0006 魔導書と新しい世界
一つの魔導書には、たくさんの魔法が書いてある。
応用として、何の属性の魔導書か。一つの魔法にはどの魔導書の形式がとらわれているか。魔導書はどのような形式の魔法を載せているか。
こんなに整頓された実用書も久々に見るここと私はなる。
私の前世は大手出版社メーカーの下請けの整理係だったのでこんな整頓は頭の中でもできるぐらいだった。
それは結構後のお話。
私が最初に借りた魔導書は、『はじめての魔法ガイダンス』。超名前が初心者っぽいのだ。本当は日本語では違う器用な名前がカッコよく入っている物だが、神様は私にボキャブラリーをくれるのか、わかりやすい名の本だ。
まず、魔法とは二つに分かれるらしい。
一つは、エレメント、つまり、炎、水、土、風の発音を言うだけで使える魔法。もう一つは、材料を組み合わせる魔法だ。この場合、エレメントは必要ない。三つ目は、魔法陣をあらかじめ用意して、事実を変異させる魔法で一番多い。
炎の場合、水と相性が悪く、土の場合、炎と相性が悪い。などなど。
私はここははしょって材料を組み合わせる魔法を読んだ。
草や虫の体の部分を組み合わせて、窯でくべて作るらしい。何か不気味である。
最後の魔法陣の項目へ行くまで、私は魔法への関心は死んでいた。
魔法陣には、魔導書の数の種類の魔法陣があるという。
魔法陣とは万能であり、エレメントでも使え、材料生成でも使える。
つまり、魔法を形作る上で、魔法陣は必要不可欠なのだ。
最後に、この本を封印する魔法陣が書いてあった。
・・・見えない。
その魔法陣には何個もの魔法がかけられていて、素人が見るからと理由まで書いてあった。
私はその魔法陣が見たいと思った。
とても見たいと思った。
心底見たいと思った。是が非でも。
10日後。
ティーパーティに出席していると、メーアが私に問い詰めた。
「最近、手紙の返事、遅くない?」
「え?そうかな。」
「お願いね。」
そう話していると、シルべリット・アリアがこっち、と目でコンタクトしてきた。
「まだ、メーア嬢とお付き合いしているの?」
「そうみたい、皆みたいに上手くできなくて。」
「アレのことがわかったら、大変じゃない。」
「そうなのだけど。こっちにも、ハハ。バカだよね、私。」
「うーん、上手くいかないのはわかるけど、もしかして、こっちの街に住みたいとか?」
「そんなことはないです!」
「アレからシルク王子からの伝言は返した?」
「あの、まだそんなに考えてなくて。」
シルク王子からの伝言とは、王城に住まないかという、半ばすごいことを言われたのだが断っておいた。
ティーパーティが終わると、すぐさま自分の書斎に入った。
積み重っている魔導書。色々な材料庫(入っている素材は二つくらい)。描き途中の魔法陣が書斎の中心にある。
もしかしたら。王城は魔法がやりやすいとシルク王子から言われた意味が分かった。
秘密で魔法を学ぶとなると、何かとバレやすい。
私は魔法の才と、十分な魔力保持者である。王城へ行った方が魔法の勉強はできやすい。
どうしようと迷っていた所、クランベリー・シドニーにこう言われた。
「それなら、隠し部屋作っちゃえばいいのに!」
シルべリットもクランベリーも魔法仲間だ。もちろん、貴族である。




