第26話 私の新米時代
実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!彼らの成長を感じて頂けたら幸いです。
ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、一通り就寝介助が終わり、事務所にてひと息ついた22時……
おや、今日もあそこに(自分の仕事振りに)迷える介護士(新人君)がまた1人……
新人君 「…………。」
私 「(新人君に見られていることに気付き)新人くん?……ど、どうかした?私の顔に何か付いてる?(焦)」
新人君 「……いや、ふと思ったんすけど……パイセンって……ぶっちゃけ最初からそんな何でも出来たんすか? パイセンがテンパってるとこなんて想像つかないんすけど」
私 「そんなわけないじゃない(くすっと笑う)……私がここ(瑠璃色館)に配属された頃なんて、毎日スミさんに怒られて、泣きそうになりながらメモ取ってたんだから……」
新人君 「え、マジすか!?パイセンが!?」
私 「そうよ。ほら!(机の引き出しから、テープで補強されたボロボロの勤務時間別のマニュアルを取り出す)」
新人君 「うわ!なんすかこれ!?メモびっしり!!」
私 「今でこそ持ち歩かなくなったけど、ここに来た1年目は毎日ポケットに入れてたからね……」
新人君 「すげー……」
私 「私の1年目より新人くんの方がよっぽど仕事出来てるわよ」
新人君 「いやいやいや!流石にそれはないっすよ!!」
私 「あの頃のスミさん、怖かったなぁ……」
ー今から約4年前、早番で朝食前の準備中ー
スミ 「ちょっとあなた!足が痛いからちょっと動かしてちょうだい!」
私 「あ、は、はい!(こ、こうかな?)」
スミ 「痛っ……!違う違う!もっと右!」
私 「は、はい!(え?え?)」
スミ 「行き過ぎ!もうちょっと左!」
私 「はいぃ!!(どっちよ〜!もうっ!その微調整なんなの〜!?(泣))」
スミ 「ちょっと!もういいわ!」
私 「はい……(落ち込む)」
スミ 「……今の足の角度、覚えておきなさいね!」
私 「は、はい!(……え?あんなに失敗したのに、またさせてもらえるのかな!?)」
スミ 「ほら、朝食の準備があるんでしょ。早く行きなさい。私のヨーグルト、忘れないでよね。」
私 「は、はい!ありがとうございます!」
ー入浴誘導ではー
トメ 「お風呂には入らない!絶対嫌よ!」
私 「そんな……じゃあ、せめて足浴だけでも」
トメ 「必要ない!」
私 「トメさん……(今日(金曜日)入らなかったら月曜日までお風呂ないのに、どうしよう……)ササッとでも良いので、入りましょうよ。気持ちいいですよ?ね?」
トメ 「入らないったら入らない!」
私 「トメさ〜ん……(お願いだから、お風呂入ってよ〜(泣))」
ー回想終了ー
新人君 「へ〜……トメさんは昔からそんな感じだったんすね……」
私 「アレでも丸くなったほうよ……(遠い目)」
新人君 「お……おぅふ……」
私 「まぁ、そんなわけだから、新人くんも焦らず少しずつ覚えていけばいいのよ」
新人君 「……パイセンも、色々大変だったんすね……」
私 「うん……あ!でもね?今ではスミさんとも仲良しだし、トメさんともなんだかんだ上手くやれてるし、自分の成長とご利用者様との信頼関係を感じられて、凄くやり甲斐があるわよ!」
新人君 「……そっすね!俺もっす!」
私 「ふふ、良かった。…ってごめん!長話しちゃったね(汗)記録終わったら、仮眠休憩入ってね!私は少し早めに巡視、回ってくるから」
新人君 「はい!貴重な話、あざっした!(あわあわテンパるパイセン、ちょっと見たかったなぁ……)」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
次回、「第27話 ドキドキの新年会(直前LINE編)」は、11/1(日)の18:00に更新予定です!お楽しみに!
「パイセンも色々苦労してたんだな(しみじみ)」と思ったら★評価やブックマークで応援してもらえると励みになります!




