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ASTRAEON VELORIA――銀河を旅する自由傭兵――  作者: Ren Hazumi


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【第174話】「皇女からの正式な礼」

【第174話】「皇女からの正式な礼」



場所: ASTRAEON VELORIA — オブザーバトリー → 艦内交通路 → セキュア通信室 → エウフォリア医療研究所


航行状況: タラリス外縁通過回廊を航行中。タラリス国境兵站補給拠点へ向かっている。


視点: セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン → モード・ラン・ヴァレス → 星崎紬 → セレネ・アルカディア(通信による参加)


◇◆◇


### 視点:セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン


帝国皇女として手紙を書くことと、自分がまだ生きていると家族に伝えたい一人の人間として手紙を書くこと。


その二つには、大きな違いがある。


ASTRAEON VELORIAのオブザーバトリーに座って初めて、私はその二つを一つの文章にまとめることが、どれほど難しいのかを思い知った。


目の前の携帯端末には、まだ送信していないメッセージの草稿が表示されている。


私は冒頭の段落を、すでに三回読み返していた。


隣に座っているミレルも、どうやらそれに気づいたらしい。


「殿下、何か不都合な箇所がございますか?」


「不都合というわけではないわ。むしろ、あまりにも適切すぎるのよ」


「と、おっしゃいますと?」


私は端末の画面を彼女のほうへ向けた。


「読んでみて」


ミレルは表示された文章を注意深く追っていく。


「発信者の身元、安否の確認、ASTRAEAについての簡潔な報告、そして正式な通信経路の開設要請……私には、特に問題はないように思えます」


「それが問題なの」


私は背もたれに身体を預けた。


「この手紙は、帝国皇族の一人が生存していることを説明している。でも、私自身が生きているということを伝えている気がしないのよ」


ミレルは黙った。


私は再び冒頭の文章へ目を向ける。


私、セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコンは、ここに自身の安全を正式に確認し……


すべて正しい。


けれど、ASTRAEAが攻撃されたと知った父が、このメッセージを読むところを想像してみた。


もし立場が逆だったら、私が最初に聞きたいのは、本当に事務的な報告なのだろうか。


「ミレル」


「はい、殿下?」


「このメッセージが届いたとき、父が最初に知りたいと思うのは何だと思う?」


彼女はすぐには答えなかった。


「殿下がご無事であることです」


「そうね」


「そして、安全な場所にいらっしゃることです」


「そのとおりだわ」


「でしたら、まずその二つを書いてから、帝国の各部署に必要な詳細を説明してはいかがでしょうか」


私は彼女へ顔を向けた。


「……そのほうがずっといいわね」


ミレルが微笑んだ。


「お役に立てて光栄です」


私はいくつかの文章を削除し、冒頭部分を組み直し始めた。


父上、私はまだ生きています。


指が止まった。


正式な通信経路に載せるには、あまりにも個人的な文章だ。


けれど、消したくはなかった。


結局、その一文は正式な声明に続けて添付する、個人的なメッセージのほうへ移すことにした。


「これなら、いいわね」


「両方を送るのですか?」


「ええ。正式な通信経路に送るメッセージと、父に宛てた個人的なメッセージ。でも、どちらもASTRAEONの安全確認を受ける必要があるわ」


ミレルが頷いた。


「Tsumugi様から許可はいただいているのですか?」


その呼び方を聞いて、私は微笑んだ。


昼食のあとから、ミレルは非公式な会話では紬の名前を使おうとし始めていた。もっとも、軍務上の習慣が身についているため、仕事の話題になると、まだ艦長という呼び方に戻ってしまうこともある。


「認証済みの通信経路なら使っていいと言ってくれたわ。事務上の確認はランが手伝ってくれるそうよ」


「でしたら、あまり皆さんをお待たせしないほうがよさそうですね」


私は再び端末を見つめた。


「ミレル」


「はい?」


「ずっと私のそばにいてくれて、ありがとう」


彼女は驚いたようだった。


「殿下?」


「救助されてから、まだきちんと言えていなかった気がするの」


「私は、自分の務めを果たしているだけです」


「あなたはいつもそう言うわね」


私は小さく首を振った。


「任務を果たすことと、私を一人にしないでいてくれることは、決して矛盾しないわ」


ミレルは俯いた。


しばらく、何も言わなかった。


それから、少し柔らかい声で答えた。


「でしたら、私も、セラフィナ様が今ここにいらっしゃることを嬉しく思います」


私は微笑んだ。


「ほら。手紙の形式について話すより、ずっといいわね」


◇◆◇


セキュア通信室は、乗客用施設の別の区画に設けられている。


セラフィエルが、そこまで移動するための艦内交通車両を用意してくれていた。


オブザーバトリーを出るとき、私は一度後ろを振り返った。


紬はまだ窓の近くにいて、ヴェスペラと航行状況について通信で話していた。


私たちが出発しようとしていることに気づくと、彼は手を上げた。


「準備はできた?」


「もう少しよ。いくつかの部分をランにも確認してもらいたいの」


「分かった。こっちの航法に関する用件が片づいたら、俺も向かうよ」


「ありがとう、紬」


「急がなくていい。大事なのは、正確なメッセージにすることだからな」


私は頷いた。


ミレルと一緒に、交通結節点へ向かう。


今度は、出発レーンで待機していた自動運転の乗客用車両を利用した。紬のYangwang U8はそこにはない。あの車は、独自の利用設定と駐車場所に従って管理されている。


乗客端末が私たちの認証を確認すると、車両の扉が開いた。


「セキュア通信室」


私が目的地を告げる。


『目的地を受け付けました』


システムが応答した。


車両が動き始める。


移動中、私はもう一度メッセージの草稿を確認した。


大きな変更はない。


ただ、少し長すぎると感じた文章がいくつかあった。


そのうちの一つを削除する。


ミレルが私の端末をちらりと見た。


「まだ編集なさっているのですか?」


「少しだけね」


「到着するまで、ずっと編集を続けていそうですね」


「おそらくね」


「でしたら、文章を全部消してしまわないよう、私が見張っておきます」


私は笑った。


自分のことをよく知っている補佐官がいるというのも、なかなか厄介なものらしい。


◇◆◇


セキュア通信室は、ASTRAEAの軍用通信センターとは違っていた。


少なくとも、私たちに開放されている範囲はそうだ。


室内には複数の座席があり、アクセス権限の異なる通信端末と、書類を共同で確認するための設備が設けられている。指揮デッキへ立ち入ることなく、艦の居住者が重要な通信を取り扱えるように設計されているようだった。


到着すると、すでにセラフィエルがいた。


彼女は端末の一つの隣に、実体のある身体で立っていた。


「ようこそ、セラフィナ、ミレル」


「準備してくれてありがとう」


「どういたしまして。ランもこちらへ向かっています。メッセージの経路は、艦の主要運用ネットワークからすでに分離してあります」


ミレルが頷いた。


「ASTRAEAの個人用通信機器は、こちらへ提出する必要があるのでしょうか?」


「メッセージの作成だけなら必要ありません。ただし、外部への送信には指定済みのセキュア端末を使用します。ASTRAEA由来の機器については、既存の検査および接続制限に引き続き従っていただきます」


「承知しました」


私は端末の前に座った。


「セラフィエル、一つ聞いてもいい?」


「どうぞ」


「このメッセージは、すぐ父に届くのかしら?」


彼女は、私を安心させるためだけに都合のよい答えを返すことはしなかった。


「利用可能な権限に従い、認証確認を通過した通信経路から送信することは可能です。ただし、帝国の通信網が受信した時点で、エドリック皇帝陛下ご本人が同時に受け取り、あるいは読まれると保証することはできません」


私はゆっくり頷いた。


「つまり、通信網が受信したことと、父が直接受け取ったことは、別々に考えなければならないのね」


「そのとおりです」


「分かったわ。あとで確認通知を受け取っても、誤解しないようにしたいから」


セラフィエルが微笑んだ。


「賢明な判断です」


私は草稿を再び開いた。


あとは、自分の言葉が、助けてくれた人たちに新たな問題を引き起こさないよう、確かめるだけだった。


◇◆◇


### 視点:モード・ラン・ヴァレス


私がセキュア通信室に入ったとき、セラフィナはミレルと一つの文章について議論していた。


「私は『保護』という言葉のほうが、『護衛』よりも適切だと言っているだけです」


ミレルがそう言った。


「分かっているわ。でも、帝国の各部署が、それを正式な護衛任務の要請だと解釈したらどうするの?」


「だからこそ、現在の身分を説明する必要があるのです」


私は背後の扉を閉めた。


「ちょうどよいところへ来たようね」


二人がこちらを向いた。


「ラン!」


私は端末へ近づいた。


「どの部分を確認していたの?」


セラフィナが草稿を見せてくれた。


私は二人が議論していた文章を読んだ。


現在、私は帝国側が迎えを手配できるようになるまで、独立艦ASTRAEON VELORIAの護衛を受けている。


「なるほど」


私は一つの言葉を指さした。


「ここは、確かに変更したほうがいいわね」


ミレルがこちらを向く。


「『護衛』ですか?」


「そうよ。この文書では、その言葉によって、ASTRAEONがすでに帝国のために護衛任務を引き受けたような印象を与える可能性があるわ。でも、私たちが合意しているのは、そういう内容ではないでしょう?」


セラフィナがすぐに頷いた。


「私も、それを心配していたの」


私は彼女の隣に座った。


「なら、もっと正確な説明にしてみましょう」


新しい文案を入力する。


現在、私は、ASTRAEON VELORIAとの間で合意された安全確保および宿泊の取り決めに基づき、独立艦ASTRAEON VELORIAの一時保護下にある乗客として滞在している。


セラフィナは、その文章を読んだ。


「こちらのほうが明確ね」


「この艦が帝国軍の構成部隊になったわけではない、という説明も加える必要があるわ」


ミレルが頷いた。


「それから、ASTRAEONの乗員が殿下の指揮下に入ったわけではないことも」


「そのとおり」


私はセラフィナを向いた。


「一つ確認させて。今回のメッセージで、帝国側から紬へ直接命令を出すよう求めるつもりはある?」


「いいえ」


「よかった。そうであれば、新たな任務の要請と解釈される可能性がある文章を入れる必要はないわね」


セラフィナが背もたれに身体を預けた。


「紬がこうしたことを、いつもあなたに任せる理由が少し分かってきたわ」


「彼は、どの仕事をほかの人に任せたほうがいいのか判断するだけの賢さがあるのよ」


「それに、あなたに逆らわないだけの賢さも?」


「その点については、まだ訓練が必要ね」


ミレルが小さく笑った。


私は確認を続けた。


◇◆◇


セラフィナの草稿そのものは、すでによくできていた。


彼女は、自分が生存していること、身元が確認されていること、そして現在はミレルや救助されたASTRAEAのほかの人員とともにASTRAEONにいることを説明していた。


また、所在を確認できていない人員の安否について、勝手に結論づけようともしていない。


そこは重要だ。


生存者についての説明が、ASTRAEAの人員全員を発見したという報告に変わってはならない。


私はいくつかの用語を修正し、情報を確認しやすい項目に分けた。


【正式通信草稿 — セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン】


発信者:セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン


安全確認:発信者は生存しており、安全な状態にある


現在の身分:ASTRAEON VELORIAの一時保護下にある乗客


ASTRAEAの状況:艦は重大な損傷を受け、主機二基は運転不能


生存者への対応:避難に成功した人員は、それぞれの必要性に応じて検査および治療を受けている


救助艦の立場:独立艦であり、帝国軍の指揮系統には属さない


通信要請:認証可能な正式通信経路を通じた連絡および調整の開始


適用範囲:護衛契約、軍事任務、または新たな外交上の義務を成立させるものではない


セラフィナが内容を読んだ。


「感謝の言葉も加えたいわ」


「もちろん」


「ASTRAEONが私たちを救助してくれた、と書いてもいい?」


「事実として記載できるわ。ただし、『この功績により、ASTRAEONは帝国の保護下に入る』というような、正式な決定や同意がない文章へ変わってしまうことは避ける必要があるわね」


彼女が眉を寄せた。


「そんなことを書くつもりは、まったくなかったのだけれど」


「それならよかった。でも、この種の問題は、発信者に悪意があるから起こるとは限らないのよ。受信した側が、異なる解釈をすることで発生する場合もあるわ」


ミレルが頷いた。


「特に複数の部署へ転送される場合は、なおさらですね」


「そのとおり」


私は、次の一段落を追加した。


私は、救助および提供された支援に対し、星崎紬氏ならびにASTRAEON VELORIAの乗員一同へ、敬意と感謝の意を表する。この表明は、受けた支援に対する謝意を示すものであり、現行の合意内容を超える新たな義務を成立させることを意図するものではない。


セラフィナが微笑んだ。


「いいわね」


「個人的な感謝は、直接伝えることもできるわ。こちらの正式な文章は、記録上の問題が起きないようにするためのものよ」


「そのつもりよ」


私は彼女をちらりと見た。


「もう何度か、みんなにお礼を言っているでしょう?」


「まだ、きちんと伝えられていないわ」


私は小さく微笑んだ。


「そう。それなら、止めるつもりはないわ」


◇◆◇


まだ確認する部分が一つ残っていた。


エドリック皇帝宛ての個人的な添付メッセージだ。


私は、セラフィナらしい言葉遣いを必要以上に変えないように注意しながら、その内容を読んだ。


父上、私はまだ生きています。


ASTRAEAは攻撃を受けましたが、私とミレルは救助されました。今はASTRAEON VELORIAという独立艦にいます。ここにいる人たちは私たちを助け、支援を必要としている人たちの世話もしてくれています。


事件の最中に離れ離れになった人員全員の状況については、まだ確認できていません。確認が取れた情報については、正式な通信経路を通じて報告します。


今回の攻撃について、父上が心配しているかもしれないことは分かっています。すぐに連絡できず、ごめんなさい。今の私は、安全な場所にいます。


私は読むのを止めた。


この部分に修正は必要ない。


「これで十分だと思うわ」


セラフィナが私を見た。


「個人的すぎないかしら?」


「お父様に宛てた個人的なメッセージなのだから、問題ないわ。タラリスへの契約報告書ではないのよ」


「確かに、そうね」


「ただし、送信するときは発信者の身元と紐づけた添付ファイルとして、認証済みの通信経路を通すことになるわ」


「もちろん」


私は端末を彼女に返した。


「あとは、外部通信経路を使用するための紬の承認があればいいわね」


セラフィナが頷いた。


「彼を待つことにするわ」


◇◆◇


### 視点:星崎紬


数分後、俺はセキュア通信室へ到着した。


その前に、ヴェスペラから航法更新について必要な説明を受けていた。目的地に変更はない。ASTRAEONは、承認済みの経路を通ってタラリス国境兵站補給拠点へ向かい続けている。


緊急の判断が必要な事項が残っていないことを確認し、ようやくセラフィナの用件に意識を向ける時間ができた。


扉が開くと、三人が同じ端末を見つめていた。


「来たよ。どうなった?」


ランがこちらを向いた。


「草稿は完成したわ。今はあなたの承認を待っているところよ」


「問題になりそうな箇所はある?」


「すでに修正したわ。軍事的な護衛の要請も、外交上の任務の委託も、艦の身分変更も含まれていないわよ」


俺は席に着いた。


「よし。見せてくれ」


セラフィナが書類の画面を、俺の前にある端末へ移した。


最初から最後まで目を通す。


内容は十分に明確だった。


彼女は無事である。


ASTRAEAは重大な損傷を受けた。


救助された生存者たちは、それぞれ必要な対応を受けている。


そして彼女自身は、ASTRAEONの一時保護下にある。


俺たちがヴェルドラコン帝国の正式な護衛艦になった、という文章はどこにもない。


タラリスとの契約を無視して、セラフィナを帝国の首都へ直行させろという要求もない。


よし。


非常によくできている。


俺は顔を上げた。


「俺としては、これで問題ないと思う」


セラフィナの表情が少し和らいだ。


「ありがとう、紬」


「ただ、送信を許可する前に、一つだけ確認しておきたい」


彼女はすぐに姿勢を正した。


「どうぞ」


「俺は、君を助けた見返りとして、政治的な保護を求めているわけじゃない」


セラフィナは一瞬、黙った。


俺は、その言葉が彼女の感謝を拒絶するように聞こえないよう、続けた。


「君の家族が感謝の意を伝えてくれるなら、もちろん侮辱だとは思わないよ。でも、セラフィナを助けたあとで特別な保護を受けたんだから、ASTRAEONは帝国の政治的判断に従うべきだ、なんて誰かに言われるのは避けたいんだ」


「分かっているわ」


「逆も同じだ。俺も、今の君の立場を利用して、本来なら別の契約が必要な地位や特権、アクセス権を要求するつもりはない」


セラフィナが頷いた。


「私も賛成よ」


ランが付け加えた。


「だからこそ、今後の追加支援に関する事項も、それぞれ適切な手続きと承認を通じて協議することになるわ」


「そのとおり」


俺はセラフィナを見た。


「父親には、俺たちが君を助けたことを伝えて構わない。それは実際にあったことだからね。ただ、良好な関係が、俺たちの合意していない義務に変わるのは避けたいんだ」


彼女が微笑んだ。


「紬、あなたが私をここに滞在させてくれたからといって、私の部下になったなんて書くつもりはないわ」


「よかった。そんなことを説明する羽目になったら、ランに何を言えばいいのか分からないからな」


ランが眉を上げた。


「あなたなら、関係する書類をすべて私に渡して説明すればいいのよ」


「ほらな?」


ミレルが小さく笑った。


セラフィナも微笑む。


「それでは、送信してもいいかしら?」


俺は頷いた。


「セラフィエル。認証済みの経路を通じて送信してくれ。ネットワークの分離を維持して、送信記録と受信確認も保存しておいてほしい」


「了解しました、紬」


◇◆◇


セラフィエルは書類をセキュア通信端末へ移した。


確認パネルが表示される。


【セキュア外部通信】


発信者:セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン


メッセージ種別:安否確認および正式な調整要請


添付ファイル:エドリック・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン皇帝宛ての個人的なメッセージ


通信経路:認証検査を通過した帝国通信網


アクセス管理:ASTRAEONの運用中枢ネットワークから分離


送信権限:承認済み


セラフィナは内容をすべて読み返した。


それから、本人確認パネルへ手を置く。


「私、セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコンは、このメッセージの送信を承認します」


システムが彼女の認証を受け付けた。


送信インジケーターが点灯する。


劇的な音は鳴らなかった。


艦内全域に響くようなアナウンスもない。


準備された認証済みの通信経路を通じて、一つのメッセージがセキュア端末から外部へ送られただけだった。


セラフィナは画面を見つめた。


「……もう送信されたの?」


セラフィエルが慎重に答える。


「メッセージパケットは宛先の通信網へ引き渡され、初期受信の記録が確認されました。ただし、それはエドリック皇帝陛下ご本人が添付ファイルを読まれたという確認ではありません」


「分かったわ」


セラフィナは長く息を吐いた。


ミレルが彼女の肩の近くに手を添える。


「少なくとも、殿下がご無事であることは、正式に伝わりましたね」


「ええ」


俺は二人の様子を見守った。


ASTRAEAで起きたことを考えれば、たった一通のメッセージを送ることが、彼女たちにとってどれほど大きな意味を持つのか、俺には想像しきれない。


だから、この瞬間に契約や予定の話を持ち出して、邪魔をするつもりはなかった。


俺は黙って待った。


しばらくして、セラフィナがこちらを振り向いた。


「紬」


「ん?」


「ありがとう」


「さっきも言ってたぞ」


「分かっているわ。でも、もう一度言いたかったの」


俺は微笑んだ。


「それなら、どういたしまして」


◇◆◇


そのとき、セラフィエルの端末に別の通知が表示された。


今度は帝国通信網からのものではない。


「紬、セレネから医療関連の更新が届いています」


俺は顔を向けた。


「ああ。患者たちの様子は?」


「最新の監視データを確認し、引き続き監視が必要なASTRAEAの人員に対する処置を検討するため、通信による診療協議を希望しています」


俺は頷いた。


「適切な医療チャンネルで接続してくれ。セラフィナとミレルは、二人に関係する一般的な内容なら一緒に聞いてもらって構わない。個々の患者情報については、アクセス制限と医療上の同意に従ってくれ」


「もちろんです」


セラフィナがすぐに姿勢を正した。


「セレネさん? 以前あなたが話していたお医者様かしら?」


「ああ。以前ASTRAEONで医療検査を受けていて、遠隔通信を通じて俺たちを支援してくれた人だよ」


「それなら、私もお礼を伝えたいわ」


「患者の状態についての話が終わったあとにしよう」


「分かったわ」


俺は立ち上がった。


「エウフォリアの相談室へ移動しよう。関係のない資料でこの通信端末を埋めるより、医療施設で医療の話をしたほうがいい」


ランが頷いた。


「メッセージ送信の記録がすべて保存されたことを確認したら、私は管理業務へ戻るわ」


「ありがとう、ラン」


「どういたしまして。それから、紬?」


俺は扉の前で足を止めた。


「何だ?」


「あとで書類を確認する予定を忘れないでちょうだい」


「……ようやく一つ仕事が終わったところなのに、少しくらい余韻を楽しませてくれよ」


「次の予定を覚えたまま、その余韻を楽しめばいいでしょう?」


セラフィナが笑った。


俺はセラフィエルを見た。


「どうしてランは、いつもそんな言い方ができるんだ?」


「それだけ、あなたのことをよく知っているからですよ、紬」


反論に使える言葉は、思いつかなかった。


◇◆◇


### 視点:セレネ・アルカディア


遠隔医療通信による参加


エウフォリア医療研究所との通信が開くと、相談用テーブルの片側に紬が座っているのが見えた。


セラフィエルはメイン端末の近くに座り、そのほかに二人の女性が、医療関係者以外の参加者用に用意された席にいた。


そのうちの一人は、すでに確認済みの身元情報で把握していた人物だった。


セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン。


セキュア通信が確立されたことを確認してから、私は彼女たちへ挨拶した。


「こんにちは、皆さん。紬くん、ちゃんと食事はした?」


彼は黙り込んだ。


「……セレネさん、どうして最初の質問がいつもそれなんですか?」


「あなたの習慣を知っているからよ」


セラフィエルが微笑んだ。


「彼は昼食を済ませていますよ、セレネ」


「それならよかった。では、すぐに始めましょう」


紬がため息をついた。


「船に乗っていない医者にまで監視されるとはな……」


私は小さく笑った。


「気にかけてくれる医療スタッフがいることを、利点だと思っておけばいいわ」


セラフィナも微笑んだ。


それから、少し頭を下げる。


「セレネさん、ASTRAEAの人員を支援してくださり、ありがとうございます」


「あなたがセラフィナ様ね?」


「ええ。でも、こういう会話のときは、セラフィナと呼んでいただいて構わないわ」


「分かったわ、セラフィナ。ようやく直接お話しできて嬉しいわ」


「私もよ」


私は監視記録を開いた。


「詳細に入る前に、今からお伝えする内容は全体的な状況の概要だということを、皆さんに確認しておきたいの。個々の患者に関する情報は、治療上の必要性と適用される権限に応じて制限されるわ」


ミレルが頷いた。


「承知しました、医師殿」


紬も頷く。


「お願いします」


◇◆◇


エウフォリアのデータは、承認済みの医療通信経路を通じて送られていた。


私は避難直後に行われた初期検査の記録と比較する。


以前、集中観察を必要としていた患者たちは、現在もそれぞれの状態に応じた監視を受けている。


数時間の間に容態が改善したからといって、その人物が完全に回復したと判断する理由にはならない。


私は経過観察の概要を表示した。


【エウフォリア医療研究所 — ASTRAEA生存者の経過観察】


引き続き観察が必要な患者:医療評価の結果に基づき、監視を継続する。


負傷状態が安定している患者:定期検査および活動内容の調整を行う。


避難後に強い疲労を示した患者:休息と回復状況の監視を行い、活動再開前に評価する。


治療区域からの退出を許可された人員:個別の医療指示に引き続き従う。


追加検査が必要な患者:臨床上の優先順位に応じて、エウフォリアの医療チームが日程を設定する。


私は紬を見た。


「全体として、初期対応は良好に進んでいるわ。ただし、強調しておきたいことがあるの。ASTRAEAが格納庫へ移されたからといって、生存者たちの医療上の問題がすべて解決したわけではないわ」


「分かってる」


「まだ時間が必要な患者もいる。乗客の管理日程に合わせるためだけに、彼らの移動を急がせないでちょうだい」


制限付き通信チャンネルに残っていたランが答えた。


『宿泊施設の調整は、医療上の許可に従って行うわ』


「ありがとう、ラン」


セラフィナが少し手を上げた。


「セレネ、私に何か手伝えることはあるかしら?」


私は彼女を見た。


「今のところ、医療チームの仕事を引き受けようとしないことね」


彼女が瞬きをした。


紬は、どうやら笑いをこらえるように俯いていた。


私は続けた。


「でも、あなたにできることもあるわ。ASTRAEAの人員は、あなたのことを知っているでしょう。艦の状態や自分たちの今後について不安に感じている人がいたら、患者の休息を妨げない範囲で、あなたが顔を見せてあげることが助けになるかもしれない」


セラフィナが頷いた。


「それなら、できるわ」


「ただし、全員がすぐに帰れると約束してはいけないわ。引き渡しの手順も、すべての患者の状態も、まだ確定していないから」


「分かったわ」


「それから、一度に全員を訪問しようとしないこと。あなた自身も、つい先ほどまで大変な状況を経験したばかりなのだから」


セラフィナは少し黙った。


「……分かった」


私は微笑んだ。


「よろしい。それが聞きたかったの」


◇◆◇


主な診察内容を終えたあと、私はセラフィナの服装に目を向けた。


彼女が着ているカジュアルドレスには、どこか見覚えがあった。


以前ASTRAEONで医療検査を受けたとき、似た品質と仕立ての服を見たことがある。


「ところでセラフィナ、その服、とても似合っているわね」


彼女は自分のドレスを見下ろした。


「ありがとう。艦の施設から支給されたものなの」


「そうだと思ったわ」


「あなたも、ここの服をもらったことがあるのでしょう?」


私は小さく笑った。


「ええ。ASTRAEONで検査や治療を受けていた間、思っていたよりずっと着心地のいい服を用意してくれたの。一部は検査が終わったあとも持ち帰ったわ」


セラフィナがすぐに私を見た。


「やっぱりそうなのね! ランから少し聞いていたわ」


「私も、全部返却しなければならないのか、一度尋ねたことがあるのよ」


「私もよ!」


私たちは顔を見合わせた。


そして笑った。


紬が両手を上げた。


「どうしてみんな、服をもらうことをそんなに怪しいと思うんだ?」


私は彼を向いた。


「普通の普段着と呼ぶには、品質があまりにも高すぎるからよ、紬くん」


「着心地がいいなら、着ればいいだろ?」


「それもランが言っていたわ」とセラフィナが答えた。


私は微笑んだ。


「ほら。これで、私がどうしてこの艦の医療施設を気に入っているのか、少し分かったでしょう?」


「服が理由なの?」と紬。


「治療の質がいいからよ。服は追加の利点にすぎないわ」


セラフィエルが小さく笑った。


「セレネが施設に満足してくれているなら、私も嬉しいです」


「褒めたからといって、紬くんの検査日程を減らす理由にしないでね」


「もちろんです」


私は、二人を見て諦めたような表情をしている紬に気づいた。


「……俺、今は患者じゃないんですけど」


「予防は治療に勝るのよ、紬くん」


「分かりました、先生」


◇◆◇


医療通信は、すべての経過観察指示が保存され、権限を持つエウフォリアの担当者とシステムへ転送されたあとに終了した。


接続を閉じる前に、私はセラフィナがもう一度頭を下げるのを見た。


「セレネ、ありがとう」


「どういたしまして。あなたも身体に気をつけてね」


「ええ」


「それから、紬くん?」


彼が画面を見た。


「はい?」


「夕食を抜かないこと」


「……皆さん、俺を監視するために結託してません?」


私は微笑んだ。


「それじゃあ、またね」


通信が終了した。


◇◆◇


### 視点:セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン


セレネとの通信が終わったあと、私はエウフォリアの相談室にもう少し残ってもよいか、許可を求めた。


紬は構わないと言ってくれた。


ミレルは、医療上の退出許可を得たASTRAEAの人員について、面会の設定を確認していた。


セラフィエルは、その予定が患者の休息時間と重ならないよう調整を手伝っている。


私は彼女たちを眺めた。


皆、それぞれに自分の仕事がある。


私からの命令を待っている人は、一人もいない。


だからこそ、各自の仕事へ戻る前に、どうしても伝えておきたいことがあった。


「紬」


彼がこちらを向いた。


「ん?」


「少し時間をもらってもいい?」


「もちろん」


私は立ち上がった。


ミレルも一緒に動こうとしたが、私は手で合図を送り、彼女には座ったままでいるよう伝えた。


「今から帝国の正式な声明を伝えるつもりはないの」と私は言った。


紬が眉を上げた。


「お?」


「それは、さっき正しい通信経路から送ったから」


「そうだな」


私は息を吸った。


「これは、私個人からの言葉よ」


私は紬とセラフィエルを交互に見た。


「私たちを救ってくれて、ありがとう。ASTRAEAを危険な状況から連れ出してくれただけでなく、救助された人たちを、早く追い払わなければならない負担のように扱うことなく受け入れてくれたことにも感謝しているわ」


紬は口を挟まなかった。


「あなたたちには、終わらせなければならない契約があることも分かっている。私たちがいるせいで、あなたたちの旅が複雑になっていることも。でも、それでも宿泊場所や食事、治療、そして家族に連絡する機会まで用意してくれた」


私は小さく微笑んだ。


「それに、私が食卓に座って、レアの恥ずかしい話を聞くことまで許してくれたわ」


紬が笑った。


「最後の件は、これからもずっと話題になりそうだけどな」


「その可能性は高いわね」


私は再び彼を見つめた。


「権限もないのに、家族の名で大きな報酬を約束するつもりはないし、必要な協議をせずに何かを決めるつもりもないわ。それに、私を助けたからといって、あなたに宮廷へ従うよう求めることもしない」


セラフィエルが優しく微笑んだ。


私は続けた。


「でも、セラフィナ個人として、あなたたちに本当に感謝しているということは、知っておいてほしいの」


しばらく、室内は静かになった。


それから紬が立ち上がった。


「どういたしまして、セラフィナ」


その答えは簡潔だった。


けれど、今回はそれ以上に立派な言葉を聞きたいとは思わなかった。


「俺たちは、あのとき君たちが助けを必要としていたから、救助したんだ」と彼は続けた。「そのあとも、次の段階がはっきりするまで、みんなが安全に過ごせるようにしているだけだよ」


「分かっているわ」


「だから、今は旅を楽しんでくれればいい。グランド・ライブラリーに行きたくなったら行けばいいし、オブザーバトリーでも、また俺たちと食事をしてもいい」


私は小さく笑った。


「あなた、私が休暇に来ているみたいに何度も言うのね」


「ASTRAEAの状況を忘れろとは言ってないよ。でも、こういうときに楽しいことを一つや二つ楽しんだって、別に悪くないだろ?」


私は頷いた。


「そうね。努力してみるわ」


セラフィエルがこちらを向いた。


「それでは、医療関係の面会予定が終わったあと、利用可能な乗客向けの活動を紹介しましょうか?」


私は彼女を見た。


「もう用意してあるの?」


「いくつか候補があります」


紬がすぐに微笑んだ。


「気をつけたほうがいいぞ。読書が好きだなんて言ったら、セラフィエルにグランド・ライブラリーへ案内されて、夕食まで戻ってこられないかもしれないからな」


「紬、必要であれば、もっと短い時間で見学できるように調整できますよ」


「分かってる。でも、セラフィナのほうが、もっと時間が欲しいって言い出しそうだ」


私は顔を背けた。


ミレルが小さく笑った。


「その可能性は、かなり高いと思います、殿下」


「あなたたち、私のことを理解するのが早すぎるわ」


紬が笑った。


私も一緒に笑った。


◇◆◇


16時21分。


セキュア通信端末に、新しい通知が届いた。


セラフィエルが、最初に通知を受け取った。


笑顔は消えなかったものの、すぐにメッセージの送信元を確認することへ意識を切り替えた。


「紬、帝国の通信網から初期返信が届きました」


私は背筋を伸ばした。


「もう?」


「認証済みの経路を通じて、メッセージの受信が確認されました。保安上の通知も添えられています」


紬が頷いた。


「セラフィナが確認できる範囲を表示してくれ」


私たちの前に、パネルが現れた。


【ヴェルドラコン帝国通信網】


【初期返信 — 保安状況】


セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコンの安否メッセージ:正式通信網による受信を確認


発信者の身元認証:通信経路の認証手続きに従い受理


迎えの調整:未確定


保安上の通知:正式な迎えを実施するための通信経路および手段について、安全性はまだ保証されていない


暫定指示:認証済みの通信経路を維持すること。未認証の送信元から届いたメッセージや集合地点の変更を、正式な指示として扱わないこと。


私は最後の一行を二度読み返した。


ミレルが私の隣に立っていた。


「殿下……」


「読んだわ」


私はセラフィエルを見た。


「これで父が私のメッセージを読んだと考えていいの?」


「まだ、その確認は取れていません。現時点で確認できるのは、正式な通信網がメッセージを受信し、初期の保安通知を返してきたということです」


私はゆっくり頷いた。


「分かったわ」


紬がパネルを見つめていた。


「迎えの船も、集合地点も、時間も、まだ決まってないんだな?」


「そのとおりです」とセラフィエルが答えた。


「なら、このメッセージを根拠に航路を変更するなよ」


「了解しました」


私は紬を見た。


「ごめんなさい。どうやら、私の事情で、まだあなたたちを待たせることになりそうね」


彼は首を横に振った。


「謝らなくていいよ。安全性と認証を確認できるまでは、引き渡しを実施するつもりもなかったんだから」


「でも、正式な通信経路でさえ、安全だと保証できないなんて……」


「だから、急いじゃいけないんだよ」


同じ通知を受け取っていたランが、こちらへ連絡してきた。


『紬。現行の取り決めに従い、セラフィナとミレルの一時乗客資格を維持するわ。この通知を理由に新しい護衛契約を結んだり、C-145-MCの目的地を変更したりする根拠はないから』


「同意する」


『この通知は、タラリスとの契約書類とは分けて保存するわ。調整に関する記録として管理しておく』


「ありがとう、ラン」


通信が終了した。


私はもう一度、その通知を見つめた。


まだ安全ではない。


迎えも決まっていない。


家族といつ再会できるのかも、確かなことは分からない。


けれど今回は、攻撃の中で移動能力を失ったASTRAEAの内部に取り残されているわけではなかった。


私はまだ航行を続けている艦にいる。


そして、私の安全を理由に軽率な判断をすることはないと、すでに証明してくれた人たちがそばにいる。


「セラフィナ」


紬が呼んだ。


私は振り向いた。


「何?」


「俺たちは予定どおりタラリスへ向かう。そのあと、通信の続報を見て考えよう」


私は頷いた。


「分かったわ、紬」


彼が微笑んだ。


「それと、まだグランド・ライブラリーへ行きたいなら、保安通知を受け取ったからって予定を取りやめる必要はないぞ」


私は彼を見つめた。


それから、小さく笑った。


「あなたは本当に、私にこの旅を楽しんでほしいのね」


「もちろん。乗客全員が一日中問題のことばかり考えていたら、艦にある休息用の施設が無駄になっちゃうからな」


セラフィエルが微笑んだ。


「医療と事務の予定が終わったあとであれば、見学経路を用意できますよ」


「それなら、図書館を見てみたいわ」と私は答えた。


「いい選択です」


私はエウフォリアの廊下の窓から、星々を眺めた。


ASTRAEON VELORIAは、外の宇宙を進み続けている。


私を迎えに来るための経路は、まだ安全だと確認されていない。


それでも、少なくとも今は、次にどこへ向かうのかが分かっている。


グランド・ライブラリーへ。


自分の名前を呼んでくれる人たちと一緒に。


◇◆◇


【次話予告・第175話】


「タラリス境界物流拠点」


ASTRAEON VELORIAは、契約C-145-MCの目的地であるタラリス国境兵站補給拠点へ接近する。強化された保安検査が艦の到着を待ち受ける一方、セラフィナは、帝国側による安全性を確認できる迎えの予定が立たないまま、一時保護下での滞在を続けることになる。


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