15.2人目は反抗期男子
他のスキルを使用するように意識を集中する。
スキルはこれを使うと自分の中でイメージを固めることで発動できる。どうゆう理屈かは知らないがそう教わったし実際それでできるのだから特に気にするほどでもない気がする。
スキルレベルが上がると無意識化での制御も余裕らしいが。
隷属化スキルに集中するとだれを隷属化するか選択するように意識を促された。
ウェルズ、タマキ、マオの順で視線を向ける。
ウェルズとマオは対象として認識できたがタマキは他の2人とは違って対象として認識できなかった。
これはタマキがすでに俺の従属として隷属化しているからだろう。
「なるほどなこうなるのか」
「アズマサマがスキルを使用してどうゆう状態なのかわかりませんがこちらを見るのはなんとなく嫌な感じがシマスネ」
ウェルズの勘の良さは怖いな。
だが隷属化したと思われる昨日の晩はこんなわかりやすくスキルを使用していますといった状態にはなっていない。
今はそれは置いておこう。この後の効果も含めて試さなければならない。
「じゃあマオ、お前を俺の隷属にするぞ」
「好きにしろよ。負けたんだし拒否権はないんだろう」
潔いやつだ。俺が同じ立場なら受け入れられずに暴れる気がする。
宣言通りマオを対象として隷属化スキルを発動させる。するとマオの左肩の紋章が少し変化した。
ステータスから従属欄を確認するとタマキの他にマオが追加されていた。
「無事隷属化できたようデスネ」
「……くそ」
「終わったの?」
タマキとウェルズが近寄ってきた。
「そうだな。問題なく終わったようだ。ただタマキがなぜ隷属化スキルの影響を受けたかはわからなかったな」
「そうデスカ。他にも条件や使い方があるのかもしれませんネ」
「みたいだなぁ。やっぱ1人だけでスキルのすべてを把握するってのは無理だな」
他のスキルならまだしもユニークスキルだ。比べられるものでもないだろう。
「マオ、スキルを受けてみてなにか変化はあるか?」
「しらねぇよ」
「おい、正直に言え。俺だけの問題じゃないんだぞ。お前になにか問題があっても困るんだ」
こいつとタマキの状態で今後このスキルを使っていいのか判断していく必要もあるのだ。なにか変化があるなら教えてもらわないと困る。
「奴隷の状態なんてステータスを見ればいいだろ。俺から直接……っ!?」
隷属化する時は大人しく受け入れた割にこちらの質問には答えようとしない。どうしたものかと考えているとマオが急に頭を抱えた。
「おいどうした」
「んー、これは奴隷契約に違反した時と同様の症状がでてマスネ。主人の指示に従わなかったり反抗的な態度を続けると激しい頭痛に襲われるのデス」
「おい、俺は罰則なんて使おうと思ってないぞ」
「ある程度は自動で発動してしまうモノなのデス。まぁ程度はアズマサマの意思でどうとでもできマスが」
そうなのか。ならば俺が罰など与えないと思えばいいのだろうか。
意識し始めるとマオの頭痛は治まってきているようだ。
「意図していなかったとはいえ悪かったな。だがいつまでもそんな態度だと緩める気も失せてくるから話してくれ」
まだ少し痛みが残っているのか顔をしかめてこちらを睨んでいる。
どうしたものか…と頭を悩ませているとタマキがマオに近寄って声をかけた。
「あの、キョウスケ様はそんなひどいことしないよ?私も昨日知り合ったばかりだけどすごく優しくしてもらったの。だからそんなに怒らないでキョウスケ様とお話ししてみてほしいの」
タマキの信頼が重い気がするのは俺だけなんだろうか。俺そんなにいいやつじゃないと思うけど。
「……わかったよ。お前のスキルを受けてからか。……悪い変化は多分ない」
「悪い変化ってなんだ?」
「なんていうか不快感というかそうゆうのだ。昨日そいつに契約された時の嫌な感じはない。あとはなんか体が軽い気がする」
「なんで?」
奴隷契約で不快感みたいなのがあるのも知らなかった。けど俺のスキルでプラスの効果があるのも謎だ。
「アズマサマの隷属支援のスキル効果ではないデスカ?」
「発動してる認識はないが。これもパッシブスキルなのか?」
「ぱっしぶ?が何かはわかりませんが常に発動しているのではないでしょうか」
隷属化も隷属支援もパッシブスキルだったのか。従属がいなかったからわからなかったし使おうとも思わなかったからそんなことわかるはずもない。
「タマキちゃんもそういった変化があったのか?あと、ごめん、今後付き合うならちゃんづけって恥ずかしいから呼び捨てさせてもらっていいか?」
「呼び方はキョウスケ様の好きなように呼んでもらっていいよ?それで変化の方はよくわからないけど…昨日キョウスケ様と会ってから心がすごく楽になった気がする…」
なんともふわっとした情報だった。
「そ、そうか」
「とりあえずやることも終わったので移動しまショウか。ワタシの書斎でこの後の話をしたいデスし」
ウェルズに促されて俺たちはウェルズの書斎に戻ることにした。
タマキとマオはおとなしくついてきている。タマキはマオが俺に素直に話したことが嬉しかったのかにこにことマオに話しかけていた。
決して穏やかなやりとりではなかったのに後ろはなんとも平和な光景だった。




