第8話 だから、1秒を大事に……
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「これから、試験を始めるっ!!!」
サーヴェリア先生の大きな声が、部屋に響き、俺の正面の鉄製の扉が開く。
そこから、試験モンスターである大狼が歩いてくる。
気性が荒く、爪での攻撃がやばい。
なにがやばいのかというと、とても鋭い。ということだ。だが、爪での攻撃さえ、回避できれば大狼を殺せる。
「うぅぅるるるっ………!!!!」
大狼が俺に向かって威嚇だろうか。牙を出し、目を細めて一直線に見てくる。
5対は俺を囲うようにゆっくりと、歩いていく。
最初に動いたのは……俺だ。
右端にいる大狼。そいつの足に目掛けて突撃する。
地面を蹴り、戦闘機のように一直線に…素早く飛ぶイメージで…。
大狼に反応させないように。だが、相手はダンジョンのモンスター。そう簡単に倒せるわけではない。
相手は俺が動いたのを感知したのだろう。戦闘体制に入り、俺の到達点に向かって爪での攻撃を仕掛ける。
「……攻撃が甘いっ!!!」
姿勢を素早く変えて、頭を狙う。
地面を壊す!という思いで、蹴り上げ大狼の首を首をはねるように斬ったが、さすがモンスター。
相手も反応して大きく飛び上がり、俺の攻撃を避けてしまった。
だが、まったくダメージが入らなかった訳ではないようだ。俺の剣と大狼の首に血がついている。
「しゃーない。消耗線になったら負けだ。一気に行こう」
そう呟き、俺は「ふうっ」と息を吸う。
「響流……。サード・前衛特攻」
心臓を通常の2.5倍で動かす。
これにより、目だけに集中させていた血液を他の場所にも大量に送ることができる。
そして、サードは諸刃の剣。
セカンドよりも強く、脆い。
約1分維持するだけで命に関わるだろう。
だから、1秒を大事に……。
吸った息を吐き、中央に3匹、右側左側にいる1匹〈右端がさっき攻撃した大狼〉のうち、俺だったらこれを選ぶ。
それは、右端や、中央のまとまっているやつよりも、左側にいるやつだ。
特に理由はないが、こじつけのように理由を言うのならば、そいつが一番強い。と思ったからだ。
右は怪我、中央は群れている。それだったら左側が単体で一番強いと思った。
ん?中央へ3匹いるからそれが強いと思う?俺はそうと思わない。
このモンスターは基本群れることはない。単体で強いから群れる必要がないのだ。
左にいる大狼に向かいさっきよりも早く、飛ぶ。
さっき、別の大狼には反応されたが、今回はそうはいかない。一撃で、首を断つ。
巨大な体から大量の血が流れる。
あたりが真っ赤になり剣や、地面、そして俺の体が赤く染まる。
殺してしまった罪悪感など、感じていられない。
俺は止まらず、そのまま中央に向かい、3匹の中の真ん中。そこから体を時計回りに、体を回転させ、斬る。
バタッ!と3匹は倒れる。それに怯えたのか、大狼は逃げようとしている。
だが、そうはいかない。
背後を見せた上から首に向かって突き刺す。
「試験は終了だ!!!生徒は体を清め、祈り、帰宅しなさい。結果は後日伝える」
最初と同じように、先生の声が響く。
だが、最初より声が濁ったように聞こえる。これが、殺した罪悪感によるものなんだろうか…。
試験会場から出て、学校内のシャワーを浴びて、少し歩く。風呂から約5分。外に出て、ある場所に行く。
そこは、3人の英雄の銅像
3人は並んでおり、左から女性の像で名を「ローゼ」様次は男性の像で「アリア」様、最後に男性の像で「ゴーズ」様。
3人は過去に功績によって、【英雄】と呼ばれている。
俺は3人の英雄に祈る。
「………………」
祈り終わり、俺は家に帰った。
家に着くと、いつも通り執事が出迎えてくれ、荷物を預けて、自室に入る。
本棚を漁り、1つの小説を手に取る。
題名は【3英雄の伝説】と書いてある。
これは俺が生まれる前からあり、250年前の事件について書かれている話だ。




