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6.出会い

城を建て、誰にも邪魔されない領地で過ごし始めてから、どれくらいの月日が経っただろう。

朝、好きな時に目覚め、好きなものを食べ、静かな森を散策する。それは間違いなく僕が望んだ「自由」だったけれど、ずっと一人でいると、ふとした瞬間に退屈の影が忍び寄ってくるようになった。


「……ま、たまには外の空気でも吸いに行くか」


僕は腰にナイフを一振り差し、退屈しのぎに巨大な城壁の外へと向かった。


僕の領地のすぐ外側に広がる深い森は、手入れの行き届いた僕の庭とは違い、生々しい生命の匂いがする場所だった。しばらく歩いていると、風に乗って鉄の匂い――血の香りが鼻を突く。


「おや……?」


茂みをかき分けた先にいたのは、泥と血にまみれて倒れ伏している、一人の獣人の青年だった。

ボロボロの衣服から覗く腕や足は、驚くほどガタイがよく、鍛え上げられている。けれど、その強靭な体には、ひどい打撲痕や火傷の跡が無数に刻まれ、首には所有者を示す忌々しい「奴隷の首輪」が深く食い込んでいた。


「……ひどいな。前世の僕を見てるみたいだ」


僕は歩み寄り、彼が完全に意識を失っていることを確認する。

周囲に人の気配はない。僕は彼にそっと手をかざし、魔法を使った。


柔らかな光が彼の体を包むと、深い傷は瞬く間に塞がり、火傷の跡も消えていく。汚れの下から現れたのは、驚くほど精悍な顔つきだった。


「さて、と。首輪と奴隷印はどうするかな」


顔色が良くなった青年を眺める。このままここに置いていけば、また別の誰かに拾われるか、野垂れ死ぬだけだ。それはなんだか、寝覚めが悪い。


「ま、なんとかなるか。起きてから決めよう」


僕は意識のない彼を軽々と抱き上げると、誰にも見られない速度で、白亜の壁の向こう側――僕だけの場所へと連れ帰った。

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