表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
3/29

3.生まれた理由

カームと暮らし始めて数年。僕は、自分がどうしてこの世界に生まれたのかを尋ねた。

「ねえ、カーム。僕、どうしてあの時あそこにいたの?」


カームはいつものようにおっとりと、けれど少しだけ誇らしげに微笑んだ。


「精霊族っていうのはねぇ、自分の命が尽きる十年前、一生に一度だけ、次の世代を生み出すことができるんだよ」


精霊族は、自らの魔力と想いを結晶化させて次代を創る。

カームは十年ほど前、自分の寿命があとわずかだと悟ったとき、すべてを賭けて「次代」を望んだのだという。


「私はね、ただ自由で、誰にも縛られない子が生まれてほしいと願ったんだ。そうしたら、君が来てくれた。……ルミナス、君は私の命そのものなんだよぉ」


前世、誰にも望まれず、独りで死んでいった僕。

けれどこの世界では、一人の男がその命を削ってまで、僕の誕生を心待ちにしてくれていた。


「そっか。……カームが呼んでくれたから、僕はここにいるんだね」


その事実は、どんな強力な魔法よりも僕の心を強く、自由にしてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ