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魔の森でモフモフたちと暮らすことになりました  作者: 一色青


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第16話 お手伝いゴーレム

 翌朝、眠くて目が開かないオーレリアを無理やり起こし、1階に連れて行くノルとネロとえっちゃん。


『今日から人間たちの護衛をするんだぞ!』

『ぼくもいくんだぞ!』

『だから、あさごはん!』

「ふわぁ……うん……」


 オーレリアはとりあえず、パンとミルクとチーズを空間収納から取り出しテーブルに置く。そのまま椅子に座って寝ていたら、肉も食べたいと言われてしまった。


 これは、早急に対策を考えねば……


 とりあえず、アルシアにたくさん作ってもらった煮込み料理の入った鍋を出し、お皿によそっていく。いい匂い。

 オーレリアもお腹がすいてきたので、一緒に朝ご飯を食べて、えっちゃんとネロを送り出す。


「えっちゃんよろしくね、いってらっしゃい!ネロ、えっちゃんから落ちないように気を付けてね」

『いってきます!ノル、リアをよろしくな!』

『ぼく、おちたりしないよー!いってきまーす!』

『こっちはまかせとけ!いってらっしゃい!』


 えっちゃんとネロが行ってしまったので、こちらも準備を始めることにする。


『なにをするの?』

「まずはゼフィに手紙を書く。状況を報告しておかないとまた怒られちゃうし」


 リビングに戻り、手紙の魔道具の本を開く。そこに昨日あった出来事を書いていく。


「え~っと」


”人間の町から調査隊が来ました。魔物に襲われていたので、助けました。町まで来てほしいと言われたのでちょっと行ってきます”


「こんなものかな?」

『こんなものだね!』


 ノルに確認したところであまり意味がないのだが……

 それほど時間をあけずに、ゼフィからこんな返事が返ってきた。


"手紙を書くときは事実だけではなく、経緯をしっかり書きなさい。しかもかなり端折っているだろう!意味がわからないぞ。やり直し!"


「えぇ〜?もう!なんでわからないの?」

『りあ?ぜふぃなんだって?』

「意味がわからないから、やり直しだって」

『ぜふぃ、わからないの?だめだねぇ』

「ね!仕方ないな、最初から思い出そう」


"町で火柱の噂が広がり、みんな心配してるので、調査隊が様子を見に来ました。しばらくしたら魔物に襲われて全滅しそうだったので、助けに入りました。調査隊が数日前の火柱の原因を知らないかと尋ねてきたので、私がやりましたと言いました。そうしたら、町まで来て説明してほしいと言われたので、行くことになりました"


「これならわかるよね!あ、あと」


"町へは数日かかるそうなので、しばらく留守にします"


「よしっ!これでいいね!」


 また手紙を送り、ノルとキャッキャと遊んでいると、再び返事がきた。


"状況は分かった。その噂は前回の手紙で聞いたとき、リアは知らないと言ってなかったか?私がやりましたとはなんのことかな?俺はその話、聞いていないなぁ"


「あっ!グリムタランチュラのこと、ゼフィに言ってなかった。でも、わたしが知らないのと言ったのはエンシェントドラゴンの方だしね」

『そうだよね!りあはうそついてないもんね!』


 それからオーレリアはグリムタランチュラの件を説明した。


”確かにエンシェントドラゴンではないが、知っていたのならちゃんと教えて欲しかったなぁ。リアたちが無事なら別に怒ったりしないから、ちゃんと正直に教えてくれよ。ノルとネロ、えっちゃんがいてくれて良かったね。しっかりお礼を言うんだよ”


 こんな感じの返事が来て、ようやくゼフィへ報告を終えた。


「はぁ、やっと終わった。報告って大変なんだねー」

『りあ!おなかすいたよ!』

「もうそんな時間?じゃあお昼にしようか、何食べたい?」

『おれ、みーとぼーるたべたい!』

「オッケー!じゃあミートボールがたっぷり入ったパスタにしよう!」

『やったー!!!』


 キッチンに向かいパスタを茹でる。ノルたちは長いパスタは上手に食べられないので、ショートパスタにする。

 そして茹でたパスタに、空間収納からアルシア特製のミートボールが入った鍋を取り出し、たっぷりとかける。


「これぐらいでいい?」

『もっと!』

「こんなに食べられるの?」

『だいじょうぶ!たべれる』


 そして、二人でいただきますをして食べ始める。

 アルシアに作ってもらったミートボールは、トマトの甘酸っぱさとミートボールの肉汁がじゅわっと広がりすごく美味しい。ソースが絡んだショートパスタも、もちもちでいい感じだ。


「美味しいね!」

『ンンン!おいしー!モグモグ』


 ノルは顔中ソースだらけにして、一生懸命食べている。その姿が可愛い。お水も用意して近くに置いておく。


 ごちそうさまをしたら、ソースまみれのノルと食器をクリーン魔法で綺麗にして、リビングに移動する。


『おなかいっぱ~い!』

「ノル、お腹がポンポコリンになってる!あはは、可愛い!」

『さわらないでー!』

「ふふっ。少し休んだら畑に行くよ」

『わかったー』



 そして食休み後、家のすぐ前の畑にやってきたオーレリアとノル。

 小さな光の精霊がフワフワと飛んでいる。


『なにするの?』

「留守中に畑の野菜が枯れないように、お手伝いゴーレムを作るの!」

『ゴーレム!』


 オーレリアは魔法の杖を取り出し、地面に向けて魔力を込める。そこにまばゆく光る魔法陣が出現し、中心部分からニョキニョキと土が盛り上がった。

 最初に丸い球体ができて、その上に胴体、腕と続き、最後にポコンと小さな頭が乗ると、オーレリアの腰丈ほどの小さなゴーレムが完成した。

 腕は少し長めで伸縮性があり、足部分は球体になっていて、コロコロと回転して進む仕組みだ。


「できた」

『わ~すごい!ちいさなごーれむ!』

「行動プログラムはここに刻んで、あとは、動力源となる魔石を埋め込むっと」


 オーレリアは親指の先ほどの大きさの魔石をゴーレムの胸に埋め込んだ。すると、ゴーレムは一瞬光り輝き動き出す。


 畑の片隅に置いていたジョウロを手に取り、川辺までコロコロと歩いて行く。そして腕を伸ばし、川で水をくみ、チョロリとこぼしながら畑まで戻って水やりを始めた。それを何度も繰り返す。


「ちょっと効率が悪いね。でも別にいいか、小さな畑だし」


 このお手伝いゴーレムには、水やりや雑草取り、収穫などの仕事が出来るようにしておいた。魔石の魔力が切れるまで1か月ほどは放っておいてもちゃんと仕事をしてくれるだろう。


『おしごとしてるー!かわいいねぇー』

「本当はあともう一体作りたいんだよね」

『もういったい?』

「そう!お料理ゴーレム!こっちのほうが切実に欲しいんだけど、ゴーレムって結構魔力使うから今日はやめておこうかな」


 そう言って、家の中に戻り休憩することにした。紅茶を入れ、クッキーをつまむ。ノルにはミルクを入れてあげた。


「あぁ、ノル!ゆっくり食べなよ?」

『ポリポリ……モグモグ……ゴクゴク……』


 まぁいつものことなんだけど、そんなに詰め込まなくてもと毎回思う。

 そして、おやつを食べたノルは眠くなったらしい。逆に今までよく起きていてくれたなぁと思う。


「よく今まで寝なかったね。すごいねノル!」

『ネロとえっちゃんと、やくそくしたから。りあはまかせろって』

「そうだったね!偉いねノル!」

『えへへ~』


 オーレリアはノルを撫でまわす。ネロほど撫でられ好きではないが、嬉しそうにしている。


「ネロとえっちゃんは今頃どうしてるかなぁ?ちゃんとごはん食べたかなぁ?」

『……ムニャムニャ……すぴーすぴー』


 寝ちゃった。


 えっちゃんのことだから魔物はいくらでも狩れるし問題はないけど、ネロは狩った肉をそのまま食べるのは好きではない。何かしらの調理を要求してくるのだ。食べられないことはないだろうけど、どうしてるのかなぁ。

 

 ネロとえっちゃんの心配していたオーレリアだったが、気持ちよさそうに眠っているノルを見ていたら、つられて眠くなってきた。

 

 ゴーレムづくりで魔力を消費したこともあり、眠気にあらがえず、そのまま寝落ちしたのだった。


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