【第176話】「八百四十万GCの責任」
【第176話】「八百四十万GCの責任」
場所: タラリス国境兵站補給拠点 — 貨物検査エリア → 受領事務ターミナル → ASTRAEON VELORIA停泊エリア 航行位置: タラリス国境兵站補給拠点
視点: モード・ラン・ヴァレス → カリスタ・フェロ → 星崎紬 → セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン
### 視点 — モード・ラン・ヴァレス
仕事というものには、見た目以上の注意深さを必要とするものが二種類ある。
一つは、多額の金銭が関わる仕事。
もう一つは、他人の所有物を扱う仕事。
そして今日は、その二つを同時に処理しなければならない。
目の前の事務ターミナルには、契約番号C-145-MCの契約書が表示されていた。契約総額は8,400,000 GC。金額に変更はない。
別の項目には、輸送責任を受領側へ引き渡す前に検査しなければならない、七つの貨物群が記載されている。
ASTRAEONは、指定された停泊エリアに到着していた。
船舶識別と初期要件の確認が完了し、ようやく受領区域への進入許可も下りた。とはいえ、それはまだ最初の一歩にすぎない。
私は受領書類を拡大表示した。
「七つの貨物群。マニフェストと照合すべき七つの貨物群。そして引き渡しの時点で、データに一つの相違もあってはならない七つの貨物群……」
「ラン、独り言?」
振り返ると、事務室の出入口付近にカリスタが立っていた。
いつもの作業着から普段着に着替えている。それでも、袖のあたりには技術作業で付いたらしい埃が少し残っていた。
「見落としがないよう、自分に言い聞かせていたところよ」
「それならコーヒーが必要そうね」
「もう二杯飲んだわ」
「三杯目があってもいいと思うけど」
私はわずかに微笑んだ。
「三杯も飲んだら、今度は私の確認速度が上がりすぎて、セラフィエルに止められるかもしれないわね」
カリスタが笑う。
「それはなかなか贅沢な悩みね」
私は一つのパネルを閉じて立ち上がった。
「実物検査の準備はどう?」
「検査用ドローンは準備できてる。補給拠点からコンテナ一覧と検査箇所の指定も受け取ったよ」
「貨物群はすべて検査するの?」
「ええ。少なくとも初期検査ではね。コンテナの状態、封印番号、それから書類と実際の貨物が一致しているか確認したいんだって」
「分かった。私は事務担当として立ち会うわ」
カリスタが眉を上げる。
「貨物エリアまで来るつもり?」
「もちろん。照合の全工程を自動システム任せにするつもりはないもの」
「そんなこと言ってないよ。ただ、あんたはターミナルの前に座ってる方が好きだと思ってた」
「確かに、ターミナルの前に座っている方が好きよ。でも、自分が扱っているものを実際に見る必要があるときもあるわ」
「それでこそ、あたしの知ってるランだね」
私は携帯端末を手に取った。
「紬には検査開始の連絡が届いている?」
「セラフィエルが状況を更新してるところだよ」
「そう。なら、行きましょう」
貨物検査エリアは、補給拠点の大規模区画の一つに設けられており、受領プラットフォームへ直接つながっていた。
身分確認と人員認証を済ませ、私たちは内部へ入る。
外から見た印象よりも、ずっと慌ただしい場所だった。
コンテナ用の搬送車両が専用通路を行き交い、補給拠点の職員たちが貨物の識別情報を確認している。複数の産業用ドローンがコンテナの外装をスキャンし、遠くでは自動搬送システムが船舶用プラットフォームから一時保管エリアへ貨物を移していた。
同じような作業を進めている船舶も多い。
しかし、ASTRAEON用に指定された区画へ到着すると、すぐに一人の職員が近づいてきた。
「ASTRAEON VELORIAの代表者でしょうか?」
私は身分証を提示した。
「モード・ラン・ヴァレスです。契約番号C-145-MCの事務管理を担当しています」
「タラリス国境兵站管理局のヴェイラン・オリスです。お待たせしました。七つの貨物群について、検査エリアを準備してあります」
「ありがとうございます。こちらも補足資料を用意しています」
ヴェイランは端末を確認した。
「開始前に、検査の順序を説明させてください。まずコンテナの識別情報と封印を照合し、その後、外部スキャンを実施します。それからマニフェストに記載された貨物群ごとに内容を確認します」
「コンテナを開封する予定はありますか?」
「検査結果に、追加の実物確認を必要とする相違が見つかった場合に限ります。現時点では、すべてのコンテナを開封するよう求める理由はありません」
私は頷いた。
「分かりました。手順に従って検査に立ち会います」
ヴェイランはカリスタへ視線を向ける。
「そちらが船舶側の技術担当者ですか?」
「カリスタ・フェロ。ASTRAEONの管理下にある間、貨物の技術検査と物理的状態の確認を担当してるよ」
「それでは、技術的な不一致が見つかった場合は連絡します」
「どうぞ」
私はマニフェストを開いた。
「最初の貨物群から始めましょう」
最初のコンテナが検査区画に配置された。
補給拠点のドローンが初期スキャンを実施し、その間にカリスタが端末で封印の識別情報を確認する。
「コンテナ番号、一致」
私は書類と照合した。
「封印番号も合っているわ」
補給拠点の職員がスキャン結果を確認する。
「第一貨物群、コンテナ識別情報および封印番号はマニフェストと一致。次の検査へ進んでください」
カリスタが頷く。
「外装にも、輸送の安全性に影響する損傷は見当たらないよ」
私は結果を記録した。
第一貨物群、完了。
軍用艦艇のエンジン部品。
続いて第二貨物群。
Mobile Frameの整備ユニット。
第三貨物群。
防衛用部品。
第四貨物群。
医療用品。
第五貨物群。
野戦通信モジュール。
第六貨物群。
兵站施設の修理用機材。
そして最後の第七貨物群。
人員支援用品。
一つずつ、コンテナ番号、封印、マニフェストのデータを照合していく。
検査を中断しなければならないような不一致は見つからなかった。
しかし、私はまだ安心していなかった。
コンテナの識別情報が一致したからといって、中に入っているすべての貨物が受領されたことにはならない。
モジュールそのものの適合性確認が残っている。
そして、その作業こそ、より慎重に進める必要があった。
「カリスタ、全貨物群の初期スキャン結果はどう?」
彼女は端末の表示を切り替えた。
「積荷の移動やコンテナの損傷を示す異常はないね。ただ、マニフェストの一覧に基づく内容物の照合は、まだ終わってないよ」
「もちろん」
ヴェイランが近づいてきた。
「これから貨物の分類ごとに内容物の検査を開始します。一部の部品については、ユニット数とモジュールの識別情報を確認する必要があります」
カリスタが頷く。
「どうぞ。技術検査にはあたしも立ち会うよ」
私は最初の貨物群の一覧を開いた。
「私は結果を出荷書類と照合するわ」
検査が再開された。
その後しばらくの間、私たちの意識は目の前の作業だけに集中していた。
### 視点 — カリスタ・フェロ
あたしは、実際に目で見て確認できる仕事の方が好きだ。
壊れた機械なら調べられる。
規格に合わない部品なら測定できる。
そして問題を抱えたコンテナには、大抵の場合、何かしらの兆候がある。誰かが異変の正体に気づくよりも前にね。
だから、七つの貨物群の検査に立ち会うこと自体は、別に嫌じゃなかった。
まあ、ASTRAEAの修理ほど面白い仕事ではないけどね。
「第一貨物群」
あたしが告げると、検査用ドローンがモジュールのスキャン結果を表示した。
マニフェストに記載されている仕様と照合する。
「軍用艦艇のエンジン部品。数量、モジュール識別情報ともに一致。輸送状態に影響する外部損傷も確認されないよ」
補給拠点の職員がデータを確認した。
「第一貨物群、検査結果を受領しました」
ランが結果を記録する。
次は第二貨物群。
今度は複数のMobile Frame整備ユニットについて、識別番号と保管状態を確認する。
あたしはコンテナの接合部を調べた。
「不審な位置ずれはないね」
「機能試験も実施する必要がありますか?」と職員が尋ねた。
「この段階では必要ないよ」
あたしはその職員に向き直って説明した。
「今回実施しているのは、輸送中の貨物が契約内容に適合しているかを確認する検査だからね。識別情報、数量、物理的状態、それからマニフェストとの一致を確認する必要がある。全機能試験は別の手順であって、今回の受領検査に自動的に含まれるわけじゃないよ」
「承知しました」
あたしは検査を続ける。
貨物があたしたちの船に積まれていたというだけで、全モジュールの運用試験まで実施する責任があると思われるのは困る。
それは契約の範囲外だ。
第三貨物群の防衛用部品についても同じ。
識別情報が一致していること、輸送状態に影響する物理的損傷がないこと、そして記録された数量どおりにすべてのユニットが揃っていることを確認する。
第四貨物群は、比較的早く終わった。
医療用品は識別システムが分かりやすい。それに保管状態も封印も、問題なく維持されていた。
続いて野戦通信モジュール。
移動や圧力による損傷がないか、外装を確認していく。
「第五貨物群、適合してるよ」
ランが頷いた。
「記録したわ」
第六貨物群は、兵站施設の修理用機材が複数の種類に分かれていたため、少し時間がかかった。
一覧に従って、品目ごとに確認していく。
不足はない。
封印を失ったコンテナもない。
数量の変化もない。
そして最後は、第七貨物群。
ドローンと一緒に最終確認を終える。
「完了。人員支援用の全モジュールがマニフェストのデータと一致してるよ」
ヴェイランが最終結果を確認した。
「これをもって、七つの貨物群すべての実物検査が完了しました。受領を拒否すべき不一致は見つかっていません」
あたしは息を吐いた。
「やっと終わったね」
ランがこちらを見る。
「機械を検査しているときより疲れているように見えるわ」
「機械は、こんなに何度も署名を求めてこないからね」
「あなたが記入するのは技術報告書だけでしょう?」
「そっちは、誰も事務処理でミスをしないように確認するだけでしょ」
ランが微笑んだ。
「公平な役割分担に聞こえるわね」
「完全に公平とは言えないね。この後、あたしは格納庫に戻らなきゃならないんだから」
あたしは端末に目を向けた。
まだセラフィエルに送るべき報告が一つ残っている。
ASTRAEAの修理状況だ。
作業はまだ終わっていない。
現在は新しい主機二基の準備が進められていて、修理用ドローンの手順も銀河標準技術に合わせて調整されている。
取り付け作業が問題なく進むかどうか、自分の目で確認したかった。
ただし、格納庫へ戻る前に確認しておくことがある。
「ラン、受領状況はどうなってる?」
彼女は端末を確認した。
「実物検査は完了。あとは最終書類の照合と受領署名だけよ」
「よし。それなら技術報告を提出すれば戻れるね」
「まだ遠くへ行かないで。次の手続きで紬があなたを必要とするかもしれないわ」
あたしは笑った。
「分かったよ。しばらくこの辺りにいる」
実物検査が完了したのは20時46分だった。
七つの貨物群すべてについて、検査が終わった。
紛失はない。
輸送状態に影響する損傷もない。
無許可で開封されたことを示す封印もない。
そしてマニフェストとの数量差異もなかった。
あたしは検査結果をセラフィエルに送信する。
数秒後、返信が届いた。
『報告を受領しました、カリスタ。ASTRAEONの内部記録との照合も完了しています。すべての貨物群が、引き渡し前のデータと一致しています』
あたしは微笑んだ。
「よし」
『この後は格納庫に戻る予定ですか?』
「この受領報告を終わらせてからね。ASTRAEAの主機取り付け作業がどこまで進んだか確認したいんだ」
『カリスタ、無理をする必要はありません』
「分かってるよ。ただ、計画どおりに進んでるか自分で確認したいだけさ」
『分かりました。最新の技術データを用意しておきます』
「ありがとう」
通信を終了する。
そして、検査を終えたコンテナの並ぶ区画を見つめた。
七つの貨物群。
一つの契約。
そして、すべての貨物が受領可能な状態を保っていた。
少なくとも、今日のあたしの仕事は順調に進んだようだ。
### 視点 — 星崎紬
司令デッキにいると、検査結果の全報告が届いた。
メインディスプレイには補給拠点の受領エリアが映し出されている。
目の前の端末には、カリスタとランから送られた検査結果が表示されていた。
「つまり、全部一致したんだな?」
セラフィエルが頷く。
「そのとおりです、紬。七つの貨物群すべての実物検査が完了しました。識別情報、数量、輸送状態はすべてマニフェストと一致しています。紛失も、受領に影響する損傷もありません」
俺は息を吐いた。
「よかった」
報告書を開く。
検査結果が一つずつ並んでいた。
問題なし。
それは、かなり安心できる知らせだった。
だが、契約を本当に終わらせる前に、まだ一つだけ片づけなければならない仕事がある。
遅延の証拠を提出することだ。
俺はセラフィエルが準備していた書類を開いた。
「これがインシデントに関する記録の全体か?」
「はい。航路変更時刻、運航上の通信記録、救助報告、要救助者への対応、そして一連の作業中における貨物の状態を記録した資料が含まれています」
俺は要約部分に目を通した。
意図的に省かれた情報はない。
ただし、契約上の責任に直接関係しない情報は、別に分けられていた。
俺は頷いた。
「いいな。遅延の理由を説明したいからって、必要のない情報まで相手に渡す必要はない」
「すべての書類は、それぞれの対象範囲に応じて分離してあります」
俺は立ち上がった。
「それじゃ、受領側の担当者に会ってくる」
受領事務室は検査エリアからそれほど離れていなかった。
そこではランが俺を待っていた。
入室すると、彼女はヴェイラン・オリスと話しているところだった。
「紬、ちょうどいいタイミングね」
「何か問題でもあったか?」
「いいえ。最終書類を完成させるだけよ」
ヴェイランが立ち上がった。
「星崎艦長、お待ちしておりました。全貨物の実物検査は完了しています。結果は、受領したマニフェストと一致しました」
「それはよかった」
俺は二人の向かいに座る。
ランが端末をこちらへ向けた。
「こちらが最終受領書類よ。ただし、署名する前に一つだけ済ませておかなければならない項目があるわ」
画面を確認する。
契約金額は、依然として8,400,000 GCと記載されていた。
俺はヴェイランに視線を向けた。
「受領手続きを完了する前に、輸送時刻の変更に関する証拠を提出しておきたい」
「もちろんです。遅延については、事前通知を受け取っています」
俺は補足資料を送信した。
「輸送中に遭遇した武装勢力の脅威が原因で、予定に遅れが生じました。その脅威は運航記録によって確認されています。その後、我々は緊急事態にあった船舶と人員を救助するための行動を取りました」
ヴェイランが資料を開く。
「これらの書類は、すべて船舶の運航システムに保存されていた原本ということでしょうか?」
端末を通じてセラフィエルが答えた。
『そのとおりです。各書類には時刻情報、内部認証情報、および検証可能な変更履歴が記録されています』
ヴェイランは数ページを確認する。
俺は説明を続けた。
「救助活動の間も、すべての貨物群はASTRAEONの管理下に維持していました。コンテナを使用したり、第三者へ移管したり、許可なく開封したりした事実はありません」
「本日の検査結果も、その説明を裏付けています」
ランが口を挟んだ。
彼女は実物検査の概要を表示する。
「七つの貨物群はすべて検査済みです。いずれもマニフェストと封印記録に一致しています。紛失も、受領に影響する損傷もありません」
ヴェイランが頷いた。
「承知しました」
彼は再び遅延に関する資料へ目を向ける。
「こちらの記録では、到着予定時刻に対して18時間50分の遅延が発生しています。この数値で間違いありませんか?」
「間違いない」
「そして、その原因はご説明いただいた救助活動と安全確保の対応ということですね?」
「そうだ」
俺は事実を取り繕うつもりはなかった。
彼らに俺たちを英雄だと思ってもらう必要もない。
ただ、何が起きたのかを説明するだけだ。
「契約金額を一方的に変更するよう求めているわけではありません」と、俺は続けた。「契約総額は当初の合意どおり、8,400,000 GCのままです。受領記録に誤った情報が残らないよう、予定変更の理由を示す証拠を提出しているだけです」
ランも頷いた。
「追加費用や補償に関する判断がある場合は、両者の合意に基づき、別途記録されることを希望します。ただし、現時点で私たちは契約金額の変更を申請していません」
ヴェイランは俺たちを交互に見た。
それから書類に視線を戻し、再び読み進める。
「理解しました。遅延の証拠は受領書類の添付資料として登録し、契約管理部門へ引き継ぎます」
俺は頷いた。
「ありがとう」
「ただし、遅延理由が記録されたからといって、自動的に追加補償が発生するわけではない点については、ご理解ください。それに関する判断は、権限を持つ担当部門が行います」
「もちろんです。自動的に支払われるものとは考えていません」
ヴェイランがわずかに微笑んだ。
「よろしい。それでは受領手続きを進めましょう」
俺はランを見る。
彼女はすでに最終書類を用意していた。
「どうぞ」
最終受領書類が、俺たちの前に表示された。
TALARIS BORDER LOGISTICS DEPOT — FINAL CARGO ACCEPTANCE
| 項目 | 結果 |
| --------- | ---------------------------------- |
| 契約番号 | C-145-MC |
| 発注元 | Talaris Strategic Logistics Office |
| 輸送業者 | ASTRAEON VELORIA |
| 貨物群数 | 7群 |
| マニフェスト適合性 | 適合 |
| 封印状態 | 適合 |
| 貨物の紛失 | なし |
| 受領に影響する損傷 | なし |
| 遅延証拠 | 添付資料として受領 |
| 契約総額 | 8,400,000 GC |
| 受領状況 | 最終署名待ち |
俺は項目を一つずつ読み上げるように確認した。
それからランへ視線を向ける。
「修正が必要なところはあるか?」
「いいえ。契約番号、船舶識別情報、貨物群数、契約総額、すべて一致しているわ。遅延に関する添付資料も別項目として記録されている」
「よし」
ヴェイランが署名パネルを起動した。
「輸送業者側の同意をいただければ、正式な受領を完了します」
俺は認証パネルに手を置いた。
「ASTRAEON VELORIA艦長、星崎紬。契約番号C-145-MCに基づく七つの貨物群について、マニフェストに従った引き渡しに同意します」
システムが認証を受け付ける。
続いてヴェイランも、補給拠点側の認証を実行した。
インジケーターの表示が切り替わる。
FINAL ACCEPTANCE — COMPLETED
俺は画面を見つめた。
終わった。
初期検査だけではない。
封印の照合だけでもない。
七つの貨物群すべてが、正式にタラリス国境兵站補給拠点へ引き渡されたのだ。
俺は長く息を吐いた。
「ようやく終わったな」
ランが小さく微笑む。
「おめでとう。輸送契約C-145-MCは、引き渡しの段階を完了したわ」
「仕事をしてくれてありがとう」
「どういたしまして。ただし、まだ自由になったと思わないで。支払いに関する事務処理が残っているわ」
俺は彼女を見た。
「分かってる」
「念のための忠告よ」
「いつも忠告してくれるな」
「あなたは、すべての段階が終わる前に仕事が完了したと思いたがるから」
俺は小さく笑った。
「今回はそんなことしてないぞ」
ランが端末を持ち上げる。
「それならよかった。ちょうど今、支払い書類が事務処理段階に入ったところよ」
俺はすぐに彼女を見た。
「おっ?」
「そんなに期待しないで。まだ口座への入金が完了したわけじゃないわ」
「ただ聞いただけだ」
「表情がまったく違うことを言っているけど?」
俺たちのやり取りを見ていたヴェイランが、小さく笑った。
「契約管理部門は、先ほど承認された受領書類に基づいて契約の精算処理を進めます。支払いに関する情報は、手続きが完了した後、正式な連絡経路を通じて通知される予定です」
俺は頷いた。
「確認を待つことにする」
「ご協力ありがとうございました、星崎艦長」
俺は立ち上がり、ヴェイランと握手を交わした。
「こちらこそ、ありがとう」
### 視点 — セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン
私は最初から事務室にいたわけではない。
ミレルと私は指定された乗客用エリアで待機し、紬、ラン、カリスタが検査と貨物の引き渡しを終えるのを待っていた。
ただ、展望窓からは補給拠点の活動の一部を見ることができた。
先ほどまでASTRAEONに積まれていたコンテナは、今では受領エリアへ移されている。
職員たちが書類を確認していた。
搬送車両が貨物を保管施設へ運んでいく。
そして、ほかの船舶も次々と作業を続けていた。
私は温かい飲み物の入ったカップを手に、その光景を眺めていた。
「姫様、何かお考えですか?」
隣に座っていたミレルが尋ねる。
私は彼女へ顔を向けた。
「それほどでもないわ。ただ、彼らの仕事ぶりを見ていたの」
「ASTRAEONのクルーのことですか?」
「ええ」
目の前に置かれた小型端末を見る。
数分前、セラフィエルから貨物検査が完了し、引き渡し手続きが進行中であるとの通知が届いていた。
「紬は、本当にあの契約を大切にしているのね」
ミレルが微笑む。
「もちろんです。艦長としての責任ですから」
「分かっているわ。でも、これだけのことがあった後なら、彼らはもうこの仕事を重要だと思わなくなっているかもしれない、と少し考えていたの」
「ASTRAEAの一件があったからですか?」
私は頷いた。
「私たちを救助して、私たちの船を格納庫に収容し、生活する場所まで用意してくれた。生存者たちの治療も手伝っている。彼らには、ほかに考えなければならないことがたくさんあるはずよ。それでも、最初に引き受けた仕事をきちんと終わらせている」
ミレルは少しの間、黙っていた。
「それは、彼らがそれぞれの責任を理解しているからではないでしょうか、姫様」
私は彼女を見る。
「どういう意味?」
「紬さんは、私たちを救助したことを理由に、引き受けた契約を放置しようとはしていません。ランさんも、すべての書類が正しく保たれるよう確認しています。カリスタさんは実物検査を担当し、セラフィエルさんは情報と通信を管理しています。誰も、ほかの人の仕事を無理に引き受けようとはしていません」
私は微笑んだ。
「あなたも彼らのことがよく分かってきたみたいね」
「私はただ、観察しているだけです」
「それも侍従の仕事の一部よ」
ミレルが頷く。
私は再び窓の外を見た。
初めてASTRAEONに乗ったとき、私はこの船を一時的な避難場所だと思っていた。
私たちを救助する能力をたまたま持っていた、独立した一隻の船。
けれど、ここで過ごす時間が長くなるにつれて、少しずつ理解できることが増えてきた。
ASTRAEONは、ただ大きな船というだけではない。
そこには明確な業務体制がある。
一人ひとりに、それぞれの責任がある。
そして、紬は所有者であり艦長でありながら、何もかもを自分だけで行おうとはしていない。
「ミレル」
「はい、姫様」
「この船は、いつもこんなに忙しいのかしら?」
彼女は小さく笑った。
「いつもとは限らないと思います。ただ、これほどの規模と設備を持つ船ですから、毎日こなさなければならない仕事は多いのではないでしょうか」
「私もそう思うわ」
私はカップを持ち上げた。
「大きな契約を引き受けていないときでさえ、きっとやるべきことがたくさんあるのでしょうね」
「船の整備、備蓄品の管理、設備の点検などでしょうか」
「そうね」
私は微笑んだ。
「ランが書類のことになると、あれほど真剣になる理由が少し分かった気がするわ」
ミレルも頷く。
「紬さんが彼女に事務管理を任せている理由も、少し理解できるようになりました」
乗客用エリアの扉が開いた。
紬がランと一緒に入ってくる。
カリスタは同行していない。技術作業を続けるため、格納庫へ戻ったようだ。
私は立ち上がった。
「紬!」
彼がこちらを振り返る。
「おや、セラフィナ。ここにいたのか?」
「ええ。どうだった?」
紬が微笑む。
「終わったよ。七つの貨物群は、すべて正式に補給拠点へ受領された」
私は安堵の息を吐いた。
「おめでとう」
「ありがとう」
ランが補足する。
「実物検査も書類照合も、すべて手順どおりに進んだわ。受領に影響する紛失や損傷は見つからなかった。遅延の証拠も添付資料として受領されているわ」
「それなら、契約も完了したの?」
「貨物の引き渡しは完了したわ。支払いに関する事務処理は、まだ進行中よ」
紬がランに目を向ける。
「俺が答える前に、そこまで説明するのか」
「あなたが簡単に答えすぎることを知っているからよ」
私は笑った。
「二人は本当に息が合っているのね」
紬は肩をすくめた。
「俺は全体が順調に進むように確認しているだけだよ。書類の大半を管理しているのはランだ」
ランがかすかに微笑む。
「そして、貨物が本当にマニフェストどおりか確認してくれたのはカリスタよ。彼女の仕事も忘れないで」
「もちろん」
私は二人を交互に見た。
「つまり、みんなが自分の役割を果たしたということね」
「大体そんなところだな」
紬が答える。
私は再び腰を下ろした。
「一つ聞きたいことがあるの」
「どうぞ」
「あなたたちは、いつもこんなふうに仕事を分けているの? つまり、複数の案件が同時に進んでいるときも」
紬が私の向かいに座る。
「できるだけそうしているよ。全部を一緒にしてしまうと、かえって間違いが起きやすくなるからな」
ランがさらに説明を加えた。
「例えば、今回のタラリスの輸送契約は、ASTRAEAの救助に関する案件と分けて扱う必要があるわ。どちらも同じ航行中に起きたことだけれど、責任の根拠が違うもの。同じように、カリスタが進めているASTRAEAの修理も貨物契約には含まれていないわ」
私は頷いた。
「つまり、すべてが一度の航行中に起きたことでも、記録は別々に作成するのね」
「そうよ」とランが答える。「そうしておけば、一つの仕事が自動的に別の仕事の一部だと見なされることはないわ」
私は紬を見た。
「あなたも、そういうことを考えているの?」
「ただ、いつか誰かに、最初から合意していなかったことまでやらなければならないと言われるのは避けたいだけだよ」
私は小さく笑った。
「とても実務的な答えね」
「それが俺たちの目的だからな」
会話はその後もしばらく続いた。
やがて、私は端末を確認しているランに気づいた。
「ラン、今夜はまだほかの仕事があるの?」
彼女が顔を上げる。
「いくつか片づけなければならないものはあるけれど、すべてがタラリスの契約に関係しているわけではないわ」
「そうなの?」
紬が彼女に目を向けた。
「貿易関連の報告書を確認しているのか?」
ランが頷く。
「そうよ。以前購入した物流用品や、いくつかの商品について見直しているところ」
私は首を傾げた。
「購入した商品?」
ランが説明する前に、紬が答えた。
「ASTRAEONのために、ランが個人的な貿易業務を担当しているんだ」
ランが微笑む。
「正確には、紬の指示に基づいて私が管理している貿易活動ね」
私は二人を交互に見た。
「つまり、輸送契約を引き受ける以外にも、貿易をしているの?」
「ええ」とランが答える。「輸送業務は船の収入源の一つよ。ただ、Merchantのネットワークを通じて再販売するために購入した商品もあるの」
私は興味を引かれた。
「それは、自分たちで貿易事業を営んでいるということ?」
「ASTRAEONの活動規模に合った範囲で、ということね」とランが答える。「購入、記録、在庫管理、価格評価、物流費用、それに販売まで私が管理しているわ。紬は取引の方針と資金の使用について承認を出す立場よ」
紬が頷く。
「貿易の細かい部分は、俺にはあまり分からない。だから、すべての取引が正しく記録されていることを条件に、管理をランに任せているんだ」
「まるで私があなたのお金を管理しているだけみたいな言い方ね」
ランが言った。
「違うのか?」
彼女は紬を見つめる。
「購入判断を誤って、あなたのお金がなくならないように管理する仕事もしているのよ」
「それはもっと重要だな」
私は笑った。
しかし、少しずつ理解できることがあった。
ASTRAEONは、依頼された仕事だけで収入を得ているわけではない。
自分たちで貿易活動も行っている。
そして、その管理をランが担当しているのだ。
「購入した商品は、まだ船内に保管しているの?」
「大部分は、まだ貿易用の在庫として保管しているわ」とランが答える。「運用上の必要に応じて購入したものもあれば、再販売を目的として選んだ商品もあるわ。記録上の混同が起きないよう、両者は分けて管理しているの」
「それなら、今から販売するの?」
ランが頷く。
「ええ。Mercenaryの仕事を扱っているのと同じギルド組織のネットワークにあるMerchant部門を通じて、販売用として準備を終えた在庫から出品するつもりよ」
私は驚いた。
「同じギルドなの?」
紬が答える。
「組織の中に、いくつかの活動分野があるんだ。俺たちはMercenaryとして登録して仕事を受けている。一方で、ランは組織内に用意されている経路を使って、Merchantの活動も管理している」
「なるほど。つまり、貿易をするためだけに新しい組織を作る必要はないのね」
「そういうことよ」とランが答える。「ただし、貿易に関する規則や記録のルールには従わなければならないわ。Mercenaryの活動状況とMerchantの取引記録も、混同してはいけないもの」
私は微笑んだ。
「面白いわね。ASTRAEONのような独立船が、自分たちの貿易活動まで管理しているなんて思わなかったわ」
ランは一度端末を閉じた。
「実は、この活動は以前から計画していたの。ただ、いくつかの取引は適切な時期を待っていたから、販売をすべて終えられていなかっただけよ」
紬が付け加える。
「今はタラリスへの輸送を終えたところだ。契約の支払い処理が進んでいる間と、以前のMerchant業務に関する支払いが完了するのを待つ間に、ランは販売準備ができている在庫の出品を始められる」
私は頷いた。
「つまり、輸送契約を進めている間も、貿易活動は別に動いていたのね」
「そうよ」とランが答える。「船の主要な義務を妨げない範囲なら、貿易は独立して進められるわ」
私は彼女の端末に目を向けた。
「販売する商品の一覧は、もう用意してあるの?」
「ええ。市場価格と流通費用を確認しているところよ。買い手が高い価格を提示したからといって、すぐに売るつもりはないわ。粗利益がそのまま純利益になるとは限らないもの」
紬が頷く。
「だから、価格や取引の判断はランに任せている」
ランが小さく微笑んだ。
「まずは船内の運用に必要のない商品から販売するつもり。その後は市場の状況を見ながら、ほかの在庫を検討するわ。船が必要とする可能性のあるものまで、無理に売る理由はないもの」
「ずいぶん複雑なのね」
「貿易は、安く買って高く売るだけではないわ。保管費用、輸送費用、保険料、価格変動のリスク、それに支払いが遅れる可能性まで考えなければならないもの」
私は小さく笑った。
「どうして紬がすべてをあなたに任せているのか、今なら分かる気がするわ」
ランが紬に目を向ける。
「少なくとも、私の仕事を理解してくれる人が一人増えたわね」
「俺だって理解しているぞ」
「それなら、数分おきに契約の入金状況を尋ねるのはやめてちょうだい」
紬は黙り込んだ。
私はさらに大きな声で笑った。
「紬!」
「……それは正当な確認だろ」
ランは首を横に振る。
「もちろん、そうね」
しばらくの間、場の空気はずっと和やかだった。
私は改めて二人を見つめる。
数時間前まで、彼らは数百万GC規模の輸送を完了させるために働いていた。それなのに、今の話題は、普段から船の活動の一部になっているらしい個人的な貿易業務へと移っている。
大きな権力について語ることもない。
領域を支配する計画もない。
ただ、一隻の独立船が、所有者の望むとおりに航行を続けるため、さまざまな仕事をこなしているだけだった。
私は小さく微笑んだ。
「ASTRAEONでの暮らしは、想像していた以上に忙しそうね」
紬が笑う。
「時々な」
ランの端末が再び点灯した。
取引一覧が表示される。
彼女は注意深く内容を確認してから、画面を閉じた。
「船に戻ったら、在庫の確認を続けるわ」
紬が頷く。
「遅くなりすぎないようにな」
ランが眉を上げた。
「あなたが人の休息時間を気にするなんて珍しいわね」
「遅くなりすぎるなと言っただけだ」
「それなら、あなたも自分のことを気にしてちょうだい」
私は小さく笑った。
ずっと私たちの会話を聞いていたミレルも、微笑んでいる。
「この船では、休息に関する規則も全員に適用されるようですね」
「大体そんなところだな」
紬が答える。
私は彼を見た。
「紬」
「ん?」
「今日の契約を無事に終えられて、おめでとう」
彼が微笑む。
「ありがとう、セラフィナ」
私は続けた。
「それから、私たちがこの船にいるからといって、自分たちの仕事を放り出さなかったことにも感謝したいわ」
紬は首を横に振った。
「君たちに会う前から引き受けていた契約だからな。最後までやり遂げるのは当然だよ」
「でも、誰もが同じように行動するわけではないわ」
彼はすぐには答えなかった。
そして、ごく当たり前のことを話すような声で言った。
「自分が引き受けた責任を、放り出したくないだけだよ」
私は頷いた。
今度は何も付け加えなかった。
長い説明を聞くよりも、行動を見た方が理解しやすいこともある。
そして今日、私はその一つを目にしたのだった。
22時06分。
セラフィエルから、最終受領書類がASTRAEONの運航システムに保存されたとの通知が届いた。
契約番号C-145-MCのステータスは、引き渡し完了となった。
ただし、支払いに関する事務処理は、まだ権限を持つ担当部門の処理待ちである。
紬が椅子から立ち上がった。
「よし。今夜はここまでにしよう」
ランが頷く。
「船に戻ったら、貿易の記録を続けるわ」
「夕食を忘れるなよ」
「もう食べたわ」
紬は通信を通じてカリスタに尋ねた。
「カリスタも夕食は食べたか?」
端末からカリスタの声が聞こえてくる。
『食べたよ! 今は格納庫で作業を一つ片づけてるところ。あたしの食事時間まで管理し始めないでよ!』
私は笑った。
紬がため息をつく。
「ただ聞いただけだ」
『だったら、もう答えたでしょ』
セラフィエルが微笑んだ。
「クルー全員の休息予定についても、記録を確認してあります」
紬は彼女を見つめる。
「どうしてみんなで俺のことを監視し始めるんだ?」
ランが即座に答えた。
「あなたは忙しくなると、自分自身のことを忘れがちだからよ」
私は微笑んだ。
不思議な気分だった。
数時間前まで、私はこの補給拠点で行われている仕事を、自分とは関係のないものだと思っていた。
けれど、それぞれが自分の責任を果たしていく姿を見ているうちに、ASTRAEONでの暮らしの別の一面を眺めているような気がしてきた。
いつも戦闘に満ちているわけではない生活。
いつも帝国と関わっているわけでもない生活。
そして、生存者たちの安全について話し合うだけでもない生活。
時には、ただ荷物を検査する。
お金を計算する。
在庫を販売する。
あるいは、互いに食事の時間を忘れないよう声をかけ合う。
私は紬を見た。
「紬」
「どうした?」
「明日、ランの貿易業務を見学してもいいかしら?」
ランがこちらを向いた。
「興味があるの?」
「少しね。独立船が航行中にどのように貿易を行っているのか、知りたいの」
紬が微笑む。
「ランが構わないなら、もちろんいいよ」
ランも頷いた。
「問題ないわ。ただし、一部の取引情報は内部情報だから、その点は理解しておいてね。一般的な手続きと、販売用に準備してある商品なら見せられるわ」
「もちろん。見せてはいけない情報まで求めるつもりはないわ」
「それなら、明日の時間を調整しておくわね」
私は微笑んだ。
「ありがとう」
会話を終えると、私はミレルと一緒に乗客用エリアへ戻った。
紬、ラン、セラフィエルには、それぞれの仕事に戻る前に片づけておくべきことがまだ残っている。
窓の外では、タラリス国境兵站補給拠点の明かりが変わらず灯っていた。
船は行き交い、補給拠点の活動は続いている。
そしてASTRAEON VELORIAは、その責務の一つを果たし終えていた。
私は最後にもう一度、施設を見つめた。
八百四十万GC。
関わっていない人にとっては、ただの数字に見えるかもしれない契約。
けれど今の私には、その数字が何を意味するのか分かる。
貨物を受け取ってから、最終的に所有者へ引き渡すまで、守り続けなければならない責任が込められているのだ。
紬は救助活動によって航行が遅れたとしても、契約金額を変更しなかった。
ランは事務上の案件を混同しなかった。
カリスタは、すべての貨物が要求された状態にあることを確認した。
そしてセラフィエルは、その進捗を一つ残らず正確に記録した。
私は微笑んだ。
彼らは帝国艦隊の一員ではない。
自分たちの支配領域を持つ集団でもない。
それでも、彼らには決して軽視できないものがある。
自分たちが引き受けたい仕事を自分たちで選び、その決定に責任を持つ力だ。
そして今、契約が完了したことで、ASTRAEON VELORIAは未解決の義務を残すことなく、ようやく次の航行について検討できるようになったのだった。
【次話予告・第177話】
「皇室からの迎え」
セラフィナの身元が確認され、ASTRAEONの現在位置も判明したことで、ヴェルドラコン帝国の通信網は彼女を迎えに行くための調整を開始する。セラフィナには帰還に関する複数の選択肢が提示される一方、ランはASTRAEONが新たな護衛契約を引き受けたと、いかなる勢力にも誤解されないよう確認を進める。やがてヴェスペラが提示された航路の安全性を評価し、セラフィナは次の行動を決断しなければならなくなる。




