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今日は短めなので、明日も更新する予定です。
ハサンにあれしか頼んでないのにどうしてこんな時間がかかるのかしら?
と低い声で睨みつけながらも私の頭をよしよしと撫で続けるマルコスに身を任せていると
「…ちょ、ちょっとちょっと‼おばさん誰よ‼」
鬼の形相をした女の子がカウンターを乗り越えて駆け寄ってくる。
「あ、初めまして。私安西真理子と申します。」
「あんたの名前なんて興味ないわよ‼そんな事よりマルコスさんに気安く近寄らないでもらえない?!」
どちらかと言えば私が近寄っているというよりマルコスが近寄ってきているんだが、彼女にはマルコスに近寄って行く色ボケババアにしか見えないらしい。
「カルタード、キャンキャン甲高い声で喚いてないでちゃんと挨拶しなさい。」
「ぐ…マ、マルコスさんがそう言うなら…。………………カルタードよ。」
下から上まで舐めるようにじっっっっくりと睨みつけながらシンプルに挨拶をしてきた。
うんうん、やっぱ若いと尖がってるねぇ~。なんなら可愛く見えちゃう!
「で、あんた何者なのよ。クリークの人間じゃないって事は新しく来た冒険者?」
「いや…私は――」
「私が森で魔物に襲われてた所を助けてあげたんだけど、ちょっと色々あって家で面倒見る事になったのよ。」
目を見開いて私を指差しながら固まってしまったカルタードを見てハサンが大笑いする。
「い…一緒に住んでるって事?!」
「そうだって言ってるじゃないですかー。ま、僕も今日知ったんですけどね。一緒に寝始めた時は色んな意味でドキドキしちゃいましたよ」
半ば半狂乱になってた奴が何か言ってるわ。
しかもそうゆう言い方されるとイケナイ事してたみたいじゃないか~ふへへ。
「一緒に…寝た…ですってぇ?!よくもまぁ年甲斐もなく出来たものね!おばさん、鏡見なさいよ!!」
今にも殴りかかって来そうになるカルタードをハサンが羽交い締めにして止める。
う~ん、この様子だとマルコスの彼女って訳では無さそうで、恐らく片思いなんだろうけど…殴られたらたまったもんじゃない。
たまったもんじゃないが、こんな漫画みたいな面白い事逃してたまるか!更に燃料を投下すべくマルコスの服を掴み、後ろに回って『コワイ…』と小さな声で囁く。
どうせ何もしてなくても年甲斐もないと怒られるのなら、年甲斐もない事してやろうじゃないか!!それそれ!!
「このババア…あざとい!!」
「きゃあッ」
尚も飛びかかろうと勢いをつけるカルタードに怯えて、小さく悲鳴を上げながらマルコスに抱きつくと、ギリっと歯噛みしながらうるうると目に涙を貯めて睨みつけてきた。
ちょっと!!泣くのは卑怯だよ~!!ルール違反だよ~!!私だけが悪者になっちゃうよ!!
「ほら、マリコそろそろからかうの止めてちょうだい」
マルコスがそう言うと、貯めた涙がボロボロと溢れる。
ちぇ-。泣かすわ、諌められるわ、完全に私が悪者だよ。
ま、悪者なんだけど。
「はーい、ごめんね。カルタードちゃん。マルコスとは何もないから安心してよ。」
私にそう言われても安心はしないだろうけど、泣いてしまった子を更に追い詰めると私ただの意地悪おばさんになっちゃうからね。多少優しさも見せておかねば。
「わ、私だってマルコスさんに抱きついた事ないのに…」
泣くポイントそこかよ!
そう突っ込まざるおえないマリコだった。




