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第17話 何故か2人は急接近!?

実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!思わぬ展開にドキドキして頂けたら幸いです。

 ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、本日は金剛(こんごう)館から理学療法士(PT)をお迎えして、多目的ホールで体操レクリエーションを実施中……!

 おや、今日もあそこに(機能訓練的に)迷えるご利用者様(かずおさん)がまた1人……

(※理学療法士 : 座る、立つ、歩くなどの回復や維持、悪化の予防を行う国家資格を持つ医療専門職)




かずお 「んっ、あれっ、……っ!!……はぁ……困ったなぁ……」


私 「かずおさん、どうしたんですか?立ち上がりたいんですか?」


かずお 「……まぁ、恥ずかしながらそうなんだ。リハビリの先生が『もし可能なら地べたに座って体操してみて下さい』って言うもんだから、調子に乗って座ったら立てなくなっちまった」


新人君 「あ、じゃあ、俺が後ろから抱えるっすよ!」


私 「待ちなさい。」


新人君 「なんすか?」


私 「新人くんのやり方じゃ、まぁ何とか立てるかもしれないけれど、お互い身体に負荷がかかり過ぎるわ。ここは私に任せて。」


新人君 「いや、無理っすよ!かずおさん何kgあると思って……」


私 「しっ!(小声で)無神経発言禁止!」


新人君 「……っ」


私 「かずおさん、胡座(あぐら)の状態から少し足を伸ばしてもらえます?」


かずお 「あぁ(ピンとは伸び切らないが足をできるだけ伸ばす)」


私 「上手ですね。新人くん、私の左側に手すりのない椅子を一脚持ってきて」


新人君 「はいっす!(椅子を配置)」


私 「じゃあ、かずおさん、ちょっと足の下に私の足入れますねー(地べたに座り、かずおさんの後方に左足、かずおさんの両膝下に右足を滑り込ませる)」


新人君 「???」


私 「かずおさんは楽にしてて下さいねー、ちょっと私の方に寄せますよー(かずおさんをぐっと引き寄せる)ちょっと腕の下失礼しますねー(かずおさんの右腕の下に私の頭を潜り込ませる)」


私 「じゃあ、上体起こしますよー(自分の左足を引き寄せ、左手を床について、右太ももにかずおさんを乗せながら右膝を立てて膝立ちの状態になる)」


かずお 「……うぉっ」


新人君 「うそやん……」


私 「(小声で)新人くん!もうちょっと椅子寄せて!」


新人君 「(小声で)っす!」


私 「はーい、じゃあ、そのまま少し後ろに下がりますよー、よっと、はい着きました(近くに寄せた椅子に着席)」


かずお・新人君 「「おぉぉぉお……!!(感心)」」


私 「まったく。あなたは感心してる場合じゃないわよ!今日は居残り実習だからね!」


新人君 「うぇ、居残り!?(でもまぁ、パイセンと一緒ならええか)」



ー私、新人君、共に日勤が終わって、夕方17時40分、機能訓練(リハビリ)室にて2人きりー



私 「さて、昼間やった私の動きを新人くんに実際にやってもらおうかな!」


新人君 「え、実践っすか?でも、どうやって……」


私 「もちろん私が利用者役よ!ほら、座って!」


新人君 「……え!?昼間のアレを!?パイセン相手に!?(パニック)」


私 「そうよ、ほら、ちゃんと見てなかったの?私の足の下に右足入れて」


新人君 「(おそるおそる)こ、こうっすか?(ドギマギ)」


私 「そうそう。そして、私を抱き寄せて、お姫様抱っこみたいに……」


新人君 「え、え、マジっすか、いいんすか……?」


私 「良いも何もやってみないと出来ないじゃない!ほら、私は力入れないから」


新人君 「ドキドキドキドキ(ヤバいヤバいヤバいヤバい!パイセン距離感近っ!!てか、そういうレベルやない!!もうゼロ距離!!良い匂いする!!)」


私 「そう、そして、自分の左足を引き寄せてー、私のお尻を新人くんの右太ももに乗せてー」


新人君 「え、待って……!どこ触ればいいんすか!?(心臓飛び出そう……!!)」


私 「どこってこう、左手は床に手をついて、右手で私をぐっと抱き寄せるのよ!ほら、もっと!」


新人君 「◎△$♪×¥●&%#?!」


私 「そうそう!それでー、あ!もし、ご利用者様が手を動かせる方なら、自分の首に腕を回してもらって抱きついてもらうと、もっと楽よー!こんなふうに!(更にぎゅっ!と抱きつく)」


新人君 「◎△$♪×¥●&%#÷〒^/////?!?!?!」


私 「ほら、何してんの!?私を椅子まで移乗(いじょう)して!」


新人君 (ヤバいヤバいヤバいヤバい!なんか当たってる!なんか柔らかいの当たってもうてる~!!!!!)



ー何とか、新人君は私を椅子に座らせることに成功するがー



新人君 「……っ……はぁはぁはぁ……!(ドックンバックン)」


私 「……?なんでそんな息切らしてるのよ?そんなに力いらなかったはずだけど……」


新人君 「っ……だってパイセンが!……いや、なんでもないっす」


私 「……?もう、まだまだね!でも、分かった?これがボディメカニクスよ?今のままじゃいつか絶対腰やられるわよ!?最低でもあと3回!ほら、最初から練習練習!」

(※ボディメカニクス : 人間の骨格・筋肉・関節などの力学的関係(てこの原理)を利用し、最小限の力で効率的かつ安全に身体介助を行うための技術 )


新人君 「あと3回!?(あれ?俺、今日死ぬんかな?幸せ過ぎてヤバい……!!耐えろ俺の理性……!!)」


 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

次回、「第18話 癖強方言は解読不可!?」は、10/23(金)の18:00に更新予定です!お楽しみに!

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