第22話 甘じょっぱいクリスマス
実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!アラサーのクリスマスの切なさ「分かる!」と思って頂けたら幸いです。
ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、クリスマス会の準備中……!
おや、今日もあそこに(衣装に)迷える介護士(私)がまた1人……
私 「うーん、今日のクリスマス会、何着よう……もうサンタコスが似合う年齢でもないしな……」
新人君 「……そうっすか?パイセンなら何でも似合うと思うっすけど……(パイセンのサンタコス!?めっちゃ見てぇ!!)」
私 「だって、私もう30だよ?誰がそんなの見たいって……あ!これならまだイケるかも!?」
ー私、イベント用の衣装が入ったクローゼットからある衣装を1着取り出すー
私 「ジャーン!これ、どう思う?これならまだイケるかな?(フード付きの着ぐるみトナカイコスチュームを見せながら)」
新人君 「……!!い、いいんじゃないっすか?(絶対見たいやつ!!)」
私 「良かった!じゃあ、これにしよー♪新人くんは、サンタさんね!(新人君の頭にサンタ帽を被せる)」
新人君 「……っ!(不意打ちの距離感、心臓に悪い!!……ただトナカイコス、俺以外にも見られるのはちょっと嫌やな……)」
ー時刻は14時、クリスマス会が始まる。みんなでクリスマスソングを歌ったり、シャンメリーとクリスマスケーキを食べたり、ビンゴ大会をしたり、プレゼント交換をしたりと大盛り上がりー
新人君 (パイセンのトナカイコスめっちゃ可愛いぃぃ……!!ついつい見てまう!!)
私 「……?(少し離れた所から駆け寄ってきて、小声で)皆楽しんでくれてるみたいで良かったね!」
新人君 「は、はい!(やべ、見てるのバレたか!?てか、その姿で距離感近っ!)」
ークリスマス会も無事に終わり、私、新人君、本日は共に遅番終了。たまたま(?)帰宅準備もほぼ同時に終わり、2人は一緒に職員専用駐車場へー
私 「あー!今日も働いたー!……クリスマスイヴに遅番で、明日は夜勤とか……新人くんはクリスマス遊びたかっただろうに……。ごめんね?連日私と仕事で……」
新人君 「いえ!大丈夫っす!どうせ家に帰って、家族とケーキ食べるだけなんで……」
私 「家族とケーキ……いいなぁ」
新人君 「……?パイセンはケーキとか食べないんすか?」
私 「え?あ……そういう意味じゃなくて、私一人暮らしだからさ。1人でケーキ食べても虚しいし、ケーキは大好きだけど、今日は食べないかなぁ〜って……」
新人君 (パイセン、一人暮らしなんや……)
私 「あ、そういえば近くの民家がイルミネーションやってるらしくて……時間あるならちょっと見ていかない?」
新人君 「え、行きたいっす!(えっ……これって……実質デートでは……!?)」
ー駐車場から7分ほど歩いた先で、10軒ほどの民家が隣り合って、各々自作のイルミネーションを施しているー
新人君 「おぉ!!……思ったより本格的っすね!」
私 「私、毎年見てるけど、年々豪華になっていってるんだよね(笑)」
新人君 「毎年……?」
私 「あ……私、クリスマスって、あんまり良い思い出なくてさ。今まで付き合ってきた人、何人かいるんだけど、みんなクリスマス前に別れちゃって、恋人と過ごしたこともなくて……でも、今日は新人くんと少しでも一緒に過ごせて嬉しい……(切ない表情)」
新人君 「…………。」
私 「(ハッと我に返り)あ、なんて……私、新人くんに何言っちゃってんだろ……疲れてるのかな?……今のは忘れて……(汗)」
新人君 「忘れません!!俺もパイセンとクリスマス一緒に過ごせてめっちゃ嬉しいっす!来年も再来年も俺はずっといますから!」
私 「え……な、何言って、そんなのどうせ社交辞令……」
新人君 「なわけないじゃないっすか!俺、パイセン以外にこんなこと言いません!!」
私 「え……ぁ……(真っ赤)……さ、寒くなってきたし、そろそろ帰ろっか。(このまま一緒にいたら帰りたくなくなっちゃう)」
新人君 「……そ、そうっすね……(ホンマはもうちょっと一緒にいたいけど)」
私・新人君 ((……はぁ……好き……))
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
次回、「第23話 年末大掃除の奇跡」は、10/28(水)の18:00に更新予定です!お楽しみに!
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