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魔の森でモフモフたちと暮らすことになりました  作者: 一色青


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第15話 町までの護衛依頼

 森を燃やし人々を恐怖に陥れてしまった責任を取るため、オーレリアは町に行くことになった。


「いくなら早く行こう。さっさと荷物片づけて出発しよう!」


 面倒なことはさっさと終わらせたいオーレリアだったが


「無茶言うな。今日はもうすぐ日が暮れる。出発は明日の朝だ」

「そうなの?じゃあわたし、今日は帰るね」

『おれおなかすいたよー』

『ぼくもおなかすいたー』

『さっき狩ったサーペントの肉を焼こう!あれ、なかなか美味いんだぞ!』


 オーレリアたちはいつものように夜ご飯に思いを馳せていたのだが、


「待ってくれ!私たちは、ここから森を出るまでに3日はかかる。それまでの間、行動を共にしてくれないか?」

「え、なんで?」

「オーレリア殿の助力があれば帰還率が上がる。私は全員連れて帰りたい!」

「……」

「グレンハルト騎士団副団長として正式に依頼する。報酬は相応のものを約束する」

「報酬?お金なら別にいらないけど」

「それなら、お金以外のもので用意しよう」

「う〜ん。要するに危険が無ければいいんでしょ?ちょっと待ってて」


 そう言ってオーレリアはノルとネロとえっちゃんに相談する。


「ねぇ、みんなはこの人達と一緒に町まで行ってもいい?」

『ぼくは、りあといっしょならいいよー』

『おれも、いいよー(お腹すいたよー)』


 なでなで


『俺も構わないぞ』

「そっか。それでね、わたし一応女神様の仕事でここに来てるからさ、しばらく森を留守にしても大丈夫か確認しなきゃいけないのね」

『そういえば、そうだったな』

「うん。あと、留守にするなら準備もしたいし」

『じゅんび?』

『おべんとう?』

「ちがくて!主に畑のお世話かな。だからね、1日か2日時間が欲しいの。今日はここに結界を張るとして、えっちゃんさ、明日からしばらくこの人たちが魔物に襲われないように一緒に行動してくれる?」

『えー俺が?そこまでする必要あるのか?』

「う〜ん、でも一度助けちゃったからね。それに何か報酬くれるらしいよ。えっちゃんの欲しいもの貰えばいいんじゃない?」

『別にないよ』

「まぁ、そうだよね。1人で寂しいなら、ノルかネロに一緒に行ってもらってさ」

『別に寂しくないけど!……お前たち、一緒に行く?』


(寂しいんだ。可愛い)


『ぼく、えっちゃんといっしょにいってもいいよー!』

『でも!りあがひとりになっちゃうから、おれはりあといる!』

「よし!決まりだね!みんなありがとう!」


 オーレリアは思う存分、三匹を撫で回す。なんて可愛い子達だろう。

 もふもふを堪能したオーレリアは団長たちに向き直る。


「お待たせ。今日はわたしたちは家に帰る。ここには結界を張っていくから大丈夫。明日からはえっちゃんとネロが付いててくれるから、魔物に襲われることはないよ」

「嬢ちゃんは来ないのか?」

「わたしにも一応準備ってものがあるんだよ。あとから合流するから」

「準備か、確かにそうだ。すまないな」

「それはそうよね、急な話だもの」


 わかってくれたようでよかった。


「じゃあ早速結界を張るね」


 オーレリアが杖を取り出し、地面をトンと突くと、一瞬ふわっとした魔力の波が辺りに広がり、結界が張られた。


「これでよし!あとは、さっき狩ったサーペント食べる?1匹でいいかな?ここに置いてくね」


 テキパキと作業を進めていくオーレリアに、団長も黄昏の獅子の三人も、呆気にとられ固まっていた。


「ねぇ!さっきの魔法はなに!?」


 最初に動いたのは、魔法使いのソフィアだった。信じられないものを見たという顔でオーレリアに迫る。


「え?結界魔法だよ?魔物除けの防御結界を張ったから安心して眠っていいよ」

「結界魔法ですって?そんな魔法を、こんな簡単に使うなんて!」

「オーレリアちゃ〜ん!グリムサーペントくれるって、こんな高級な魔物貰えないし、食べるなんてもったいないよ!」

「でも、えっちゃんが言うにはとても美味しいらしいし、いっぱい持ってるから」


 ジーナが遠慮してくるけど、このデカいヘビを6匹持ってても、なかなか食べきれないから貰ってくれると嬉しい。


「いらなかったら結界の外に置いとけば他の魔物が食べに来るよ。明日は朝えっちゃんが迎えに来るからね。それじゃあ、わたしは行くね」


 えっちゃんに乗せてもらって帰ることを告げると、騎士団員や冒険者たちが手を振ってくる。


「オーレリア殿!感謝する!」


  走り出したえっちゃんは、あっという間に見えなくなってしまった。


「速いなー!」

「さすがフェンリル様だ!」

「それでこれ、どうする?」

「グリムサーペントか。せっかくだから食べてみようぜ!」

「おーい!みんな、解体手伝ってくれ!」

「「「おーう!」」」



***



 えっちゃんに乗ってお家に帰ってきたオーレリア一行。やっぱり聖域の中は空気がいいなぁ。空気というか魔素かな?


「はぁ、やっと帰ってこれた。疲れたぁ」

『りあ!おなかすいた!はやくごはんにしよう!』

『ぼくもおなかすいた!』

『リア!グリムサーペントのから揚げつくって!』

「えー!から揚げめんどくさいなー」

『俺、明日からあいつらの面倒見てやるのに!』

「あ〜そうだね。わかった、つくるから待ってて」


 オーレリアは仕方なくキッチンに行ってグリムサーペントのから揚げを作り始める。お肉を一口サイズにカットし、下味をつけ、小麦粉をまぶし油へ入れる。

 ここまでの工程はほとんど魔法で行う。慣れるまでは失敗もするが、オーレリアはアルシアに料理を教えてもらっていたので、慣れたものだった。


 から揚げがカラっと上がり、お皿に盛り付けテーブルに運ぶ。作り置きのスープとパンを空間収納から出すと、みんなでいただきますをする。


『うまうま……モグモグ』

『おいしー!モグモグ』

『美味ーい!これならグリムサーペント6匹分でも食べられそうだ!』

「そんなに作りたくないっ!……でも、レモンかけてみる?」

『レモン?それかけるとどうなるんだ?』

「さっぱりとして、いくらでも食べられるんだよ!わたしはレモン派」

『おれは、まよねーず!』

『ぼくは、たるたるそーす!』

「はい!えっちゃんもいろいろ試してみてね!」

『おお!こんなにソースが!モグモグ……パクパク……全部美味い!』


 結局何回もおかわりされて、何度も揚げにいくことになった。


「もー疲れたー!みんな食べすぎだよ!油臭いー!」

『はぁ、おいしかった……』

『おなかいっぱ~い』

『う〜ん!満足!』


 みんなお腹がポンポコリンになっていた。とても満足したようだ。


「ねぇ、しばらくお風呂入れなくなっちゃうから、今日はみんなもお風呂入ろうね!」

『『『え~、やだ〜!』』』

「前に聖域の山で見つけたルベリアの実でフルーツミルク作ってみたんだけど、飲んでみたくない?」

『『『のむーー!!!』』』


 そういう事で、みんなでお風呂に入る。魔法で体を洗って綺麗にしてから湯船につかる。


「はーぁぁぁ、きもちぃ。今日は疲れたなぁ」


 ノルとネロはパチャパチャとオーレリアとえっちゃんの間を泳いでいる。元気だなぁ。えっちゃんは目をつぶってるけど、気持ちいいのか、耐えてるだけなのか……。


 お風呂から出て髪をかわかしたりしてサッパリしたところで、みんなでルベリアのフルーツミルクを飲む。色は派手なピンク色だが、マンゴーのような果肉の実なので、ミルクとの相性もバッチリだった。


 今日はいろいろあったので、オーレリアはそろそろ限界だった。寝室に行ってみんなでベッドに寝転がる。


「いつかは町に行ってみようと思ってたけど、まさかこんな形で行くことになるとはなぁ。えっちゃんに面倒なことお願いしちゃってごめんね」

『大丈夫だ、気にするな』

「ノルとネロもね」

『『スピースピー』』


 ノルとネロはちょこちょこ昼寝していた癖に、もう寝ている。


「ん~可愛い。ありがとえっちゃん。おやすみ!」

『おやすみ』


 オーレリアはもふもふでいい匂いのえっちゃんに抱きついて眠った。


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