8.人が消えたことの影響が押し寄せてくる。
ひどく気まずい。
浴用道具もなしに温泉施設内を歩き回るという行為は、どこか罪悪感が付きまとう。
旅館従業員としてなら、歩き回っていたとしても何らおかしくないだろう。
しかし、温泉に入りに来ている筈の客が、温泉へと入らずにウロウロとしているのだから、不審者然としていておかしいということにもなる。
その客というのが美加だ。
堂々としていれば、それこそ警察官として消えてしまった人の捜索をしているというものなのに、人の目から逃れるように隠れ隠れ行動しているものだから、怪しい以外の何ものでもない。
逆に犯人だと疑ってくれ、と言っているのではないかと見えてしまう。
それゆえに罪悪感が増していく。
自業自得である。
そもそも一応なりとも女将の皐月に捜索することは言ってあるので、隠れる必要などないのだ。
なのにこのような行動に出てしまうのは、受付の男に追い払われてしまったことが負い目となってしまっているに過ぎない。
そしてまた、その行動が自分の首を絞めるだけなのだとなぜわからないのか。
わからないのが美加であり、美加であるからこそわからない、というだけのことなのかもしれない。
「……ううぅ……どこにいるのかなぁ……。
どうやって捜せばいいのかなぁ……」
警察官とは思えない言葉を漏らしてしまう。
これもまた負い目がさせるものなのだろうか。
単に情けないだけのことなのだろうか。
どちらにしても、これまた美加だらかあり得る話だということで結論がついてしまう。
かれこれどのぐらいの時間を歩き回っていただろうか。
誰にも見つからないようにして、しかし、時折中居たちに変な目で見られていたのに気づかないことはさて措く。
温泉施設を自分の回れる範囲で巡り終えた。
そう、飽くまで〝自分の回れる範囲〟だ。
とある場所だけはどうしても入りにくい。
従業員じゃないからという理由も確かにあるのだが、別の理由がある。
そこの入り口には暖簾が吊るされているのだが、そこに「男湯」と書かれているのである。
やはり、女の身で男湯に入るのは、たとえ捜索のためとはいえ、ためらってしまう。
今、男湯に入ったところで、老神らは部屋にいるのだから、誰にも出くわすことなどないだろう。
それでも足が向かわないのである。
警察官なのだから〝女〟を捨てろと自分に言い聞かせても、決心に至らない。
大きくため息をつくだけ。
「――男湯を覗く趣味でも持っているのかしら?
だとしたら、邪魔をしちゃ悪いわね」
今までの行動があったからこそ、後ろから声をかけられるのは何よりも驚いてしまう。
美加は小さい悲鳴を上げて飛びのいた。
驚きに高鳴る心臓へと心の中で治まってと三回訴えかけた。
足元が震えた状態で後ろへと振り返れば、そこには呆れ顔の千代。
そんな顔をされても後ろから突然声をかけられれば誰だって驚くものだ。
それを言い返してやりたいのだが、言い返せない。
これもまた美加ゆえの情けなさであり実情でもある。
口ごもって、うな垂れて、げんなりとしてしまう。
それも自分よりもはるかに年下――千代は高校生なので十も違う――の相手に言われているのだから、げんなりも倍増。
情けなさも倍増。
「冗談で言ったのだから、否定してほしかったんだけど。
本当に〝そういう趣味〟の持ち主だと思われるわよ。
――そんなこと、どうでもいいわ。
消えた男、確か、雷電といったわよね。
彼を捜しているのでしょ?
不本意だけど、情報の共有といこうじゃない。
といっても、そちらには私が欲しいと思うような情報を持っていないでしょうけど。
それで、男湯の中を調べようとしていたの?
捜すのならさっさと済ませたほうがいいわ。
ここでウロウロとしていると、私だけでなく、他の人にまでそういった趣味の人だと思われるだろうし」
千代は何のためらいもなく、男湯の戸を開けた。
美加は唖然とするだけだ。
どうしてそんなに素っ気なくこなせるのだろうか、信じられない思いだ。
千代はふーんと頷き、中を覗く。
美加も倣って千代との合間から覗いてみた。
戸の向こうは当たり前のように脱衣所が広がる。
男湯だろうと女湯だろうと、造りは変わらない。
竹編みの篭が部屋の隅に積まれている。
棚はどれも空。
今現在、誰も温泉に浸かっていないことの証。
千代は躊躇なく中へと入っていく。
覗いただけで十分じゃないのか、と美加は怪訝に見てしまう。
千代は脱衣所の真ん中を突っ切っていって、さらに向こうに見える戸へと手をかける。
開いて奥を覗くが、脱衣所の向こうとなると浴室だろう、さらに奥へ入っていってしまった。
美加はその場に立ち尽くすのみ。
千代が戻ってくるのを待つことしかできない。
一緒についていけばよかったのかもしれないが、今からついていくにも男湯へと入る勇気が未だない。
少し間を置いて、千代が戻ってきた。
「中は従業員が掃除しているだけ。
雷電なる男なんて、見てないそうよ」
と言い、そのまま美加を置いて歩いていってしまう。
美加は千代の後を追いかけ、温泉施設を後にした。
「――旅館に通ずる道は二つ。
一つは駐車場に通ずる山道。
車で来る人は決まって苦労するらしいわね。
もう一つは裏手の路地へとつながっている道。
専らここへの客はバスでその道の前にあるバス停まで来て、そこから十分ほど歩いてここへと来ることができるわ」
美加と千代が部屋へと戻り次第、千代が集めてきた情報を口にしたのだ。
美加は〝情報〟というよりも歩いてきた山道そのものを思い返してしまって、ぐったり感が蘇ってきてしまい、げんなりとする。
電車とバスを使えば、〝あんな苦労〟なんてしなくて済んだのではないのだろうか。
しかし、車で来てしまった以上、今さら文句を言っても何も始まらない。
帰りにまたあの道を下っていくのかと今から考えると――考えることはやめた。
今は山道のことよりも消えてしまった人をどうやって捜すかが大事だ。
「とりあえず、駐車場側は未確認だけど、バス停側に雷電なる男を見たという話は聞けなかったわ。
バス停付近に住んでいる人たちに話を聞いたけど、今朝、旅館から出てくる人を見なかったそうよ。
見たとしても、せいぜい旅館の従業員たちが向かっていくところぐらいね。
さすがに夜中ともなると、誰もわからないみたいね。
旅館の従業員の話では、今のところ見つかっていないみたい。
カクレンボでもないのだから、旅館の中にいればすぐに見つかる筈だと言っていたけどね。
時間かけても見つからないのだから、どんなに捜しても見つからない、と見るのが妥当かしら。
――さあ、私からは以上よ。
他に何か情報はないかしら?」
淡々と千代が話したことに対して、美加は――
「え、えと……仲間の人たちから聞いた話では、昨夜の遅くから早朝にかけての間に、雷電さんがいなくなったとしか」
実績がない。
この程度の情報なら、すでに千代も手にしている。
だから――
「そう。目新しい情報はないようね。
じゃ、捜索の続き、頑張ってね」
と言われてしまった。
千代は言うことを言ったことで、美加に用がなくなったのだろうか、部屋を出て行ってしまった。
また情報を集めに出てくれたのだろう。
美加は全くというほど役に立っていないことを改めて自覚。
ため息をつくことしかできなかった。
◇
何もできないまま昼が過ぎた。
従業員たちは皆、雷電の捜索で忙しいとばかり思っていたのだが、昼食がちゃんと用意されているあたり、仕事の合間に捜索を行っているのだろう。
捜索も大事だが、彼らにとって旅館経営も大事な仕事なのだ。
美加は用意された昼食を手早く済ませた。
そのためにどのようなものを用意されていたのか、どのような味だったのか、うまく記憶がない。
とにかく腹を塞ぐことを考えていた。
捜索の再開――
旅館関係者たちの部屋などが残っているので、捜索したいところ。
だが、ウロウロとしているところを見つかった場合、どのような言い訳をしていいのか悩んでしまうので、どうしても後回しにしてしまう。
なのでというべきか、旅館の外、周辺を捜索することにしたのだ。
千代も外へと情報を集めに出ていたので、大半の捜索がすでに行われた後なのかもしれない。
でも、どこまで捜索が及んでいるのか、千代との情報の共有ではわからなかったので、改めて自分で捜索しようと考えてのこと。
ただし、そのためにはロビーを通らなければならない。
そこでは受付の男が美加を睨んでくる。
未だに美加のことを警察官でないと見ているのだろうか。
視線が痛い。
チクチクと刺してくるよりか、突いてくる感じ。
泣きたい思いを胸に、受付の男から逃げるようにそそくさと出る。
外は心地よい風が吹いている。
今起きていることさえなければ、五月晴れとしてとてもよかったことだろう。
それこそこの昼下がりを散歩して過ごすに最適だったに違いない。
緑に囲まれたこの場所を満喫することが何よりも幸せだったに違いない。
でも、和んでいる暇はない。
気持ちに活を入れて、歩みを始めた――筈が、すぐに止まることとなってしまった。
旅館の隅で従業員たちが集まっているのを目にしたのだ。
何かを話し合っているようだ。
それも表情が重苦しく、いい話をしているようには見えない。
そのうちの一人が美加に気づいたようだ。
「あ、あの人、警察の人だと、話さぁ聞いてました」
年季の入った仲居。
指を差して訛りのある言葉で言ってくる。
それに倣い、他の従業員たちも美加へと視線を向けてくる。
何ごとなのかと美加は身構えてしまう。
受付の男のような視線とは違い、すがってくるような視線を感じる。
「大変、大変なのよぉ。
私たちの中からも、一人、行方がわからなくなってしまってさぁ」
美加が従業員たちへと近寄っていく間もなく、従業員たちによって囲まれてしまった。
何よりも、また一人、消えてしまったという言葉が全身を貫くかのような思いだった。
従業員たちの話を詳しく聞けば、新たに消えた人は旅館の仲居の一人だという。
消えた時間帯は昼前から気がつく今――昼食後――までの間のこと。
最初は昼食がてらにどこかで休んでいるという安易な考えが浮かんだそうだ。
でも、勝手にいなくなるタイプの人ではないらしい。
それに、いつも休憩を取っている場所にはいなかったとのこと。
なので、〝消えた〟のではないかという話になった。
今朝の雷電の消えたという騒ぎがまだ記憶に新しいので、その仲居にも同じことが起きたのではないのかという推測。
話を聞き終えた美加は和葉の部屋へと訪れた。
和葉は万華鏡の魔具としての機能があるか見張ると言って部屋にこもっている筈だ。
仲居の一人が消えたことを和葉に話すため。
それに伴って、万華鏡に何か変化がなかったかを聞くためもある。
和葉が万華鏡を受け取った後に従業員が姿を消したのだから、なおさら話を聞いておかなければならない。
いや、和葉に話すことで和葉の指示を仰ごうというのだ。
和葉は暇そうにしていた。
お茶を飲んで呆けていたとしか見えない。
でも、目の前に木箱を開けて万華鏡をあらわにしているのだから、見張っているといってもいいのだろう。
それで〝見張っている〟ことになるのか、という疑問は残るのだが。
それだけ暇だと美加の顔を見るなり嫌味の一つでも言ってくるのではないのか――ネコジシ商会の事務所と同じような日常があるのか、と思って身構えてしまう。
けど、何も言ってこなかった。
あまりの暇な状態に嫌味の一つも浮かばないのだろうか。
むしろ、美加にお茶を淹れてくれる始末。
だからこそ、逆にこれはこれで怖かった。
いつもと違うからこそ、余計に身構えてしまうというもの。
「――あの、万華鏡に何か起きたりはしませんでしたか?」
お茶を一口飲んでから恐る恐る話を切り出す。
万華鏡に何かあったように見えないのは、美加の目からでもわかること。
だからこそ和葉が暇を持て余していることになる。
ここでそんな話を切り出すのは、和葉の機嫌を損なうだけということもわかっているつもりだ。
でも、話を切り出さなければ何もわからないのも事実。
「何か? 見てのとおりですが。
どうして、そんなことを訊くのです?
あなたは、あなたのすべきことをしていればいいのです。
僕の役目にまで気を遣う必要などないのです」
和葉は眉をひそめつつ言ってくる。
わかっていたこととはいえ、美加はいつものように肩をすくめてしまう。
そこまで和葉が凄みを持っているわけではないのに、そうしてしまうのは美加の弱さなのかもしれない。
でも、それで終わらせるわけにはいかない。
「わかっています。
私には他のことに気を回すほどの力が不足していることぐらい、よくわかっています。
ですけど、こちらとしても、知っておかなければならないことが起きたの」
「ほぅ――それは気になりますね。
何が起きたのですか?」
「――また人が消えたの。
今度はこの旅館の仲居さん。
それも、和葉くんがそれを受け取った後に消えたって」
「消えた?」
和葉は慌てて万華鏡を手にした。
色々な角度から眺めていく。
万華鏡は如何にも〝万華鏡〟といった感じで、魔具はおろか万華鏡以外のものには決して見えなかった。
装飾された筒状のもので、中を覗けばきっとあの幻想的な光の綺麗な世界を見せてくれることだろう。
「――本当に、消えたのですか?
少なくとも、これに何か異変があったようには、見えないのですが」
和葉は万華鏡を木箱へと戻し、こちらへと見やってくる。
その目は疑っているのかもしれないが、全く信じていないというわけでもないようだ。
「あなたが嘘を言うような人でもないし、人がまた消えたという可能性は否定できませんね。
さて、そうなってくると、人が消える原因は魔具の力でなく、別の要因という可能性が高まったと見るべきでしょうか。
事故、事件の類となると、僕は何の役にも立ちませんね。
警察に連絡して、解決してもらうのが早いのかもしれません」
「あ、あのぉ、私も一応警察……」
「ああ、そうでしたね。
肩書き上、警察官でしたね。
それで、解決の見通しは?」
「え、えぇと……まだ、何もないです」
「でしたら、さっさと捜査の続きをなさったらどうです?
僕は僕なりに少し考えたいことがあるので」
「あ、はい。そうします」
美加はお茶を飲み干すと和葉の部屋を出た。
和葉にくどくどと嫌味を言われないで済んだのは助かった。
とはいえ、万華鏡の仕業と見ていた和葉は、また一から考え直さなければならないのかもしれない。
それゆえに嫌味など言ってくる暇がないのだろう。
美加は襖障子越しに、和葉へと「ガンバレ」と呟いた。
「――なぁ、本当にアイツと何ともなかったのかよ?
だって、お前ら、すぐに喧嘩するからよ。心配でさ」
男の声。
廊下には自分しかいないと思っていたので驚いてしまう。
でも、宿泊部屋の廊下なのだから、誰がいてもおかしくないのだ、と早まる鼓動を抑え込んだ。
男たちの宿泊している部屋の前では、作並と糠平が何かを言い合っている。
どこか険悪な雰囲気。
できれば関わりあいたくない。
でも、今朝からのことに何か関係があるのかもしれない、とその場で聞き耳を立てる。
「そりゃ、さ。
確かによ、雷電の坊やとは、何かと衝突することもあるしよ、疑われてもしょうがねえと思うしよ。
だからってよ、俺が雷電をどうにかするわけないしよぉ」
作並が両手を腰に当てて言い返す。
美加はどうしたらいいのか、この会話に関わっていいのか悩んだ。
雷電についての話をしているのだから、誰の仕業なのか、誰かを責めようとしているのだろう。
仲間内の犯人探し。
こうなると関わったらかなり面倒そうに見える。
だが、勝手な犯人探しのせいでこちらの邪魔になりかねないとも考えられる。
止められるうちに止めなければならないだろう。
作並と糠平は美加に見られていることに気づいたようで、バツが悪いところを見られたと言わんばかりに、そそくさと去っていく。
静かになった廊下――。
美加は何ごとも起きなかった、何も見なかったとかぶりを振って歩き出す。
男たちで犯人探しをやるのは勝手だが、悪い方向へさえ持っていかなければこちらから何も言う必要はないだろう。
言うにしても、男たちにはっきりとものを言い通せるとも思えないので、触らぬ神に祟りなし、と決めたのだ。
となれば、和葉に伝えることを伝えたのだから、次に行こうということになる。
次は千代に伝えなければならない。
しかしどこにいるのかわからないので、どこへ行けば千代に会えるのか。
それに千代のことだから、美加が伝えることもなく、自分で知ってしまうのではなかろうか。
千代については放っておいてもいいのではないか、という考えに至ってしまう。
その足で旅館関係者の部屋へと通ずる廊下へと入っていく。
こちらへと足を運ぶのはまだためらってしまうが、従業員たちに美加が警察官であることを認知してもらえているのだから、旅館関係者の部屋へと行っても問題は生じないだろう。
気を入れなおし、受付の男のような目を向けられないようにと祈りつつ、一歩、また一歩と進んでいく。
向こうから皐月が近づいてくる。
初めて会った時と比べて、会うたびに華やかさが失われていくようだ。
花の枯れる様を見せられているといってもいい。
どんどん皐月の表情が疲れ果てていくのだ。
年相応の女性とは思えないほどに老けて見えてしまう。
前髪のほつれ具合が前よりも増えたように見える。
髪の毛を整える暇もないのか、心の余裕がないのか。
もしかしたら、全く寝ていないのではないのだろうか。
万華鏡のことを考え、今朝は雷電が消えてしまい、先程には仲居の一人が消えてしまった。
嫌な予測だけが頭の中を駆け巡っていく。
「大丈夫ですか?
顔色がよくないみたいですけど」
皐月が前に近づいてきたところで、美加から声をかけた。
こちらから声をかける気はなかったのだが、体が勝手に動いてしまった。
それだけ皐月がみすぼらしく見えてしまったということか。
同情の念が強く出てしまったというべきか。
女将らしからぬ姿を見ていられなかっただけなのかもしれない。
「あ、いえ、大丈夫です」
皐月はささやかな笑みをもって会釈を返してくる。
その笑みに力がない。
そもそも笑みといえるものなのだろうか。
ただそれらしい形に表情が歪んだだけにしか見えなかった。
「心配させてしまうようなことを、お客様に言わせてしまうなんて、申し訳ありません。
何かと忙しいもので――」
皐月は頭を下げる。
そんな弱々しい姿で頭を下げるものだから――ほら、前のめりに倒れた。
「えぅっ!?」
美加は唐突の状況を前に素っ頓狂な声を上げてしまう。
「ちょっと、しっかりして!」
皐月へと駆け寄り、抱きかかえた。
皐月は弱々しく呼吸を繰り返すだけ。
目を閉じて、全く動かない。
その体はとても軽くて、人を抱えているのか人形を抱えているのか、わからなくなる。
力を少しでも込めたら、崩れて砂となって消えてしまうのではないのか。
そんな恐怖さえ湧き上がってくる。
美加はそっと皐月の額へと触れた。
とても、熱い――。




