0010 薬売りの娘
鉱夫の人たちは笑った。
「本当にこの小さな液体にそんな効果あるか!」
「ハハ、確かにな。そうだ、銀さん、腰痛めてたっけ。」
私が魔力を注いで丹精込めて作った薬、効くかしら?
「あ、あの。腰がたちまち治った。」
この世界、平民が使える薬なんてなかった。
「・・・。」
「・・・。」
しばらく沈黙が続く。
「なあ、女。この水、なんて言うんだ?」
キデスは腰を折るとこういった。
「あなたを治す祈りよりも正確な『薬』(medicine)と言います。一人に十個ずつあげましょう。色が4種類あって、こちらは・・・。」
『風邪薬』を緑の液体で。
『筋肉痛に効く薬』はほんの透明なキラキラした銀河。
『ちょっとしたすり傷を治す薬』は赤で少し透明、かろうじて後ろが見えているとこ。
『耳が機敏になる薬は』、一番人気で、透明な無色で、液体の中に泡が見える。
「全部、売り切れましたね。」
「お金は取らないとね、・・・あ。」
馬車は近くを全速力で走る少女の姿で止まった。
「どうしたの?アランヵ?」
「お母さんが風邪なの!?なおしてくれる!!」
「いいわ、きゃんと待てる?」
「・・・。うん!!!」
屋敷に着くと、着替えを住まれて、フリル嬢、ときにキデスは一つの薬の調合に取り組んだ。
「夕刻までには戻ると、お父様に伝えて。」
馬車を走られて。街の入り口に立っている少女に薬を渡す。
「これで、お母さんが元の元気な姿に戻るといいね。」
キデスは少女の涙を目から飛ばした。
「ありがとう!お姉さん!」
また、4つの薬を持ってきて、今度は品証が良かったので、少し高めで売ってみた。
「あいがとうございます!」
中でも、一番食いつきがいいのは。
「お姉ちゃん、耳の薬、頂戴?」
「いいわよ、お金は持ってるわよね?」
子供が群がってきた。
基礎魔法調合、初級身体強化薬で害はないとふんだ。害のある物も多いんだが、そこは実験台を用意した方がいいわね。
「アリス、奴隷市場に明日行くわよ。」
「はい。・・・大丈夫ですか?こんなことして。」
奴隷市場。
中は牢屋が立ち並んで、子供や大人の女性が入っていた。
その中から、一人の男性を選んだ。男性の奴隷は結構少ない。需要がないからだ。奴隷は別ルートで王城へと送り込まれることとなった。
シルク王子が訪ねてきた。
「実験用の奴隷だったのかい?」
「はい。民に実験してもらうことにならないよう、奴隷を買いました。」
「まあね、新薬が完成したら、ハト便で手紙を送って。この奴隷に飲ませるか、投与しよう。」
シルク王子が出て行ってから、地下牢に大きな束縛の首輪をして、簡易な服を着て、手は手枷で壁に繋がってた。
王城から屋敷へ戻る途中。
手綱を握るアリスを窓から見て、フリルは考えた。
「用心棒を王城から雇おうことになってるけど、王子次第なのね。」
フリルの手元には、新しい魔導書があった。
「私、ですか?」
ベルット・ゴーギャンは騎士の練習用の服で王子とあっていた。
「そう、ある伯爵家の護衛をしてほしい。」
王子の目は爛爛に輝いていた。
普通は調合なんて、最初は絶対失敗する。
すごい魔法の逸材が現れたのだ。




