第8話 パイセンの超絶スペック
実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!密かにニヤニヤして頂けたら幸いです。
ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。俺(新人介護士)19歳、と パイセン(中堅介護士)30歳のバディは、週に一度の工作レクリエーション中……
おや、今日もあそこに(構想的に)迷えるご利用者様がまた1人……
俺 「おキクさん、何描いてるんですか?」
キク 「ほら、この花瓶に入っているコスモスの花よ。綺麗でしょう?でも、なかなか良い角度が決まらなくてねぇ……」
俺 「十分上手に描けてるっすけどねぇ……?でも、もうそんな季節か……。このコスモス、どうしたんですか?」
キク 「孫がおばあちゃんにって持ってきてくれたのよー(ウフフ)」
俺 「へー!それは良かったですね!」
パイセン 「(駆け寄ってきて)あ!おキクさん、ここにいた……!」
俺 「パイセン、そんなに慌ててどうしたんすか?」
パイセン 「おキクさんに用があって……。おキクさん、これ!頼まれてたものです!お納めください!」
キク 「あらまぁ!間に合ったのね!ありがとう(にっこり)」
俺 「パイセン、それ、なんすか?」
パイセン 「え?あぁ……大したものじゃないけど……(恥)」
俺 「……?(なんで照れてんだ?可愛いけど)」
キク 「あぁ、これはね、孫に御礼するための似顔絵よ、無理言って描いてもらったの」
俺 「似顔絵?パイセンが描いたんすか?」
パイセン 「ちょっとおキクさん……!恥ずかしいから!」
キク 「全然恥ずかしがることじゃないわよー!孫に子供が産まれてねー、孫とひ孫のツーショットを描いてもらったのよー、今日の15時に孫と面会予定だから、その時孫にプレゼントするわー!ほら、見てご覧なさい!(似顔絵を見せる)やっぱり上手ねー!」
俺 「え、上手っ!!え、なん、え!?イラストレーターとか画家のレベルやん!?」
パイセン 「……ただの趣味よ」
俺 「趣味で済む上手さじゃないですって!商売できますよ!」
パイセン 「絵で食っていける人間なんてほんの一握りよ……!(真剣)」
俺 「う。おぉ……そりゃまぁ、そうかもしれないっすけど……」
キク 「(小声で)……ちなみに、この子の特技、絵だけじゃなくて、家事全般とダンスよ。嫁にしたいなら離すんじゃないよ!」
俺 「え、なんでそれ…(完全にバレてる……!)」
キク 「あ、そろそろ面会の時間だわ!私行くわね!あとは若いお二人で!」
パイセン 「もうー、おキクさんたらー……」
俺 「……(ヤバいヤバいヤバい!一体どこまでバレてんだ!?頼むからみんな知らんフリしといてくれー!!)」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
次回、「第9話 私と新人君の出会い(回想編)」は、10/14(水)の18:00に更新予定です!お楽しみに!
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