第二十六章 —— 三隻の船、三十隻の船
第二十六章 —— 三隻の船、三十隻の船
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ASTRAEONとランの貨物船がケストレル・フリーポートに戻ってきた。
紬はコックピットの窓の前に立ち、すでに馴染み始めたステーションを見つめていた。後方では、リアがモビルフレームから三人の人質を搬送し終えたところだ——彼らは現在、健康診断のためにユーフォリア医療施設にいる。
「セラフィエル、人質の状態は?」
「全員、安定しています。軽度の脱水症状と栄養不足がありますが、重傷者はありません。数日で回復するでしょう。」
「よし。傭兵協会に任務完了の報告を送れ。」
「了解しました、紬。」
リアがコックピットに入ってきた。顔にはまだ汗と埃が少し付いている——しかしその目は輝いている。
「船長、契約完了だ。成功した。」
「ああ。君は素晴らしかった、リア。君なしでは人質を救出できなかった。」
リアは小さく微笑んだ——珍しい微笑みだ。
「仕事をしただけだ。」
「そしてそれを完璧にやった。」
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紬、リア、ランは任務の成功を祝うために船長専用居住区のリビングルームに座った。
セラフィエルが飲み物と軽食を提供する——温かいお茶と小さなケーキだ。
ランがグラスを掲げた。
「星崎船長とリア・ヴァレンに——見事な海賊狩りだった!」
紬とリアもグラスを掲げた。
「成功に乾杯。」
三人は飲んだ。
ランは感嘆の表情で紬を見つめた。
「船長、あなたがここまで勇敢だとは思いませんでした。10隻の海賊船に一人で立ち向かうなんて? それは無謀です。」
「一人じゃない。セラフィエルとASTRAEONがいる。」
「それでも。それは大胆な行動でした。」
リアが頷いた。
「彼は勇敢だ。だから俺も乗組員になることに決めた。」
ランは眉を上げた。
「乗組員? あなたは……」
「ああ。ASTRAEONの乗組員になる。」
ランは微笑んだ。
「おめでとう、船長。素晴らしいパイロットを得ましたね。」
紬は微笑んだ。
「ありがとう、ラン。」
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紬は傭兵協会からメッセージを受信した。
「星崎船長、シャドウ・ファング討伐の契約が完了しました。報酬40,000ギャラクシークレジットをあなたの口座に振り込みました。ポイント:50。あなたの現在の合計ポイントは110です。」
紬は満足げにそのメッセージを読んだ。
「セラフィエル、またランクアップか?」
「はい、紬。110ポイントで、船長はDクラスになりました。」
「すごい、早いな。」
「船長は懸命に働き、並外れた能力を示しました。それは当然の結果です。」
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ランがタブレットを開き、ヘリオヴァー・ロジスティクスに関するデータを表示した。
「船長、見ていただきたいものがあります。」
紬が近づいた。
「何だ?」
「さっきの任務の際、リアが小惑星でいくつかの書類を発見しました。その書類によると、シャドウ・ファングは実際にはヘリオヴァー・ロジスティクスの一部だったことが示されています。」
紬は眉をひそめた。
「つまり、シャドウ・ファングはヘリオヴァーのフロント組織だったのか?」
「そうです。彼らは小さなギャングを使って汚い仕事をさせている——船を襲撃し、貨物を略奪し、競合他社を妨害するために。」
リアが頷いた。
「俺もあの書類にいくつかの名前を見た。ケストレル・フリーポートの役人に関係する名前だ。」
紬は真剣な表情で二人を見つめた。
「つまり、ヘリオヴァー・ロジスティクスはここにも繋がりがあるのか?」
「そうです。つまり、我々は注意しなければなりません。」
紬は考えた。
「これは予想より大きな話だ。」
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紬はケストレルの情報ブローカーを訪ねることにした。
彼はリアとランを船に残し、セラフィエルと共にステーション奥へ向かった。そこではオリンという年老いた情報ブローカーが活動している。
オリンは白髪の鋭い目をした年老いた人間だ。彼は机の後ろに座り、熱い飲み物のカップを手に、好奇心を持って紬を見つめた。
「星崎船長。あなたの噂は聞いている。面白い方だ。」
「ヘリオヴァー・ロジスティクスについての情報が欲しい。」
オリンは眉を上げた。
「それは危険な情報だ。本当にいいのか?」
「ええ。」
「値段は10,000ギャラクシークレジットだ。」
紬は驚かなかった——価値ある情報が安くないことはもう学んでいた。
「わかりました。払います。」
オリンは微笑んだ。
「賢明な判断だ、船長。」
彼は紬にデータカードを手渡した。
「ここに私が持っているヘリオヴァー・ロジスティクスに関する全ての情報がある。彼らの航路、連絡先、そして数人の重要人物の名前だ。賢く使いなさい。」
紬はそのカードを受け取った。
「ありがとうございます。」
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紬はASTRAEONに戻った。
リビングルームで、彼はデータカードを開き、その情報をホログラフィックディスプレイに表示した。
リアとランが真剣な表情で画面を見つめた。
その情報によると、ヘリオヴァー・ロジスティクスは辺境地域全体にわたって活動している。彼らは民間貨物船として登録された船を持っているが、実際は海賊行為に使用されている。彼らはまた、辺境のステーションの数人の役人と繋がりを持っている。
「セラフィエル、これについてどう思う?」
「これは我々が予想していたよりも大きな組織です、紬。彼らは野放しに活動できるだけの資源と繋がりを持っています。」
「彼らと戦うべきだろうか?」
「今はやめておきましょう。まだ彼らに直接挑戦するだけの証拠も力もありません。しかしこの情報は、将来彼らを避けるのに役立ちます。」
紬は頷いた。
「わかった。この情報は後で取っておこう。」
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紬とリアはリビングルームに座り、次の計画を話し合った。
「船長、この後はどうするつもりだ?」とリアが尋ねた。
「リラディスに戻る。契約の結果を報告して、次の契約を探す必要がある。」
「ヘリオヴァー・ロジスティクスは?」
「遠くから監視する。もし我々を攻撃してこようものなら、準備はできている。」
リアは頷いた。
「わかった。ついていく。」
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紬はリア、ラン、セラフィエルと夕食をとった。
雰囲気はリラックスして温かい——まるで家族が集まっているかのようだ。
ランは真剣な表情で紬を見つめた。
「船長、私は明日リラディスに戻らなければなりません。片付けなければならないビジネスがあります。」
「わかった。リラディスまで一緒に行くよ。」
「いいえ、大丈夫です。一人で行けます。あなたはここで用事を済ませてください。」
紬は考えた。
「わかった。でも道中気をつけて。」
ランは微笑んだ。
「いつも気をつけていますよ、船長。」
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紬はリアと共にASTRAEONの廊下を歩いた。
リアはまだこの船に圧倒されている様子だった——新しいものを見るたびに、その目が輝く。
「船長、こんな船に乗ることになるとは思わなかった。」
「今はここにいる。そして好きなだけここにいられる。」
リアは彼を見つめた。
「お前は本当に変なやつだな、船長。」
「わかってる。」
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紬はケストレルの傭兵協会からメッセージを受信した。
「星崎船長、あなたに興味を持っていただけるかもしれない新しい契約があります。辺境の星系への護衛契約——報酬は60,000ギャラクシークレジットです。ご興味は?」
紬はそのメッセージを読んだ。
「セラフィエル、どう思う?」
「有利な契約です。しかし辺境の星系ということは、より高いリスクを意味します。」
「考えてみよう。」
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紬はリビングルームに座り、本を読んでいた。
リアは向かいのソファに座り、お茶を飲んでいる。
「船長、いつも読んでいるのか?」
「いつもじゃない。でも読書は好きだ。」
「何を読んでいるんだ?」
「地球の小説だ。謎の事件を解決する探偵の話だ。」
リアは眉をひそめた。
「退屈そうだな。」
「違う。面白い。これらの小説から人間について多くのことを学べる。」
リアは眉を上げた。
「例えば?」
「例えば、人々がどう考え、どう感じ、どう決断するか。全て良い船長になるために役立つ。」
リアは沈黙した。
そして彼女は言った:
「お前は本当に変なやつだな、船長。」
「言っただろ。」
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紬はランからメッセージを受信した。
「船長、明日の朝の出発準備は整いました。全てに感謝します。今回の旅は忘れられないものになりました。」
紬は微笑んだ。
「俺もだ、ラン。旅の安全を祈っている。」
「ありがとうございます、船長。リラディスでお会いしましょう。」
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紬はベッドに横たわり、天井を見つめた。
「セラフィエル。」
「はい、紬?」
「明日、ランはリラディスに戻る。俺たちは次の契約を探すためにしばらくケストレルに滞在する。」
「船長はもう決断されましたか?」
「まだだ。でも明日決める。」
「賢明な判断です、紬。」
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紬は灯りを消した。
暗闇の中で、セラフィエルの柔らかな声が聞こえる:
「おやすみなさい、紬。」
「おやすみ、セラフィエル。」
彼は目を閉じた。
明日、彼は新たな冒険を始める。
明日、彼は銀河のさらに奥へと足を踏み入れる。
そして初めて、彼は自分のそばに家族がいると感じていた。
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【次回予告 第二十七章 —— 「アストレオン、出撃」】
翌日、紬とリアは新しい契約を受ける——ヘリオヴァー・ロジスティクスの本拠地と疑われる区域への偵察任務だ。しかし到着してみると、ヘリオヴァーが大規模な攻撃の準備をしていることを発見する。紬は戦うか撤退するかの決断を迫られる。
【第二十七章へ続く…】




