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第14話 全介護士の宿敵現る!(発症編)

実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!プロの現場の混乱と緊張感を感じて頂けたら幸いです。

 ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディのもとに不穏な空気が差し迫る……

 おや、今日もあそこに(緊急事態に)迷わぬ介護士(私)がまた1人……



私 「ちょっとみんな!緊急会議……!!コール対応のスタッフ以外、至急事務所に集まって……!!」

(※コール対応 : ご利用者様からのナースコール対応のこと。常に交代で、24時間スタッフの誰かしらがピッチ(小型携帯)を持って仕事をしているぞ!)



ー「何だ何だ」と不穏な空気を感じながら、事務所には、課長や主任含め16人が集まったー



課長 「皆さんに残念なお知らせがあります。……誠に遺憾ながら、早くも魔の季節がやってきてしまいました……!(辛)」



ーざわざわざわー

ー皆口々に「なんだって!?」「まだ11月になったばかりだぞ……!」「おいおいウソだろ、ウソだと言ってくれ……!」「あ、オワタ(チーン)」と錯乱するー



新人君 「……?パイセンなんすか?魔の季節って……?」


私 「フッ……新人くんは初めてだったわね。ついに今年も来たのよ。魔のインフルエンザが……!」


課長 「皆、動揺するのは分かるが来てしまったものは仕方がない。今後の対応を説明するから聞いてくれ」



ー皆、静まり返り、ピリッとした仕事モードへ切り替わるー



課長 「えー、まず1人目の感染者はおキクさんだ。先週、ご家族と日帰り外出をしたからな、その時に感染したものと思われる。濃厚接触者としては、私、総務の佐藤さん、仙波(せんば)さんの3名だ。今のところスタッフに症状はないが、感染している可能性もあると見て、おキクさんの対応は私か仙波さんが行うものとする。仙波さん、詳しい説明を」


私 「はい。現在、おキクさんは完全居室対応。入浴も当面禁止です。それ以外のご利用者様については今まで通りお過ごし頂く予定ですが、今後5名以上スタッフ含め新たな感染者が出た場合は全室完全居室対応とします!」

(※完全居室対応 : 飛沫感染を伴う病気になったご利用者様を一時的に居室に隔離する措置のこと。)



ーざわざわざわー



課長 「皆、今まで以上に感染対策を徹底し、くれぐれも用心してくれ!」


私 「まず、おキクさんのベランダ外にガウンと次亜塩素酸、ゴミ袋を二重にしたゴミ箱、それからー……(細かい指示が続く)」



ー私の説明が終わると、通常業務に戻る者と消毒や感染対策セットの再確認をする者とに分かれ、四方八方に一瞬にして散るー



新人君 「あれ、皆は?もうおらへん……!?」


私 「新人くん、何してるの!?感染対策について教えるから早く付いてきて!」


新人君 「あ、はい!(焦)」



ーその後、皆の奮闘虚しく、感染者は5名を超え、全室完全居室対応。そして、ついに私も……ー



私 「ヤバ。38.2度……」


新人君 「え、今日のところはもう帰ってください!俺、仕事終わりに見舞い行きますから!」


私 「バカ!こんな非常事態に何言ってるの!?新人くんまで犠牲になったら他のスタッフが詰むじゃない!」


新人君 「そんな……純粋にパイセンの看病したかったのに。(もっとも熱っぽい視線で迫られたら、俺の理性がヤバかったかもやけど)」


私 「どうやら私はここまでのようね……。主任に報告して(課長すでにリタイア済)、早退するわ。新人くん、後は頼んだわよ!」


新人君 「うすっ!(パイセンに頼まれたんや!俺は最後まで諦めねぇ……!)」

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

次回、「第15話 全介護士の宿敵現る!(蔓延編)」は、10/20(火)の18:00に更新予定です!お楽しみに!

 「急な刑事モノ?戦隊モノ?始まった(笑)」と思ったら★評価やブックマークで応援してもらえると励みになります!

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