0007 封印解除の魔法
まず、魔道書を読むには、封印された魔導書から、封印の魔法陣を解かなくてはいけない。
シルク王子は王城の私の書斎で言った。
「いい?封印の魔法は土属性だ。火属性は戦いの魔法が多い、水属性は解除の魔法が多い、風属性は癒しの魔法が多い、土属性は封印の魔法が多い。では、これらは一貫性はないが、もし風属性でも攻撃魔法はあるんだけど、初めては土属性の魔法を会得する必要があるね。」
「どうやってやれば?」
シルク王子は気のいい顔で笑った。
「土の基本魔法陣は丸を描いて、四角だ。このペンで描いてみて。」
シルク王子はフリルにペンを渡した。本当に空中に書ける。初めての魔法体験だ。
「これは?」
「コノハシドリの羽で作った羽ペンには、もう魔力が宿っているからね。自分の魔力は使わなくていいよ。」
「魔導書見るだけで魔力を使うのですか?」
「うん、魔導書には大切だけど、危険な魔法も書いてあるから。もちろん、普通の人には、何も書いてない本に見えるはずだ。」
「それなら、普通に置いといてもバレずにすみますね。」
クローズが帰ってきた。
「今の話、今度教えてあげるよ。」
得意まんえんに言ったら、クローズが拗ねた。
「4元素の得意分野でしょ?それぐらいなら知ってます。」
「土魔法はできるの?」
「何の話ですか?今からシルク王子直々に教えてもらえるのです。光栄です。」
「二人とも、そんなにかしこまらなくていいよ。じゃあ、土魔法の封印解除の魔法陣はこう。」
シルク王子が空中に魔法陣を書いていく。綺麗な円の中に細かく線やら円やらが浮かんでいる。
封印の魔法陣は、円になぞるように大きな四角、四角の中に大きなバツがついている。
「これだけですか?」
シルク王子は水の魔法で空中に魔法陣を浮かばせているのだ。土の封印解除の魔法陣を。
「今度は意識してみて、心の中でこの魔法陣を手に持ってる本に発動させるんだ。最初の一歩は魔導書を見る魔法だよ。」
二人は目を閉じて、心の中でこの魔法陣を保って、何か力を入れた。それはクローズで、フリルはとにかくはっきりさせようとした。
フリル嬢は手に持っていた魔導書がバシッという音を聞いた。
フリル嬢は恐る恐る開いてみる、そんなことより、表紙にタイトルが浮かび上がった。
『基礎魔法大全。』
「気に入ってもらえたかな?じゃあ、こっちの本も解いてみて。」
『基礎薬剤調合大全。』
「今回はこのぐらい、オレは用事があるから、フリル嬢はここで魔導書を読んでていいよ。」
「貸してもらってもいいですか?」
フリル嬢は期待で胸がいっぱいだった。
「どうぞ。でも、一度封印が解かれたら、普通の人にも全部見えちゃうから注意するんだよ。」
「ありがとうございます。こんな忙しい中教えてくださって。」
「また、分からない所があったら、気兼ねなく呼んでね。この人を窓口にするから。」
シルク王子は名前の紙を見た。
『イズルー大使。』
「た、大使?」
「魔法に関してはオレより知ってるよ。ただ、寡黙でさ。あまり人前で話すとか緊張するらしいんだ。」
「それで大使なのですか?」
「まあね、君にはまだ言えないけどね。」
シルク王子は人差し指を立てて、片目をつぶった。かっこよかった。
門前にて。
二つの魔導書(封印をシルク王子が施した)を持って、馬車で帰ることになった。
「そうだ、アリス。これは口外してはいけないけど、アリスなら言えるかもね。」
「どうされたのですか?フリルお嬢様?」
「私、これから魔法を始めるから、それを内緒にするために力を貸して欲しいんだ。」
「魔法、ですか?」
「いい。私以外誰にも言ってはいけないわよ。後、私に紅茶を出さないで、この本を読んでる間は。」
アリスに本を見せて、説明した。
「このレシピ本が魔導書、なのですか?」
アリスには魔力がないのだ。
「分かりました。このアリス、命に変えてもお嬢様のお力になります!」
もう少しで屋敷に着く。




