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18禁恋愛ゲームの攻略回避の仕方〜全員私がおとします〜  作者: ねこみんご


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9

その日は互いに休みが被っていた。

ここぞとばかりに、私はまたデートの誘いを入れ、久実からもOKを得られた。


『どこ行く?』

『家がいい』

『おっけー。どっちの家にする?』

『うち今荒れてて』


忙しすぎて学校にさえ来られてないんだからそんなもんだろう。

私は躊躇うことなく自分の家に呼んだ。


「おじゃましまーす」

「どうぞ」


私が家にたくみを呼ぶのは初めてではない。

が、そんな頻繁に人を呼ぶこともないので、毎度緊張はする。


「増えたね」


たくみが見ているのは、私の部屋の本棚。そこには、今まで出た作品の台本やパンフレットを置いている。


「まあね。でもあなたもグッズとかで棚埋まってるんじゃない?」

「私全部実家送るから」

「理解」


たくみがはい、と手に持っていた袋を渡す。

中にはいちごのパックがあった。


「たくみ、今食べられる?」

「うん、そのくらいならって思って買った」


自分がセンターの楽曲期間だ。

かなり身体も絞ったりしているはずだ。


「じゃあ、洗ってくる」

「あ、あとコレ」


と、今度は鞄から一つのソフトを取り出した。

一対一で戦うバトルゲームだ。


「これ、私やったことない」

「うん、だと思って」

「おすすめなの?」

「初心者ボコってカタルシス得ようと思って」

「何だただの悪どい奴か」

「この間のダンスゲームでフラストレーションたまってるから」

「かわいそうに」


私がキッチンでいちごのヘタを取っている間に、たくみはゲームの準備をしてくれた。


READY FIGHT


その文字を機に、二人ともゲームコントローラをばちばち押し合う。

とはいっても、コマンドなど碌に知らない私が勝てるわけもなく、どんどんとHPを減らされていく。


「おらおらおらおら!きたー!」


一敗。だが、たくみはとても楽しそうだ。


「もうワンファイト」

「戦闘狂じゃん」

「体が闘争を求めてる」

「そんなアイドル嫌だ」


もうワンプレイする。

お、コレなんだ?


画面の自分側の陣地にアイテムが現れる。

アイテムを取ると、私の味方が10人ほど突然参戦してきて、たくみのキャラをボコボコにする。


「うわ、ヤバい!何でそっちにアイテムいくんだよ〜!うわあああ、ダメだこれ!数でボコボコにされる!!」


横でたくみが騒いでいるうちに勝ってしまった。


「たくみも数の暴力には勝てないんだね」

「勝てないよ。アイドルってそういうもんだから」

「ヤバい話が不穏な方向に」


たくみはヘラヘラしながらイチゴを口に運んだ。


「……どう?MV撮影、うまくいきそう?」


私も一つ、イチゴを食べる。


「……うーん、どうだろうね。上手くいくことを選ぶしかないからなぁ」

「そりゃそうだけど」

「やっぱり、恋愛あんま分からないからさ」

「……メンバーに恋人いる人とかいないの?」

「いるよ」

「その人に聞いたりとかは?」

「いるけど、そこまでオープンにできないっていうか、少なくとも仕事場では話題に出しちゃいけないって暗黙のルールがあるんだよね」

「ああ、そうなのか」

「……アイドル生命どころか、人生賭けてまで恋愛してる人の気持ち、やっぱ分かんないしね」

「人生もかけては言い過ぎじゃない?」

「かかるよ」

「そうなの?」

「……私、今まで誰にも言ったことなかったんだけどさ──」


たくみがゆっくり、口を開いた。

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