃弾が届いた様子はない。
となると、誰かが敵と接触したのだろう。
それもすぐに聞こえなくなった。
どちらかが倒れたと見るべきだろう。
イヤホンから『サン――』という言葉が走り、ブツリという音とともに途絶えてしまった。
イヤホンが壊れてしまったのだろう。
和葉は構わず足を進めていく。
周りの状況が俯瞰視点で見ているかのように、見えてくる。
まだ自分に何も起きていないから、主観で物事を見えていないのだろうか。
この感覚に、僅かに不安が湧くものの、今はそんなものを気にしていられない。
建物の前まで来ると、半分以上開かれたドアがある。
ガラス張りのドアだったのだろうか、綺麗にガラスだけが抜け落ちてしまっており――その向こうに人影が見える。
隠れているにしては、どこかおかしい。
明らかに見えてしまっている。
和葉がドアを過ぎれば、人影がゆっくりと和葉の足元へと倒れこんできた。
男だ。
全く動かない。
見下ろすだけだが、それは気絶しているように見えた。
倒れたのは、きっと壁に寄りかかっていたかして、自重を支えきれなくなったためだろう。
「随分と手際のいい。
機動力からして、漆原千代でしょうか。
殺さずにできるとは、やはり〈異端狩り〉の名は伊達ではないということでしょうかね。
というか、殺さずに実行しろと言ったのは僕ですし、やってもらわなければならないことですけどね」
和葉は男をまたいで通り、レインコートを脱いだ。
通信機器を取り出すと、マイクとイヤホンを予備のものと交換。
「首尾はどうです?」
マイクへと呼びかけると、帰ってきたのは霞の声。
のんびりとしているようで――
『千代ちゃんが頑張ってくれていると、大助かりね。
私は何もしなくてもいいんだもの』
煙草でも喫んでいるのか、声とは別の吐息が聞こえてくる。
「そうですか。
今一番行動力があるのは彼女ですからね。
相手も女一人と侮っていれば、容易いでしょうかね。
ともあれ、飛び道具相手によくやるものです」
『カズくんが言ったじゃない。
魔具のプロだから、相手を引きずりこめって。
千代ちゃん、最近欲求不満らしくて、派手なものよ。
――さて、私も行かないとね。
数が相手ともなると、さすがに千代ちゃんでも大変だろうから』
「お願いしますよ。
それと、くれぐれも――」
『人死には出すな、でしょ?
わかってるわよ。極力出さない方向で行くわ。
私は千代ちゃんのように手加減ができないから、どこまでできるかわからないけど』
霞の笑い声が小さく――遠退いていく。
口元からマイクを離したのだろう。
それとも、通信端末を置いて離れてしまったのか。
これでは通信端末を預けた意味があるのか、和葉は顔をしかめた。
とはいえ、ここで文句を言ったところで、霞の耳に届いているのか不確かなので、気持ちを切り替えて進むことにした。
廃墟となっているだけあって、中は外観よりも酷いのではなかろうか。
いつ崩れてもおかしくないだろう。
柱によっては、側面が崩れて鉄筋コンクリートが剥き出しになっているものさえある。
床もボロボロで、まっ平らな場所は探さなければならないほどに見当たらない。
コンクリートが剥き出しになっているところがほとんど。
さらには、外よりも中のほうがゴミの散乱が酷い。
ゴミの中には元が何だったのかわからないものもある。
女物の破れた服や靴がいくつも放置されているところを見ると、ここで無理矢理陵辱を繰り返されているのが目にとって見えるほど。
犯罪の巣窟といってもいいだろう。
他にはどうやって運び込んだのか、家電が寝ていたりもする。
あとは、天井から雨水が染み込んできている。
上層階から床の全てに問題があると見るべきだろう。
荒廃した道を通り、階段を見つけたので上がっていく。
気をつけないと踏み外しそうに思えてしまう朽ちた階段。
――声がした。気の立った男の声。
目やれば、ところどころが血に濡れた目出し帽の男。
手には拳銃――マカロフが握られており、遠目からでも目が血走っていることが窺える。
息を荒げ、いつ撃ってきてもおかしくない。
それを何かが横から吹っ飛ばしていった。
新たな影が生まれ、こちらを見やってくる。
「加減――していますか?
死んでいたりしていないですよね?」
和葉が影へと声をかければ、影は手を振っただけでどこかへと消えてしまった。
「やれやれ、これではどちらが悪役なのかわかりませんね」
ため息をつく。
歩む先にも部屋が見える。
元が何かは全くわからない。
ドアもない。
「この辺りが建物の中央付近だと思うのですが、今のところ何もないですね。
あの程度の尖兵で僕たちをどうにかできるなんて思っていたのでしょうか」
部屋へと入った。
中は周りと変わらない。
廃墟以外の言葉も生まれてこない。
部屋の中央で足を止めた。
ぐるりと見回し――
『――左翼制圧しました。
霞姉さんの援護に向かいます』
『右翼に集中しているみたい。
ちょっと近づけないわね』
千代、霞と声が聞こえてくる。
どちらもまだ余裕があるようだ。
軍人崩れとはいえ、戦闘ともなればこちらを圧倒してくるのではないかと思っていたが、肩透かしを食らった気分にさせられる。
「さて、状況が楽に進みすぎです。
イヴァン大佐の部下がこんなにも呆気なくやられてくれるものでしょうか……。
咲耶霞、漆原千代、今すぐ相手が何なのかを確認してください。
敵が何かを確認してください。
フェイクかもしれません――」
マイクへと呼びかけ――
同時に足元が揺らいだ。
地響き、いや、建物自体が悲鳴を上げていく。
床、壁、天井――至るところにヒビが入っていく。
「なるほど、建物ごと僕らを消しにきましたか――」
◇
「――首尾はどうだ?」
イヴァンは窓際に立つ男へと尋ね、横へと並んだ。
男は双眼鏡で、雨風の荒れ狂う街を眺めている。
街は轟音と地響きを上げ、雨風に加えてより騒がしくなっていく。
男の見る先、建物が崩壊したのだ。
煙を巻き上げ、周囲へと広がっていく。
見れば映画さながら、もしくは海外のダイナマイトにおける解体現場ともいえようか。
遠くから見ているので、なおさら感じられる。
崩壊する建物の周囲に住まう人たちはさぞかし驚いているに違いない。
台風の中だというのに、何の装備もなしに外へと出て行く姿を何人も見受けられるのだから。
「〝ネズミ〟どもが罠にかかりました」
「そうか。案外呆気ないものだったな。
――しかし、派手に動き過ぎやしないか?
吾々は元々隠密に行動してきた。
今までそうだったし、これからそうすべきだと思っていたのだがな」
イヴァンは窓に背を向けた。
街での騒ぎを見ているのが忍びないと感じてのもの。
目的のためとはいえ、周囲に影響を及ぼすようなことをするのは、罪悪感がある。
「大佐、こうまでしなければならないほどの相手だったに過ぎません。
現に、たった一人相手に多くの同志を失っております」
「それは勝手に行動した結果だろ。
命令にないことをした上で、作戦など立てずに動くからだ。
力だけでどうにかできると思っていたのか」
「大佐、同志たちの犠牲を否定なさるのですか?」
「違う。
吾に伺いを立てずにお前が勝手に命令しただけのことだろ」
「そうですね。
――ですが、今回の作戦で我々は目的を果たすことができます。
それに、同志の仇も討てるのです。
〝人形〟も、もう少しで手に入るでしょう。
我々の勝ちです」
男は双眼鏡から目を離した。
イヴァンへと見やってくる。
イヴァンが男へと見やれば、ダークブルーの目がとても冷たく、イヴァンを貫いてくる。
口ぶりではイヴァンの部下なのだが、視線では全くの逆。
イヴァンを上官と思っていないのだろう。
でなければ、形だけの上官としか見ていない。
「勝ち、か。
ま、君がいずれこの部隊を引き継ぐのだから、今回は君に任せておく。
ただ、聞いておきたいことがある」
「何でしょう?」
「あそこに集められた、吾々のデコイは何なのだ?
彼らは、罠に巻き込まれることなど知っていないのであろう?」
「ああ、お気になさらず。
この街に住まうならず者たちです。
金を払うと言ったら簡単に話に乗ってきました。
所詮、使い捨てのヤポンスキに過ぎません。
それに、あそこで我々の同志を捨て駒にするわけにはいきませんので、現地調達が効率いいのです」
男は目を細めた。
使い捨てにされた者たちを嘲笑しているかのような目。
小さく含み笑いをすると、再び双眼鏡で街を見下ろす。
イヴァンも再び窓へと視線を向けた。
もう崩壊する音も地響きもしない。
煙も雨風によって吹き飛ばされてしまっている。
瓦礫の山が建物の合間に見えるだけ。
戦争――
イヴァンの若かりし頃の記憶が蘇る。
戦地を駆け巡り、砂に塗れ、硝煙のにおいをまとい、多くの血を見てきた。
多くの建物を瓦礫に変えてきた――。
またあの時と同じ光景が目の前に見えてしまう。
鼓動が早まる。
あの頃のように若ければ、部下はまた従ってくれるのだろうか。
だが、もう若くない。
部下も慕ってくれなくなりつつある。
お飾りの上官でしかない。
心の中でかぶりを振った。
今は目的に向けて動くだけなのだ、と。
「――なるほど。こちらは物見台でしたか。
ヘカテが直前に代われと言っていたので、何かと思っていたのですが、察していたのかもしれませんね」
二人の背後に声が上がった。
作戦中、ここに部下が来るようなことはない。
そのように命令している。
何か不足の事態でも起きない限り。
それに、部下の声でもなかった。
ロシア語ではあるのだが、慣れない言語を口にしているような訛りがある。
見やれば、少年が部屋の入り口にいる。
いや、少年のように見えるが、青年だろう。
日本人は童顔に見えてしまうので、イヴァンら外国人からすれば、年齢がわかりにくい。
そして、得ている情報から、ネコジシ商会の商人――和葉であることが認識できる。
でも、どうしてここにいるのだろうか。
今頃はあの瓦礫の下に埋まっている筈なのではないのだろうか。
和葉が冷笑を向けてきた――
◇
リーリャの修復のために設けられている四階フロアへと、目出し帽の男たちが押し寄せてきた。
あっという間のことだった。
気を抜いていたなどの話ではない。
目出し帽たちの動きが早かったのだ。
美加は全く身動きもできなかった。
目の前にはブルパップ方式の短機関銃――FN・P90が睨みを利かせている。
黒い穴――銃口の奥底には、人を死に至らしめる鉛の塊がいる。
遊慧にリーリャ、技術者たちも動けないでいた。
「――おやおや、こちらは意外と楽に済みそうですね。
ロシアの蛮兵どものように、もう少し抵抗してくれても、楽しめたのだけどね」
目だし帽の男たちとは一風変わって、顔をあらわにした男がフロアへと入ってくる。
目出し帽の代わりなのだろうか、一応サングラスをかけている。
ダークグレイのスーツをまとっており、P90のような物騒なものは手にしていない――隠し持っている可能性はあるが。
日本では外国人ということで目立つかもしれないが、特徴らしい特徴を持っていない男に見える。
口調も抑揚がない。
だが、全くないわけでもない。
「さて、〝パッケージ〟の確保が楽で何よりだ。
それで――こちらのお嬢さんはどうしようか」
表情を変えるわけでもなく、サングラスを外して美加の前へとやってくる。
カフェオレ色の視線が貫いてくる。
何者なのだろうか。
イヴァン大佐の部下なのだろうか。
美加は考えを巡らせる。
しかし、目の前の男を始め、押し寄せてきた目出し帽たちからは違うという印象がある。
リーリャと一緒にいた時に襲ってきた男たちよりも、遊慧と一緒に霞を捜していた時の男たちに印象が近い。
それに、「ロシアの蛮兵ども」と言っているぐらいなのだから、ロシア人ではないのだろう。
「こちらのお嬢さんは生かしておきましょう。
そちらは――死んでいただいても構いませんね」
男が遊慧を指差した。
目出し帽たちの銃口が遊慧へと向けられる。
美加は遊慧を助けなければならないと思うものの、動けなかった。
まだ一人が美加に銃口を向けているためだ。
男の手が上がり――
「殺してしまうと、怖いのが敵に回るけど。いいの?」
リーリャが冷笑を浮かべている。
男は訝しき、リーリャを見やる。
目出し帽たちは男の指示を待ったまま動かない。
「敵?
我々の脅威になるような敵がいるのかね?
いや、敵になったとて、何かが変わるとでも?
〝蛇〟でも呼び寄せるのかな?
生憎と、〝蛇〟はロシアの蛮兵どもと戯れているだろうから、我々が撤収するまでに現れんだろう」
「なるほどね。
こちらの事情がわかっているということは、私たちにイヴァン大佐の居場所をリークしたのはあなたたち〝ラングレー〟ね。
それで、私たちを分散ね。
よくやるわね、根暗たち。
って言ったら、私も根暗扱いされてしまうのかしらね。
お互い諜報を主体としているしね」
リーリャはクックックッと喉を鳴らすと、車椅子を男の前まで走らせる。
目出し帽たちが睨みを利かせているというにも拘らず、気にも留めていないよう。
自分が目的だからこそ、殺されないと踏んでいるのだろうか。
「で、どうするのかな?
我々が有利なのは変わらない。
〝蛇〟には悩まされるが、現状いないのだ。
我々に死角はないのだぞ」
「〝蛇〟はいないけど、〝黒猫〟が〝蝶々〟を置いていったのよね。
本当なら大佐の部下が押し寄せてきた時のための対抗策だったんだろうけどね。
あなたたちに代わったとしても変わらないと思うのよね」
「何を言っているのだ?
負け惜しみかね?」
「私ならともかく、この街のことをろくに知りもしないあなたたちが、出しゃばった真似をすれば、この〝街の祟り〟があるってことね」
「タタリ?
冗談はよしたまえ。
現在に生きる我々が、そんなありもしないものを信じるとでも思っているのか?
もういい。これ以上時間を潰しても意味がない。
その女をさっさと殺せ。
我々を見てしまったことを後悔するほどにな。
さっさと、〝パッケージ〟を確保して、戻るぞ」
男はリーリャを鼻で笑う。
遊慧へと向き、手を下ろした。
目出し帽たちの指がトリガーにかかり――
美加はリーリャと男がやり取りをしている中、誰も自分に気が向いていないことを見ていた。
向いているとしても、自分に銃口を向けてくる一人だけ。
そして、飽くまで殺すのが遊慧だけなのだと。
それならば――
自分が動いても、目出し帽たちは迂闊に撃てない筈。
目の前の目出し帽の銃口を払い除け、遊慧の前へと向けて駆けた。
自分が前に出れば、目出し帽たちは撃てなくなる。
――後ろから腕を取られ、遊慧に達することなく、床へとねじ伏せられた。
あっという間だった。
銃口を払ったまではよかったのだが、殺さずとも美加を取り押さえることなど目だし帽たちは容易すぎたようだ。
だからこそ、美加に誰も気を向けていなかったのだろう。
床から見上げる光景はスローに見えた。
映画のコマ送りされるシーンというものは、こういうことの表現なのだと思い知らされる。
これでは遊慧が助からない。
いつものように役に立てず、自棄することに浸ることしかできなくなってしまう。
もし遊慧を助けられるのなら、何でもいい、助けてほしい――
蒼い光が生まれた。




