第五十四章 自分の能力を証明しろ
第五十四章 自分の能力を証明しろ
ツムギとカリスタがアストレオンを降りた時、ナルコール・フロンティア・ステーションはまだ巨大ガス惑星の軌道をゆっくりと回転していた。
その日、ツムギはわざとセラフィエルを連れて行かなかった。カリスタがAIの助けなしで——アストレオンのデータベースへのアクセスなし、リアルタイム分析なし、彼女に優位をもたらすもの一切なしで——どう働くかを見たかったのだ。
「セラフィエルを連れて行かなくていいのか?」とカリスタはステーションの廊下を歩きながら尋ねた。
「セラフィエルは船に残る。君は一人で働く。」
カリスタは頷いた。「いいね。その方が好きだ。」
ツムギはカリスタをデッキ9へ連れて行った——ナルコールの工業エリアで、工房、倉庫、小さな工場が密集している。ここでは空気がより暖かく、より匂いが強く、より騒がしい。機械と重機の音が至る所から聞こえてくる。
廊下の突き当たりに、ひっそりとした金属加工工場があった。扉は閉まっているが、中には灯りが点いている。
「ここだ」とツムギは言った。
カリスタは眉をひそめた。「工場?」
「ヴェイラウン家所有の金属加工工場だ。彼らはオルテイアからここへ鉱物を送って加工している。しかし産業システムが故障した——もう二週間になる。誰も直せない。」
「なぜ技術者を呼ばない?」
「もう呼んだ。三人の技術者が来た。誰も成功しなかった。」
カリスタはツムギを見た。「それで私に試せと?」
「ああ。」
「一人で?」
「一人で。」
カリスタは微かに微笑んだ。「三人の技術者が解決できなかった問題を与えるの?」
「現実の問題を与える。シミュレーションじゃない。訓練じゃない。解決しなければならない問題だ。」
カリスタは頷いた。「わかった。見てみよう。」
---
彼らが近づくと、工場の扉が開いた。四十代ほどの人間の男性——汚れた作業服と疲れた目をしている——が彼らを迎えた。
「星崎船長?」と彼は尋ねた。
「ああ。こちらがカリスタ・フェロ。話したエンジニアだ。」
男性はカリスタを見た——少し懐疑的に。「彼女が……エンジニア?」
「私はエンジニアだ」とカリスタは断固として答えた。「壊れたシステムのところへ連れて行け。」
男性は頷き、彼らを中へ案内した。
中は戦場のようだった。いくつかの加工機械が停止し、パネルが開かれ、ケーブルが散乱している。部屋の隅には、取り外されたまま再び取り付けられていない部品の山がある。
「これがメイン精錬システムだ」と男性は言った。「これで鉱石から金属を分離している。しかし二週間前、このシステムが突然止まった。理由がわからない。」
カリスタはシステムに近づいた。彼女はコントロールパネルを観察した——暗い画面、反応しないボタン。そして側面パネルを開け、中を覗き込んだ。
「このシステムの最後のメンテナンスはいつ?」
「二ヶ月前。」
「その後は?」
「何も。忙しかった。定期メンテナンスの時間がなかった。」
カリスタは頷いた。彼女は工具袋を手に取り、作業を始めた。
---
ツムギは部屋の隅にある椅子に座った——観察しているが、干渉はしない。
カリスタは落ち着いて働いた。急がなかった。彼女は各コンポーネントを注意深く検査し、見つけたことをタブレットに記録し、時折独り言をつぶやいた。
約一時間後、彼女は立ち上がり、男性のところへ歩いていった。
「問題は精錬システムじゃない」と彼女は言った。
男性は眉をひそめた。「じゃない?」
「精錬システムは問題ない。問題は冷却システムにある。冷却がうまく機能していないから、精錬システムがオーバーヒートして自動停止する。」
「でも冷却は確認した。問題はなかった。」
「メイン冷却を確認したんだろう。でも二次冷却がある——床の下に。それが壊れている。」
男性は目を見開いて彼女を見つめた。
「床の下?」
「ああ。そこへのアクセスが必要だ。」
男性は数人の作業員を呼び、彼らは床パネルを開けた——工場の下の、パイプとケーブルで埋め尽くされた狭い空間が現れた。
カリスタはためらわずに降りていった。
---
ツムギは待った。
約三十分後、カリスタが戻ってきた——顔は汚れ、手はオイルまみれだが、目は輝いている。
「見つけた」と彼女は言った。
「何を?」
「二次冷却ポンプ。シールが壊れている。冷却液が漏れて、システムが自分を冷やせなくなっている。それが精錬システムのオーバーヒートの原因だ。」
「直せるか?」
「直せる。でも新しいシールが必要だ。それと予備ポンプがあれば。」
男性は首を振った。「予備のシールはない。予備ポンプは……ずっと前に壊れた。」
カリスタは眉をひそめた。「その予備ポンプはどこにある?」
「裏の倉庫だ。何年も使っていない。」
「そこに連れて行け。」
---
工場の裏の倉庫は暗く、埃っぽかった。部屋の隅に、布に覆われた古いポンプがある——一部は錆びているが、まだ原型を保っている。
カリスタは注意深くそれを調べた。
「このポンプはまだ使える」と彼女は言った。「直せる。」
「どのくらいかかる?」
「数時間。もしかしたらもっと。」
男性は目が輝き始めた表情で彼女を見つめた。「本当に直せるのか?」
「直せる。」
男性は頷いた。「なら、やってくれ。必要なものは何でも手伝う。」
カリスタは微かに微笑んだ。「工具が必要だ。それとコーヒー。」
---
カリスタは一日中働いた。
彼女は予備ポンプを修理した——壊れたシールを交換し、錆を落とし、各コンポーネントをテストした。彼女は指示に従順に従う数人の工場作業員に助けられた。
ツムギはそこに留まった——観察しているが、干渉はしない。彼はカリスタが他の人々とどう働くかを見た。カリスタが明確かつ断固として、しかし粗雑ではなく指示を出すのを見た。カリスタが与えられた助けを評価し、助けが必要な時にはそれを認めることを躊躇しないのを見た。
夕方近く、ポンプが完成した。
カリスタはそれを床の下に再び取り付け、冷却システムに接続し、システムを起動した。
しばらくして、精錬システムが動き出した。
男性——そして他の数人の作業員——が歓声を上げた。
カリスタはシステムのそばに立ち、汚れた腕で額を拭った。彼女は微笑んだ——疲れているが満足げな微笑みだ。
「成功した」と彼女は言った。
ツムギが近づいた。
「よくやった。」
「わかってる。」
---
ナルコールの太陽が沈んだ後——あるいは少なくとも、ステーションの人工光サイクルが夜に変わった後——彼らはアストレオンに戻った。
リビングルームでは、レアとランが既に待っていた。ヴェスペラもそこにいて、隅に座って日誌を手にしている。
「どうだった?」とレアが尋ねた。
「カリスタが三人の技術者でも直せなかったシステムを直した」とツムギは答えた。
レアは眉を上げた。「本当か?」
「本当だ。」
カリスタはソファに座った。まだ汚れた作業服のままだ。「難しい問題じゃなかった。ただ誰も深く見ようとしなかっただけ。」
ランは微笑んだ。「それが優れたエンジニアを作る——深く見ようとする意志だ。」
カリスタは彼女を見た。「エンジニアリングについて知っているのか?」
「私は人について知っている。そして深く見ようとする人は大抵より成功する。」
カリスタは静かに頷いた。「その考え方、好きだ。」
---
夜、ツムギはエンジニアリング・デッキでカリスタに会った。
カリスタはベンチに座り、青い光で脈動するリアクターコアを見つめていた。彼女は既にシャワーを浴び、服を着替えている——清潔なTシャツと長ズボン。赤い髪はまだ少し濡れている。
「眠らないのか?」とツムギは尋ねた。
「もう少ししたら。」
ツムギは彼女の隣に座った。
「カリスタ。」
「はい?」
「ポジションを提案したい。」
カリスタは振り返った。「ポジション?」
「テクニカル・コンサルタント。エンジニアリング・スペシャリスト。君はセラフィエルと共にアストレオンのシステムの保守と改造を担当する。ほとんどのシステムへのアクセスを持つ——最も機密なものを除いて。」
カリスタはしばらく彼を見つめた。
「なぜ?」
「君が能力を証明したから。そして機械を気にかけているから。それは重要だ。」
カリスタは微かに微笑んだ。
「受け入れる。」
ツムギは手を差し伸べた。カリスタはそれを握った。
「アストレオンへようこそ、カリスタ・フェロ。」
---
【次回予告 第五十五章 —— 「四人の食卓」】
ツムギ、セラフィエル、レア、ラン、カリスタが一緒に食卓を囲む。会話は自然に流れる——カリスタは地球について尋ね、レアはからかい、ランは投資について話し、セラフィエルはすべてを見守る。ヴェスペラはまだ加わっていない。大きな契約が舞い込む。
【第五十五章へ続く…】




