7.信じてもらえないのに、どうやって信じてもらうか。
美加は受付の男へと必死に弁明をしたのだが――
結局、受付の男に追い払われることとなった。
信用させるようなものを何一つ持っていなかったのだから、当然といえば当然。
それでも、信用してほしかったという念が強かったために、うな垂れながら宿泊部屋の並ぶ廊下へと戻ってきた。
美加に〝警察官らしさ〟が全くないということなのか。
悩ましく、むぅといつものように口を尖らせてしまう。
さらに、何一つ進展のないところを和葉に見られたら何と言われるのか。
それを考えると身震いするほど怖い。
それこそ、ここぞと言わんばかりに嫌味のオンパレード間違いなしだろう。
その怖さから、和葉の部屋の前を通る際は忍び足になってしまっている。
後ろめたさ全開だ。
通り過ぎたところで振り返った。
和葉が部屋から出てこないことを確認してから安堵の息をつく。
実に情けないことがわかっているからこそ辟易としてくる。
男たちが宿泊している三つの部屋の前――どの部屋に老神がいるのだろうか。
考えるよりもまず、一つずつ部屋を当たっていけばいいのかもしれない。
でも、それをやる勇気がない。
それに、聞き込みをするにも、何をきっかけに話していけばいいのか、ということもある。
直接誰が消えたのかを訊いていいのかためらってしまうのだ。
ロビーで受付の男に相手にされなかったのだから、老神らの誰一人にも信用されない恐れだってある。
それどころか、いきなり訊いて怒らせてしまうかもしれないと危惧もしてしまう。
どうしたらいいのか――ウンウン唸りつつ部屋の前を右往左往していると、タイミングよくというべきか、部屋の前でウロウロしている美加の気配を感じ取ったのかもしれない、老神が姿を現したのだ。
これで老神を捜さなければならないという手間は省けた。
次に、老神にどのようにして話していくかということになる。
理解のありそうな老神とはいえ、まずは美加が警察官であることを信じてもらわなければならない。
そして、消えてしまった人は誰なのかを訊き、捜すための協力を願わなければならない。
言葉にすれば簡単だが、いざ実行に移すとなると難しいところだ。
何ごとも信用で左右することなのだから。
「おや、昨日のお嬢さん。
どうかなさいましたか?
まさか、我々の仲間がまた何かを言ったのではないでしょうか?」
野太くも穏和な声がかけられた。
美加がここに用があるのだと察して尋ねてくれたのだろう。
美加は会釈し――
「あの、その、何と言えばいいのか――あ、大丈夫です。
私たちは何かを言われたわけではなくてですね……うぅ……」
きっかけはできたのに、どのようにして、どこから話していいのか戸惑ってしまう。
老神を前にしているのだから、すぐさま消えた人についての話を聞けばいいとわかっているのに――できないでいる。
実に情けない限りだ。
老神は、美加が何かを言おうとして言えないでいることに、訝しんでいるようだ。
でも、笑みを崩さずに美加が言おうとしているのを待ってくれてもいるようだ。
美加の行動を予期しているのだろうか。
「あ、あの、朝……まだ朝という時間ですけど……アハハ」
美加は空笑いを交えつつ言った。
目は泳ぎ、さらには顔もあちこちと向き、素直に消えた人についてを訊けないでいる。
そんな美加に老神はため息をついている。
厭きられてしまったのか、と美加は叱られてしょげている猫のように俯いて、上目遣いで老神を見る。
「今朝、我々の仲間の一人が行方を晦ましたことを、気にしているのかね?」
しまいには老神から話を切り出されてしまった。
「朝から騒がしくして申し訳なかった。
勝手にいなくなってしまった者に代わり、私が謝罪を申し上げましょう」
深々と頭を下げられてしまう。
クレームを言いに来たと思われたのだろうか。
これでは目的へと向かわない。
「あ、いえ、その、謝ってもらいたくて、ここへと来たわけではありません」
「謝罪を求めているわけじゃない?
では、どのような用件で?
用があるから、ここにいる――違いますか?」
「今朝のことと言いますか……消えてしまった人の話を聞かせてもらえませんか?」
美加はいつまでもはっきりとしない態度をとっているわけにはいかない、と一呼吸置いてから尋ねた。
老神が顔をしかめる。
より一層、怪訝をあらわとしているようだ。
「話? 聞くほど面白い話というわけでもあるまい。
興味本位で、他人事の話を聞くのは感心しないな」
「あ、いえ、興味本位というわけではなくて……。
私、一応警察官なんです。
バッジは、今は持っていないので、証明のしようがないんですけど。
消えてしまった人が、もし事故などに遭っていたら大変なので、捜索のお手伝いと言いますか。
お役に立てたらと思って……」
老神の声色のせいもあるのだろうが、美加は弁明しながらも尻下がりに声が小さくなっていってしまう。
老神が怒り出すのではないかとビクビクしてしまう。
老神は「警察……」と呟いた。
美加をまじまじと見据えてくる。
疑っていると見ていいだろう。
いや、美加の態度で疑わないほうがおかしいのかもしれない。
本当に警察だというのなら、もっと毅然としていなければならないのだから。
「警察の手を煩わすほどのことでもない、と断っても宜しいかな?
我々の問題ゆえに、あまり騒ぎを大きくしたくないというのが、本音なのだが」
「え、えぇとぉ……そう言われてしまうと……」
警察であることを信じてもらえたのかわからない老神の言い回しに、美加は戸惑うばかり。
それどころか捜索の手伝いに関して断ってくるなんて、思いもしなかったこと。
確かに老神の言い分も理解できる。
ともなれば、いくら警察官であっても手出しすることはためらってしまう。
「――そうは言っても」
老神が言葉を紡いできた。
何を言ってくるのか。
「我々だけでは捜すにも限界がありましょう。
もし、あなたが宜しければお手伝い願えますか?」
美加は老神の言葉を恐れていたために、この言葉は予想外だったと唖然した。
「えっ? いいんですか……?」
それこそ、聞き返してしまうほど。
老神は頷いた。
「あなたとしても、何か思うところがあって、我々に協力を申し出てくれたのでしょう?
でなければ、無理に我々に関わる必要もない。
他の面々が何と言うかわかりませんが、私のほうから言って聞かせましょう。
さて、早速と言いますか、仲間にあなたを紹介しなければなりませんな」
老神が美加を部屋へと迎え入れる。
話を聞くためとわかっているが、ものすごく緊張してくる。
警察官として認めてもらえたのか気にもなり、ちゃんと話を聞いてくれるのか不安にもなり――
話を聞けたとして、消えた人を捜すことができるのか怖くなってきた。
「本当にこんな奴があいつを捜してくれるのかよ?」
老神に迎え入れられた部屋で、男たちが全員集まった。
そして、真っ先に疑いの目を向けられてしまう。
全員が全員、老神のように理解してくれるとは思っていなかったが、第一声にそういう言葉を向けられてしまうと、げんなりと肩を落とすしかない。
それも老神を除いて皆一様に同じ視線なのだから、とても怖い。
老神だけは美加の言っていることを完全に信じてくれるまでになっていないものの、他の男たちに比べて視線の鋭さが緩和している。
それも誰一人として美加を信じてくれないのは、どうしていいのか不安だけが募っていく。
「そうは言っても、荷物をそのままにどこかへと行くとは考えにくい。
旅館にも行方を捜す協力をしてもらっているのだ。
この人もまた協力してくれるというのなら、頼ってもいいだろう」
老神は疑いの言葉を向けてきた男へと宥めるように言った。
その後、美加がいるにも拘らず、男たちが皆話し合いを始めてしまう。
全員が美加に背を向けている。
美加の協力を受けるかどうかの話し合いのようで、声の大きさまで絞るつもりはないようだ。
根本的に懐疑的な態度を取っている男たちからは、協力を受けない方向で話が進んでいく。
美加はその話し合いに耐えるようにして、じっと待った。
今にもこの部屋から出て行きたい。
この重苦しい空気から解放されたい。
この件に関わらなければ、こんな思いをすることなんてない筈だ。
今ならまだ引き返せるのではないか。
引き返せば解放されるのではないか。
――いや、関わると決心したのだから、逃げるわけにはいかない。
耐えるのだ。
耐える……のだ。
耐え……るのだ……。
この気持ちが美加の中を駆け巡っている。
どちらの答えでもいい。
早く答えが欲しい。
答えさえ貰えれば賛成だろうと否定だろうと、その分、楽になる。
だから早く答えを、と心の中で叫んだ。
「――老神さんに任せた。
俺たちがうだうだと言ってたって、〝ライデン〟の奴が見つかるとは思えねえからな」
「それもそうだな。
老神さんがよかれと思って連れてきたんだ。
それに協力してくれると言うのだから、頼んでもバチなど当たりはせんだろ」
「警察かどうかも怪しいもんだが、だからと言って、俺たちを騙したって何の得もないだろうし、受けてもいいんじゃないか?」
あれほど拒否を押し出していた男たちだったが、話し合いを進めていくにつれて、何かを思ってか今までの反対の言葉を言っていく。
今の三人の他、残りの男たちも老神の賛同の言葉を紡いだほど。
美加はどうして意見が変わったのか、不思議に思って男たちを見やっていく。
でも、考えてみればそんなにも不思議なことでもないのかもしれない。
彼らは皆、消えた人を心配しているのだ。
だからこそ突然協力を申し出た美加を何か企んでいるのではないかと疑っただけに過ぎない。
本当なら、誰の手であろうと借りて、消えた人を捜したいのだ。
それだけ仲間意識の強い人たちなのだ、と理解した。
とはいえ、男たちの誰もが美加のことを役に立つのだろうか、という疑いの目を向けてくるのは、さすがに胸が痛い。
男たちから話を聞くこことなったわけだが――様々なのは年齢だけでなく、彼らの職業や生活スタイルまでが違っていた。
秘湯を巡るサークルだと言っていたので、時間がある時に集まって温泉へと出かけるだけの集団ということか。
老神は会社を経営する取締役。
他にも弁護士やら普通の会社員やら学生やらと色々。
老神を集団の筆頭として、霧積、山鹿、雄琴、糠平、和銅、作並と美加の前に並んだ。
消えた人は雷電という若者で、和葉と千代が睨み合っていた時に揶揄してきた男だという。
確かに、言われたとおり、その時の男だけがここにいない。
「あいつは勝手にいなくなるような奴じゃないんです。
事故に遭っていなければいいと、本当に思っています」
霧積と名乗った若い男が美加の手を取って訴えかけてきた。
雷電と一緒に〝修羅場〟と言っていた男であることを思い出し、美加は複雑な気分にさせられる。
「わ、わかりましたから、今朝のことを話してくれますか?
いつまでいて、いつから姿を見なくなったのか。
できるだけ、具体的に」
これに対して男たちはそれぞれに答えてくれた。
全員が一致しているところは、昨夜の就寝前まで雷電がいたことを確認しており、今朝になって皆が集まるところに姿を見せなかったということだ。
男たちの宿泊している三部屋のうち、雷電と霧積が若い者同士ということで同室。
あとは老神と山鹿と雄琴、糠平と和銅と作並で、残りの二部屋を分けているとのことだ。
部屋割りからして雷電と最後まで一緒にいたのは霧積ということになるだろう。
ここまで話をして、その時は雷電が消えるとも思いもよらなかったし、消えるような素振りも見せなかったということだ。
今朝になり、起きてみればすでに雷電の姿がなかったという。
朝早く起きてその辺を散歩しているのだろうと安易に考えていたが、いつまで経っても戻ってくる気配がなく、他の仲間へと雷電のことを訊いても見ていないと言う。
さらには旅館の従業員へと訊いても見ていないということになり、雷電が消えてしまったと騒ぎ始めたということだ。
雷電が独りで勝手に帰ってしまったのではないか、という考えも出てきたようだが、雷電の荷物が部屋にそのまま残されているので考えにくいという。
今、旅館の従業員に旅館内を捜索してもらっているところだ。
そんなに広い旅館というわけではないから、そろそろ何かしらの返答がきてもいい筈だ。
それと、騒ぎ始めた頃に千代が話を聞きに来たというので、簡単に答えたと言う。
だからこそ、朝の和葉のところへと行った時に千代が色々と知っていたのだろう。
その千代からも何かを見つけられたら同様に知らせに来てくれるらしい。
千代がどこかへと行ってしまってから姿を見ていない。
今頃、どこかで雷電を捜す手がかりを探してくれているのだろう。
ここまでが男たちの現状を知り得る限りの情報。
「――わかりました。
今はまだ情報が少ない中ですが、私なりに精一杯の力で捜してみたいと思います」
美加は頷きつつ言った。
雷電を心配していることは痛いほどに伝わってくる。
合わせて、美加を頼りない女だと見ているらしい視線も変わらずに痛いほどに感じられた。
美加は男たちの視線から逃れるように、早々に部屋から出た。
襖障子を閉めて廊下に独りになったところで、深々とため息をついた。
「……話を聞けたのはいいけど、どこから捜していこうかなぁ……」
廊下を見渡す。
ロビーへと通ずるほうから、温泉施設、または旅館関係者の部屋へと通ずるほうへと。
ロビーへと戻ったとしても受付の男にまた睨まれかねないので、しばらくは足を向けるつもりがない。
となると、反対側――温泉施設か旅館関係者の部屋かということになる。
「……あれ、私はこの旅館に、何しに来たんだっけ……?」
目的と今やっていることが全然違うことを思い出してため息をついた後、一路、自分の宿泊部屋へと戻ることにした。
ここへは温泉に入りにきた筈だ。
なのに、昨日の一回のみという状況にため息が連なっていく。
かといって、雷電の行方がわからないまま、それを話まで聞いたというのに放っておくというのも夢見が悪い。
こうなったら少しでも早く雷電を見つけ出して、少しでも多く温泉に浸かってやると決意した。
部屋に戻ってきても誰もいない。
千代は手がかりを探しに出ているために、部屋で大人しくしているわけがなく、当然といえば当然か。
旅行バッグを開けて、中身を広げていく。
温泉に入るために来たので、着替えなどしかない。
それでも捜索に役立てられる何かがないものかと考えてのこと――
でも、旅行バッグをひっくり返したところで、そういうものが見つかるわけがなかった。
むぅと口を尖らせたところで自分の持ちものではどうしようもないことにげんなりとした。
◇
部屋には和葉だけ。
正座してテーブルへと向かい、テーブルの上に置かれている木箱をじっと見据えていた。
木箱は蓋が取られ、万華鏡があらわとなっている。
万華鏡は至って静かなもので何も変わらず魔具としての機能があるのかどうか疑わしい限り。
そもそも〝消えた人〟というのが魔具によって行われたことすら怪しいものだ。
そうなってくると、万華鏡が魔具の機能を働かせているのかどうか、見張っているのもおかしな話となってくる。
だが、怪しいだのおかしいだのと言ったところで何の解決にも至らない。
見張っていることしかできないこの状況に、不満が募ってくるものの、我慢しなければならないところなのだ。
本当に万華鏡のせいで人が消えてしまったとするのならば、見逃すわけにもいかないのだから。
自分自身に言い訳がましい理由をつけて――。
それにしても、自分の役目はわかっている筈なのだが、見張っている以外にやることがないというのも暇でしょうがない。
見張ってさえいれば害にならない程度に他のことをしていても問題が生じないのではなかろうか。
そう思えたので、茶器の準備をして、お茶を淹れる。
コポコポと湯飲みにお茶が注がれる様を見て和んでいる。
お茶を飲んで、ふぅと息をついた。
落ち着く――。
和葉以外に部屋には誰もいない。
その上、音を立てるようなものがないのだから、とても静か。
〝見張っている〟という役目を忘れてのんびりと過ごしたくなる。
このまま和やかな雰囲気のまま、時間が過ぎ去ってくれればとさえ考えてしまう。
だからこそ隙があった。
不意を衝かれてしまった。
「――随分と暇そうね」
背後に気配が生まれ、声がかけられた。
和葉は驚きのあまりにお茶を噴き出してむせ返った。
こんなタイミングで誰なのかと胸をさすり、口元を甲で拭い、振り返った。
「何をそんなに驚いているの?」
声の主は千代。
いつの間にここへとやって来たのか、いくら神出鬼没とはいえ、気配もなしにやって来るのはいただけない。
非難の目を向けるのだが、千代はどこ吹く風。
「――ま、そんなことはいいわ。
私にも一杯貰えるかしら?
いえ、自分で淹れるわ。
よからぬものでも混入されたら困るし」
千代は和葉の向かい側に座って茶碗を用意してお茶を注ぐ。
お茶を一口味わい、和葉へと一瞥をくれてくる。
テーブルの端に布巾が置かれているのを見ると、手にして和葉へと放ってきた。
「汚いわね。それで拭いたら?」
と言うのは勝手だが、こうさせたのは千代だ。
普通に部屋へと入ってくれれば、こうもならなかったこと。
しかし、そんなことを言ったところで、千代は何も思うことなどないだろう。
それでも言わないといられないところが、和葉である。
「……何ですか、その上から目線は?
あなたのせいで折角のお茶が」
和葉はジト目で見やるのだが、千代は跳ね除けるかのように、さらに一瞥をくれてくる。
それどころか――
「上から目線はあなたの十八番じゃない。
それに私の気配も察知できない未熟さが悪いのよ」
いけしゃあしゃあと言葉を返してくる。
ともなれば、黙っていられないのも和葉である。
「僕は〈異端狩り〉のあなたと違って、〝普通の商人〟なのです。
ただ、扱っているものが特殊なだけの商人に過ぎないのです。
ですから、そんな能力は僕にとって然程重要じゃないのです。
〝あなたの世界〟にとって未熟だろうとも、構いません」
二人が睨み合う。
殺気立ちとまではいかなくとも、何かが起きかねない雰囲気。
しかし、十秒もしないうちに和葉は千代から視線を逸らした。
不満をあらわにしながらも、テーブルを拭いていく。
千代の視線が怖かったわけではない。
ここで睨み合っていても何の得がないと考えたので早々に切り上げたのだ。
それは千代もわかっているようで、和葉が視線を外したこともあり、睨む必要もなくなったとお茶をすすっている。
「さて、あなたがここに来たということは、僕に何か用でもあるのですか?」
和葉は新しくお茶を淹れなおして、一口飲んでから尋ねた。
千代はお茶を飲み終え――
「とりあえず現状の報告。
あなたのことは好きになれないけど、今回はやむを得ず共同なのだから」
「なるほど、情報の共有ですか。
それはいいですが、消えてしまった人についてなら、僕よりもあの人に言ったほうがいいかもしれません。
今、消えた人の捜索をしている筈ですから」
「あの人――あの女のこと?
あの女……。わかったわ。
でも、一応あなたにも言っておいたほうがいいと思うのだけど。
私が言うのもなんだけど、あの女は頼りなく見えるし」
「そうですね。
〝頼りない〟という意味でしたら、僕も同意見です」
和葉は笑んだ。




