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0013 ミスリル

 うとうとしていたら、ついたらしい。

 「お嬢さん、着きましたよ。」

 まごうことなき、あの一眼見ただけで感嘆が漏れる王城だ。

 ベルットはどうも裏門で騒動が起こっているらしいと聞いた。

 「お嬢様、こちらです。」

 「裏門へは行かなくてもいいんですか?」

 「城の兵士が言ってますので。イズルー大使はこちらです。」

 城のシャンデリアがなかなか面白い。同じ形のシャンデリアがない。王城の貴婦人を見て思った。

 「あの、私普段着で来ちゃったんだけど、よかったかしら?」

 この世ではこれもドレスだが。

 「必要なら、改めます。どうぞ、こちらへ。」

 イズルー大使は考えた感じと違ってた。

 なんか神経質そうなおじちゃんだ。おじさんじゃない気がする、何となく。

 ベルットは鍵をかけ、出口を塞いだ。

 イズルー大使は握手を求めてきた。

 「ふん、なかなか美しい、素体にはぴったりだ。」

 何の話・・・・・・・。

 大使は握手を話すと、ソファに座るように促した。

 ここの部屋、社長のロビーっぽくないか?

 私は一度社長のロビーまで来たことがある。私の部署は小さくて、やることは一人が書類を忘れたので取ってきて欲しいということだけだが・・・。

 なんでここだけ日本っぽい?いや、地球っぽい?

 「あの、素体って何ですか?」

 その時、入り口が吹っ飛んだ。

 「・・・ふん!」

 「賊がこっちに逃げたぞ!」

 バタバタという音が城中に広がる。

 「イズルー大使に会うと、もう取り返しがつかなくなる。王子のところまできてもらおうか。」

 なりは良くないが、かなりの美男子で金髪は後ろで結えてある。

 近くのベルットが捕まえようとした。

 魔法の発動が若干見えた。

 ベルットが殴り掛かろうとした時、身体強化魔法が発動。弱に左カウンターでベルットのアゴを揺らし、そのまま右蹴りでベルットの巨漢を吹っ飛ばした。

 「残念。」

 「あ、あの。あなたは?」

 「これからの問いに答えよ。家に帰るか、魔法の実験体になるか、シルク王子の愛人になるか。どれがお前にとって幸せかな?」

 「えっと、とにかくシルク王子に合わせてくれませんか?」

 「それだとオレのお荷物になるんだけど、それでも会いたい?」

 「はい!」

 「分かった!ついて来い!」

 

 すいません、お母様。私が魔法なんかどうでもいいことに手を出したばっかりに。

 でも、真実は自分の目で見極めたいのです!

 

 少々酷かな?

 まあ、いいか。

 

 「シルク王子はな。」

 大きな門を男は開け放った。その先には道がなかった。暗い大きなフロアになっていた。

 「愛人を鳥籠に入れて物色するのが好きなのだ。」

 光景は悲惨だった。

 上から吊るされた鳥籠は全面透明でできている。

 鳥籠に一人ずつ色々な色のシルク生地の服を着た女の子が入っている。

 「もしかして、魔力が流れてます?」

 「そう。実験に実験を重ねて、人から魔力を取り出す機械を開発したんだ。その動力はどこかで使われているかは誰にも分からない、王城のトップシークレットはそこだ。」

 「かわいそうです。みんな逃がしましょう!」

 「君。」

 「はい。」

 「もしかして、オレってお前の仲間なの?」

 「違うんですか?」

 「オレ、奴隷商人だよ?ここでシルク王子と話せるよ。大体、何で城がこんなにも静かか分からない?」

 この人は入り口に立っている。私は断崖絶壁だ。

 「君はシルク王子の愛人になることがきま、うわあ!!」

 普通に塩酸を投げつけた。土魔法でバリアをはる男。

 「私は魔女なので!こんなところでいたくありません!」

 入り口を解き放つと、笑顔のシルク王子とベルット騎士が待っていた。

 「これで異論はないね?ミスリル?」

 ミスリルと呼ばれた奴隷商人は空中の風を受けながら、こう言った。

 「問題ありません、王子殿下。」

 大ピンチ。

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