第25話 お局とご利用者様は紙一重
実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!後半スカッとして頂けたら幸いです。
ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、日々様々な「ミッション」に挑み続けています!
おや、今日もあそこに(お局様(70歳、再雇用契約)の対応に)迷える介護士(新人君)がまた1人……
新人君 「局さん!ご利用者様と一緒にフロアでお茶飲んでくつろがないでください!」
局 「ええやろ、私も同世代みたいなもんなんやから」
新人君 「いや、それは……(まぁ、否定はできへんけど)」
局 「おキクさん、あんた、ほっそいなー!ちゃんとご飯食べてるかー!?」
キク 「食べてるけどねー、全然太れないのよー!でも、お腹にばっかり肉ついちゃって……」
局 「分かるわー、もっと胸とかお尻についてくれたらええのにねー」
キク 「何言ってるの!(笑)今からそんなナイスバディになったって見せる人いないわよー!」
局 「それもそうねー!」
局・キク 「「あははははっ(爆笑)」」
ー突然、ガターンッと南側の食堂から、何かが倒れる大きい音がするー
局 「まぁ!なんやの!?」
新人君 「俺、ちょっと見てきます!」
ー新人君、音がした方に急いで向かう。続いて、局さんもゆっくり歩いて向かう。そこには倒れた椅子と猛烈な勢いで、たけひこさんに怒鳴られている介護士(入社2年目)がいたー
たけひこ 「なんで何度言っても分からねぇんだ!!俺ぁ、猫舌だから、緑茶には氷3個!甘いのは苦手だから、息子が買い置きしてるせんべいを出せって、いつも言ってるだろう!?!?」
2年目介護士 「す、すみません……(泣きそう)」
新人君 「たけひこさん、何もそこまで……!」
局 「(新人君の言葉を遮って)こら!またあんたかいな!!孫より若い女の子、いびってからに!!人間、誰しも間違いの一つやニつくらいするわな!あんたの孫がこんな風に怒られてると思ってみぃ!!嬉しいか!?」
たけひこ 「……嬉しく……ねぇな……」
局 「せやろ!?今すぐこの娘に謝りな!!」
たけひこ 「嬢ちゃん……大声出して悪かった……」
2年目介護士 「い、いいえ……(呆気)」
局 「あんたもあんたや!『あんた、それはやり過ぎや!』くらい言ってやんな!」
2年目介護士 「は、はいぃぃ……(怖)」
新人君 (局さん、カッコいいけど、怖ぇぇ……)
ーまたある時ー
局 「あー、ちゃうちゃう!そうじゃないねん!もっとこう……手前にガッと引くんや!もっとドシンと構えて!」
3年目介護士 「???(困惑)」
局 「あー、だからこう……あ、ちょっとあんた!私、腰痛くてでけへんから、ちょっと移乗やったげて!」
新人君 「……え?俺っすか??(向こうの方が先輩やし、いつも出来てたけど??)」
3年目介護士 「……あ、あの、局さん、私、出来ますから……!」
局 「何言うてるの!そんな細い身体で持てるわけないやないの!……あー、腰痛いわー……今から無茶してたら、すぐ私みたいになるで?」
3年目介護士 「いや、だから……」
局 「いいから言う事聞きなはれ!それともなんや?私に文句でもあるんか?」
3年目介護士 「そんな事は……!」
新人君 「ちょ!何もそんな言い方……!(続きを言いかける)」
ーするとそこへ、私が割って入るー
私 「(スッと新人君の前に出て)局さん、教えようとしてくれたのはありがたいです。でも、彼女は彼女なりに安全な手順を考えてやってます。ここの職員は皆、自分で考え、自分なりのやり方を日々模索しています。もちろん基本を守りながらです。ですから、皆のやり方を近くで見守り、本当に必要な時だけ、手を貸してくれませんか?」
若い職員一同 (((仙波さん……!!カッコいい……!!!(憧))))
ーそばでハラハラしながら見守っていた課長も味方になってくれるー
課長 「局さん、仙波さんの言う通りだよ。君の経験はありがたいけれど、チームのやり方や後輩の成長を邪魔することは看過できないな」
局 「……なっ……!私、そんなつもりじゃ……!」
課長 「局さん……君の熱意は分かるよ。でもね、それがおせっかいや押し付けになってしまっては、非常に勿体ないよ」
局 「……あ……そ、やね……私は私のやり方が1番や思て、良かれと思って言うとったけど、みんなそれぞれ自分のやり方があって良かったんやね……1人で偉そうに突っ走ってしもて……なんや、恥ずかしいわ」
課長 「局さんの親しみやすさや毅然さは局さんの良さですよ。でも、『他の職員にもそれぞれ違う良さがある』、そうは思いませんか?」
局 「……課長、仙波さん、他の職員の皆さん、今まで好き勝手やって、ホンマにごめんなさい!(深々と頭を下げる)私、自分の価値観でみんなを見るの、改めようと思うわ。すぐには無理かもしれへんけど、それで許してもらえるかしら?」
課長・私・職員一同 「「「もちろんです!!!」」」
局 「みんな……おおきに……(涙)」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
次回、「第26話 私の新米時代」は、10/31(土)の18:00に更新予定です!お楽しみに!
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