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ASTRAEON VELORIA――銀河を旅する自由傭兵――  作者: Ren Hazumi


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【第168話】「同行の条件」

【第168話】「同行の条件」


場所: ASTRAEON VELORIA — 小会議室 → 指揮デッキ → 乗客管理システム

視点: セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン → モード・ラン・ヴァレス → 星崎紬 → セラフィエル・ヴェロリア


### 視点:セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン


私はここ数分間、自分で作成した申請書を何度も読み返していた。


文章が複雑すぎるからではない。


むしろ、読み返せば読み返すほど、この短い文書が、私自身の立場にとってかなり大きな変化を意味しているのだと実感するからだった。


ASTRAEA OF THE SILVER LANTERNにいる間、私はあの艦の航行に関する最高権限を持つ立場にあった。実際の運用上の判断は、それぞれの分野で私よりはるかに経験豊富な士官たちと協力して行っていたけれど、いくつかの事項については、最終承認権が私にあった。


しかし、ASTRAEON VELORIAでは立場が異なる。


私は救助された客人だ。


もちろん、ヴェルドラコン帝国の皇女ではある。けれど、その称号があるからといって、他人の所有する私用艦の行き先を決める権利まで与えられるわけではない。


そのことは、星崎艦長と初めて話したときから理解していた。


ただ、個人的に理解していることと、それを正式な文書に記すことは、また別の話だった。


「殿下、先方の準備が整ったそうです」


ミレル・ソヴァンが扉の近くに立っていた。


数時間前と比べると顔色はずいぶんよくなっていたものの、目元にはまだ疲労の名残が見て取れた。


「具合はどうですか?」


「休ませていただいたおかげで、かなりよくなりました。エウフォリア医療研究所にいる私たちの医療班からも、最新の報告を受け取っています」


「何か重要な変化はありましたか?」


「何名かの生存者は、初期検査を終えて回復段階へ移りました。引き続き監視が必要な方については、ASTRAEAの医療担当者が、この艦の自動医療システムと連携して対応しています。セレネ先生への遠隔相談も、必要に応じて引き続き利用できるそうです」


私は頷いた。


「よかった。早く任務に戻りたいという理由だけで、無理をさせないようにしてください」


ミレルがかすかに微笑んだ。


「そのご命令は、殿下ご自身にも当てはまります」


「……あなた、ずいぶん私に注意するようになりましたね」


「今回の事件が起こる前から、申し上げておりましたが」


反論できなかった。


私たちは、ASTRAEONが用意してくれた小会議室へ向かった。


道中、私は再びこの艦の大きさに驚かされた。人員が慌ただしく行き交う様子はない。ほとんどの仕事は自動システムとドローンによって進められており、私たちが通る廊下も、数時間前にアルケイオンの軍事戦力と対峙した艦の内部というより、豪華客船の施設を思わせた。


会議室の扉が開いた。


すでに星崎艦長が、モード・ラン・ヴァレスとセラフィエル・ヴェロリアを伴って待っていた。


テーブルの端には、内部通信越しにヴェスペラ・ノクス・オーレルの姿も映っている。航法準備を引き続き担当しているため、会議のためだけに持ち場を離れることはしなかったようだ。


「おはようございます、殿下」とランが挨拶した。


「おはようございます。私の申し出を受けていただき、ありがとうございます」


紬が私たちに着席を勧めた。


「構いませんよ。今後の航行について、正式に相談したいとセラフィエルから聞いています」


「はい」


私は携帯端末をテーブルに置いた。


ミレルは私の少し後ろに座ったが、私は隣の席へ移るよう促した。


「あなたはASTRAEAの生存者の対応に直接関わっています。今回の条件を、すべて聞いておいてほしいのです」


「承知しました、殿下」


私は文書を表示した。


緊急保護・同行申請書 申請者: セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン 受理先: ASTRAEON VELORIA所有者兼艦長、星崎紬


私は話し始めた。


「星崎艦長。私個人の名義で、またASTRAEAの航行責任者として与えられた権限の範囲内で、私とミレル、そして安全な移送がまだできない生存者たちに、ASTRAEON VELORIAへの一時滞在を許可していただきたく、正式に申請いたします」


紬は口を挟まず、耳を傾けていた。


「この申請は、安全な移送地点が確保され、検証可能な経路を通じてヴェルドラコン帝国側との正式な通信を回復できるまでを対象とします。私たちが救助を求める以前から、ASTRAEONには遂行中の輸送義務があることも理解しています」


私は少し間を置き、次の言葉が十分明確に伝わるようにした。


「私の護衛艦となるために、その契約を放棄してほしいと求めているわけではありません。また、ASTRAEONの内部システムへのアクセス権や、運用に関するいかなる権限も要求いたしません」


紬がランをちらりと見た。


スペースエルフの彼女は小さく頷き、私の発言が、事前に受け取っていた申請の要点と一致していることを確認するような仕草を見せた。


「ASTRAEAについては?」と紬が尋ねた。


「所有権は、引き続きヴェルドラコン帝国内の正当な権利者にあります。技術的に可能であれば、あの艦も安全に保全していただきたいと思っています。ただし、カリスタが安全だと判断する前に、曳航を求めるつもりはありません」


「分かりました。それは重要な点です」


私は彼を見つめた。


「私にとって大切なものを守るために、ほかの人々の安全を犠牲にしたくはありませんから」


彼はすぐには答えなかった。


そして、先ほどよりもずっと柔らかな声で言った。


「それなら、残りのことを話し合うための、いい土台ができていますね」


### 視点:モード・ラン・ヴァレス


私は、目的が最初から明確に示されている文書が好きだ。


特に、その作成者が、申請と命令、そして法的権限の違いを理解しているなら、なおさらである。


セラフィナの申請書は、それらを十分に区別できていた。


残念ながら、だからといって私の仕事が少なくなるわけではない。


私はテーブルの表示を切り替えた。


「殿下。艦長が承認を出す前に、こちらで提供可能な滞在資格について説明させてください」


「どうぞ、ヴァレスさん」


「適用するのは、緊急事態における一時的な保護対象乗客の資格です。この資格によって、あなたがASTRAEONの乗員や役職者、あるいは艦の共同管理権を持つ当事者になることはありません」


私は、あえて遠回しな表現を使わなかった。


セラフィナが頷いた。


「受け入れます」


「この資格は、救助されたASTRAEAの人員にも適用されます。ただし、個々の健康状態と安全上の必要に応じて、取り扱いは異なります。まだ治療が必要な患者を、客室の割り当てを統一するためだけに移動させることはありません」


ミレルが記録を開いた。


「必要なものは、一人ずつ申請したほうがよろしいでしょうか?」


「すでに検証済みの生存者名簿を基礎資料として使用します。個別の要望を提出していただくことはできますが、最終的な配置は医療上の勧告と、使用が認められた施設の収容能力に合わせる必要があります」


「承知しました」


私は条件の概要を表示した。


| 条件 | 暫定的な取り扱い |

| -------------- | -------------------------------------- |

| セラフィナの資格 | Temporary Protected Passenger |

| ASTRAEA人員の資格 | 状態に応じて緊急避難乗客、または患者 |

| 利用可能区域 | 指定された宿泊施設、一部の共用施設、食堂、および医療区域 |

| 立入制限区域 | 指揮デッキ、管制中枢、運用格納庫、保安施設、および特別許可のない技術システム |

| ASTRAEONの内部データ | 承認なしのアクセス不可 |

| 安全上の取り決め | 艦長および艦内保安システムの指示に従う |

| 追加費用 | 独立して記録し、監査可能な状態にする |

| 私物および装備品 | 各当事者の所有権を維持し、必要に応じて登録する |

| 資格の終了 | 合意および検証を経た安全な移送の完了後 |


私はアクセス権の項目を指さした。


「これは、殿下の身元を疑っているから設ける制限ではありません。ほかのお客様にも、同様の基準を適用しています」


「理解しています」


「また、宿泊施設を利用するすべての方には、同じ保安上の制限を守っていただきます。扉が開きそうに見えたからというだけで、生存者の方が誤って危険な区域へ入ってしまうことは避けたいので」


ミレルが頷いた。


「私たちの人員にも、その条件を伝えるよう協力いたします」


「ありがとうございます。ただし、すべての仕事をあなたに任せるつもりはありません。サービスドローンと案内システムが、各人の配置を支援します」


私は次の項目へ表示を移した。


「費用についてですが、現在進行中の医療処置、食事、宿泊、追加の必要物資、そしてASTRAEAに対する技術作業は、それぞれ独立した記録を作成しなければなりません」


セラフィナが軽く手を上げた。


「私たちの滞在によって発生する妥当な費用については、負担する用意があります」


「そのお申し出は記録します。ただし、まだ検証されていない推定額を根拠に、請求額を決めるつもりはありません。必要物資の棚卸しも、あなたの艦の点検も、まだ完了していませんから」


紬が椅子の背もたれに寄りかかった。


「ラン、乗客の呼吸回数で請求書を作り始めるのだけはやめてくれよ」


私は彼を見た。


「そんな提案、まだ一度もしていないわよ、紬」


「よかった。念のため確認しただけだ」


「空気消費に関する料金規定の調査も、仕事の一覧に加えたほうがいいかしら?」


「いや。今の発言は忘れてくれ」


セラフィナが顔を俯けた。


ミレルも笑いをこらえているのか、肩をわずかに揺らしていた。


私は表情を変えず、書類の説明へ戻った。


「何より重要なのは、ASTRAEA関係者の宿泊費用と、C-145-MCの輸送義務を混同してはならないということです」


セラフィナは表示を見つめた。


「皆さんがタラリスへ向けて遂行している契約ですね?」


「そのとおりです。契約総額は8,400,000 GCですが、最終引き渡しがまだ行われていないため、支払いも完了していません。私たちには、合意済みの条件に従って七つの貨物群を届ける責任が、引き続きあります」


「その貨物を、私たち個人のために使っていただこうとは考えていません」


「承知しています。ただし、事務上の区分は最初から明記しなければなりません。生存者の対応に使用可能な緊急物資については、その供給元に基づいて記録します。契約貨物は、引き続き輸送義務に従って封印・保管します」


私は紬へ目を向けた。


「何か質問は?」


「一つある」


「どうぞ」


「用意した客室すべてに普通の食事サービスを付けたいって頼んだ場合、それにも追加書類が必要なのか?」


「承認済みの宿泊施設に含まれるサービスである限り、必要ないわ」


「助かった……」


私はしばらく彼を見つめた。


「今日はずいぶん、書類の数を気にしているのね」


「前にオーレリアの件を扱ったあと、どれだけ書類が増えたか見たからな。経験はいい先生だよ」


セラフィナが笑った。


私は反論しなかった。あの件については、彼がそう覚えているのも無理はない。


### 視点:星崎紬


セラフィナから、こういう申請が来るだろうとは思っていた。


予想していなかったのは、条件の一つひとつが、ここまで明確に整理されていたことだ。


外部の相手との会議が全部これくらい円滑に進めば、ランももう少し睡眠時間を確保できるんじゃないだろうか。


……もっとも、あいつのことだから、その時間を使って新しい記録システムを作りそうな気もするけど。


俺はセラフィナへ目を向けた。


「申請を承認する前に、一つだけ明確にしておきたいことがあります」


彼女はすぐに頷いた。


「どうぞ、星崎艦長」


「ASTRAEONは私用艦です。皆さんを助けることに異議はありませんが、緊急保護の申請一つで、皇室の専属護衛という立場を引き受けることはできません」


「理解しています」


「今後、正式な護衛任務や目的地の変更、あるいは追加の危険を伴う別の作戦を求められる場合には、改めて話し合い、別途合意する必要があります」


「今日の承認を、それらについての自動的な承認だとは考えません」


俺は頷いた。


「それから、俺たちの目的地についてですが、C-145-MCの契約は引き続き最優先の義務です。戦闘宙域を離れたあと、より安全な経路を取る必要はあるかもしれません。でも、だからといってタラリス国境兵站補給拠点という引き渡し先を、勝手に無視していいわけじゃありません」


「承知しています」


「ASTRAEAをいつ曳航できるかについても、まだ約束できません。曳航用の接続箇所が安全かどうか、それから関係するすべての区域について、救助班から必要な許可が得られているかどうか、カリスタが引き続き確認する必要があります」


セラフィナは両手をテーブルの上に置いた。


「分かっています。ASTRAEAは父と祖父から贈られた艦です。もちろん、連れて帰りたいと思っています。でも、私の願いを叶えるためだけに、まだ評価できていない危険を皆さんに負わせるつもりはありません」


俺はセラフィエルをちらりと見た。


彼女が頷く。


よし。


全長1,240メートルの豪華船を、車輪付きのスーツケースみたいに引っ張れると思い始めた人間は、どうやらいないらしい。


「それなら」と俺は言った。「殿下と、安全な場所を必要としているASTRAEAの生存者たちを、緊急避難乗客として受け入れます。具体的な取り扱いは、ランが説明した条件と、セラフィエルの保安システムに従うものとします」


セラフィナが頭を下げた。


「ありがとうございます、星崎艦長」


「そんなにかしこまらなくても大丈夫ですよ。まだ片づけなきゃいけないこともありますから」


「それでも、きちんと感謝を伝えたいのです」


それに反論できるほど、うまい返事は思いつかなかった。


「……分かりました。どういたしまして」


通信画面の向こうで、ヴェスペラが微笑んでいる。


俺は見なかったことにした。


それまで話を聞いていたセラフィエルが、少し手を上げた。


「紬。ランが宿泊施設の割り当てを確定する前に、いくつか伝えておきたいことがあります」


「何?」


「通常の豪華客船に相当するサービスを備えた乗客用施設を、アクセス制限付きで提供できます。医療上、客室で休める状態になった生存者まで、全員を医療施設に留めておく必要はありません」


彼女は利用可能な施設を表示した。


「個室、食堂、休憩区域、およびいくつかの娯楽施設は、運用区域へのアクセスを開放せずに利用していただけます。食事についても、通常の食料備蓄があり、ASTRAEON内部の農園で生産した有機食材も含まれています」


セラフィナが顔を上げた。


「内部に農園があるのですか?」


「はい」


手入れの行き届いた栽培施設が、画面に映し出された。


セラフィエルは技術的な配置図を開くことなく、提供可能な食材の種類が分かる程度の概要だけを見せた。


「内部の農業システムで、野菜や果物、そのほかいくつかの食材を生産しています」と彼女が説明する。「ですから、滞在中の乗客の皆さんが、非常食だけで過ごす必要はありません」


ミレルが安堵したような表情を浮かべた。


「それは大変助かります。先ほどの事件以来、あまり食欲が戻っていない生存者もおりますので」


「医療上の勧告と、それぞれの必要に合わせてメニューを調整できます」とセラフィエルが答えた。「ただし、患者用の特別食については、引き続き治療方針に従います」


俺は頷いた。


「賛成。ちゃんとした場所を用意してあげてくれ。せっかく助けた人たちを、追加のコンテナでも運んでるみたいに扱うのはやめよう」


ランが俺を見た。


「もちろん、そのつもりよ」


「分かってる。ただ、基本方針として言っただけだ」


「それなら、その方針はすでに乗客の受け入れ計画へ反映されているわ」


セラフィナは俺たちを交互に見た。


「皆さんは、会議のとき、いつもこのような話し方をするのですか?」


「いつもじゃありませんよ」と俺は答えた。


ランがすぐに付け加える。


「かなり頻繁に、ですね」


俺は彼女を見た。


「そんなに即答しなくてもいいだろ」


「単純な質問だったから」


テーブルの周囲に、再び小さな笑い声が広がった。


最初はそれなりに緊張感のあった会議も、少しずつ気楽に進められるようになってきた。


ただ、セラフィエルの話はまだ終わっていなかったらしい。


「紬。カイラから、ヴェルドラコン帝国内の動向に関する別のメッセージも届いています」


俺の笑みが消えた。


「何か新しい知らせがあったのか?」


「はい。送信元については、すでに初期検証を行っています。カイラによると、ヴェイリエンヌ公爵家はセラフィナ殿下が発見されたことを帝国宮廷へ報告し、エドリック・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン皇帝陛下へ伝達されるよう手配したそうです」


セラフィナがすぐに背筋を伸ばした。


「ヴェイリエンヌ家が、もう宮廷へ連絡を?」


「カイラが彼らの通信経路から受け取った情報です、殿下。これを、帝国当局からあなたへの直接の正式通知に代わるものとは、まだ考えていません。ただし、カイラからのメッセージの出所は確認できています」


俺はセラフィナを見た。


会議が始まって以来、彼女の表情が初めて大きく変わった。


「では、お父様は、私が生きて発見されたことを、もうご存じかもしれないのですね……」


「その報告は、おそらく正式な経路を通じて伝達されている最中だと思われます」とセラフィエルが答えた。「ただし、皇帝陛下がすでに報告を読んだ、あるいは受領を確認されたとは、証拠が得られるまで断言しません」


セラフィナがゆっくりと俯いた。


「今は、それだけでも十分です」


ミレルも、ほっとしたように息を吐いていた。


俺はセラフィエルに続きを促した。


「カイラからは、ヴェイリエンヌ家側の提案も伝えられています。ASTRAEONがヴェルドラコン帝国とアルケイオン勢力圏の境界付近にある安全地点へ到達できるまで、一時的な避難場所を提供してほしいというものです。メッセージによれば、ASTRAEAの人員を迎えに来るための手配は、現地の権限を持つ当局を通じて行われる予定です」


ランがすぐに口を挟んだ。


「移送地点は、もう指定されているの?」


「まだです」


「迎えに来る艦隊の身元は?」


「受け取っていません」


「到着予定時刻は?」


「未確認です」


ランが頷いた。


「それなら、有効な航行命令ではなく、調整段階の計画として記録するわ」


「私の評価も同じです」とセラフィエルが答えた。


俺は航路の投影図を指さした。


「安全な移送地点があるなら、俺たちの航路に合っていて、輸送に支障が出ない限り、検討はできます。でも、誰かが迎えに来ると言っただけで、国境のどこかへ適当に飛んでいくつもりはありません」


『賛成です』とヴェスペラが通信越しに言った。『航法計画を変更する前に、施設の身元、接近許可、そして周辺宙域の状況を確認する必要があります。私たちは、アルケイオンとの戦闘接触から抜け出そうとしているところなのですから』


セラフィナが頷いた。


「異論はありません。帝国との通信が回復できたら、迎えに来る側の指示が、すべて正当な権限を持つ者から発せられたものか、私も確認に協力します」


「よし」と俺は言った。「宮廷の命令を持ってきたと言いながら現れた、正体不明の艦に、誰かをそのまま引き渡すことはしません」


「全面的に賛成です、艦長」


セラフィエルが表示を切り替えた。


「もう一つお伝えすることがあります。ASTRAEAについては、カイラも、オーレリア本人やそのご家族から新しい情報をまだ得ていません。ですから現時点では、あの艦の取り扱いに利用できる新たな指示はありません」


セラフィナは少し残念そうな顔をしたが、すぐに頷いた。


「分かりました。引き続き、カリスタの点検結果に従います」


「はい」


俺は顎をさすった。


「つまり、一時的な宿泊は決められる。迎えの件は検証待ち。ASTRAEAは技術承認待ち。ほかには?」


セラフィエルが一瞬黙った。


そして、口元がわずかに上がる。


その表情には見覚えがあった。


……まずい。


「カイラから、個人的な追加メッセージも届いています」


「なんで急に言い方が変わるんだ?」


「あなたに直接伝えてほしいと頼まれたからです」


ランが端末から顔を上げた。


ヴェスペラも、ますます興味深そうな顔をしている。


ミレルまで、こちらに注目し始めた。


アルケイオンとはまったく関係のない、嫌な予感がしてきた。


「……言ってくれ」


セラフィエルが微笑んだ。


「カイラによると、オーレリアはもう紬に会えなくて寂しがっているそうです。状況が許すときには、できるだけ頻繁に顔を見せに来てほしいと伝えてほしい、とのことでした」


部屋が突然、静まり返った。


俺はセラフィエルを見た。


セラフィエルも俺を見ている。


「……緊急避難乗客の会議と、何の関係があるんだ?」


「ありません。だからこそ、個人的なメッセージとして分けてお伝えしました」


ヴェスペラが笑い始めた。


ランはため息を吐いたが、その顔に薄い笑みが浮かんでいるのを俺は見逃さなかった。


セラフィナがまばたきをする。


「オーレリアが……星崎艦長を恋しがっているのですか?」


「誤解しないでください、殿下。俺たちは以前、彼女が家族のもとへ帰るのを手伝ったんです。今でも良好な関係が続いているのは、当然でしょう」


「私はまだ、何も言っていませんよ?」


「表情が十分すぎるほど語ってます」


ミレルは慌てて顔を俯けた。


絶対に笑いをこらえている。


セラフィエルは、俺の置かれた状況を心底楽しんでいるようだった。


「カイラは、緊急の用事があるときだけ顔を出すようなことはしないでほしい、というオーレリアの希望も強調していました」


「分かった。伝言はちゃんと受け取ったよ」


「リマインダーを設定しましょうか――」


「いらない!」


ヴェスペラがとうとう、隠そうともせずに笑い出した。


俺はこめかみを揉んだ。


どうやら、公爵令嬢を無事に救助して、あの宙域から離れたあとでさえ、事務上の影響だけでなく、人間関係のほうまで、宇宙を越えて俺を追いかけてくるらしい。


セラフィナが微笑んだ。


「いつかオーレリアと再会する機会があれば、彼女のご家族が私の発見について知らせてくれたことに、感謝を伝えなければなりませんね」


「どうぞ。それはいいことだと思います」


「それから、星崎艦長が伝言をとても熱心に受け取っていたことも、お話しできますね」


「殿下、報告書に事実と異なる情報を追加するのは、ご遠慮ください」


「冗談です」


俺はセラフィエルを見た。


「全部お前のせいだぞ」


「私はメッセージを正確に伝えるという責務を果たしただけですよ、紬」


「そうだな。実にプロフェッショナルだよ」


### 視点:星崎紬


ようやく話題が艦の仕事へ戻ってきたところで、俺は次の個人的な伝言が現れる前に、担当の割り振りを終わらせることにした。


「ラン」


「何?」


「宿泊施設を必要としているASTRAEAの人員全員について、配置を任せたい。検証済みの生存者名簿を使って、まだ移動させられない患者を分けたうえで、利用可能な施設の収容能力に合わせて調整してくれ」


「分かったわ」


「セラフィナには専用の客室を。ミレルにも、連絡が取りやすいように同じ区域内で個室を用意してくれ。ただし、運用区域を通らなければ出入りできないような場所には配置しないでほしい」


セラフィナが軽く手を上げた。


「艦長、ミレルはずっと私のそばにいる必要はありません。彼女にも休息が必要です」


「だから、あなたの部屋に予備のベッドを置くんじゃなくて、個室を用意するって言ったんですよ」


ミレルが微笑んだ。


「ご配慮に感謝いたします」


ランはすぐに記録を作成した。


「許可された共用施設へ直接移動できる宿泊区域を選ぶわ。各人のアクセス権は、それぞれの資格に従って設定する」


「頼む。ほかのASTRAEAの人員についても、医療上の必要と本人の状態を優先してくれ。エウフォリアの施設を早く空けたいからって、まだ治療が必要な人を移動させるようなことはしないでほしい」


「もう計画に含めてあるわ」


俺は再びセラフィナを見た。


「個人的に必要なものがあれば、あなたもミレルもサービスシステムから申請できます。食事をしたり共用施設を利用したりするたびに、セラフィエルへ直接頼む必要はありませんよ」


セラフィナが微笑んだ。


「それを聞いて安心しました。小さなお願いをするたびに、皆さんの仕事を増やしてしまうのではないかと、少し心配していたのです」


「乗客全員が飲み水を頼むだけでセラフィエルへ連絡するようになったら、あいつに艦を管理する時間が残るのか、ちょっと心配ですからね」


「実際には、両方とも対応できますよ、紬」とセラフィエルが答えた。


「挑戦してるわけじゃないぞ」


「分かっています」


それから俺は、まだ話し合っていなかった件へ移った。


「もう一つ。さっきの作戦中、ドローンとMCV-01 Vector Caliperが回収した物品についてだ」


ランはすぐに初期インベントリを開いた。


カリスタは、現在も入手済みのデータを使ってASTRAEAの技術的な状態を点検しているため、会議には参加していない。


その作業を中断させてまで、ここへ呼ぶつもりはなかった。


「回収物の事務管理はランに任せる。所有権の確認、出所の記録、証拠品の保全、それから何を回収物として主張できて、何を主張できないのかという法的な範囲の確認も含めてだ」


「ASTRAEAの所有物、アルケイオンに関係する物品、それ以外の所有者がまだ確認できていない回収物を、それぞれ分けて管理するわ」とランが答えた。


「頼む。格納庫へ入ったものを、全部いきなり俺たちの所有物として登録するのはやめてくれよ」


「もちろん、そんなことはしないわ」


「それから、技術面はカリスタの担当だ。Vector Caliperが運び込んだ機体、構成部品、システム、それ以外の保全された技術についても、まずはあいつの点検を通してくれ」


セラフィエルが頷いた。


「Vector CaliperのAIは、すでに初期インベントリを作成しています。格納庫へ収容する前の危険性確認や、生存者の存在を示す兆候の確認も含まれています。ただし、分解作業を行っても安全だという判定は、まだ出していません」


「そのまま維持してくれ。カリスタには点検と技術的な分類を進めてもらって構わない。でも、ランが法的な扱いを確認し終えるまでは、証拠品に当たるものの分解や、部品の使用は禁止だ」


ランが俺をちらりと見た。


「今回は珍しく、私が注意する前に、事務上の手順を正しい順番で説明できたわね」


「俺だって学習するんだよ」


「喜ばしい進歩ね」


「そんなに驚いた声を出さないでくれ」


セラフィナは俺たちのやり取りを見つめていた。


「Vector Caliperは、本当にほかの宇宙機を格納庫へ運び込んでいたのですか?」


「救助作戦と残骸処理の間に保全できた、複数の機体や構造物です」とセラフィエルが答えた。「さらに詳しく調べられる部品が残っているものもあるようですが、すべてについて使用上の安全が確認されたわけではありません」


「そうなのですね」


俺は付け加えた。


「殿下の帝国の技術を手に入れようとしてるわけじゃありませんから、そこは心配しないでください。そもそも、ASTRAEONの秘匿技術をASTRAEAへ組み込むこともしませんし」


セラフィナが頷いた。


「ヴェスペラとセラフィエルから、その理由は説明していただきました。皆さんの判断を尊重しています」


「よかった」


俺は、ようやく少し整理されてきた仕事の一覧を開いた。


担当業務の割り振り — 救助作戦終了後


| 担当者 | 業務 |

| ------ | ------------------------------------------------------ |

| ラン | ASTRAEA人員の乗客管理、宿泊施設の割り当て、追加費用、および回収物インベントリの法的な扱い |

| カリスタ | ASTRAEAの技術点検、曳航の可否、およびVector Caliperが保全した機体・構成部品・技術の識別 |

| セラフィエル | 乗客のアクセス保安、艦内システムの調整、データ保護、および自動医療支援 |

| ヴェスペラ | 航法、アルケイオンの脅威監視、および安全な移送地点の評価 |

| レア | 戦闘準備状況の点検、および状況が再び悪化した場合の警備支援 |

| 紬 | 最終的な運用承認、およびC-145-MCの契約義務の履行 |


俺は一覧をもう一度読んだ。


「よし。これで少なくとも、何か問題が起きたとき、誰に聞けばいいのか分かるな」


ランが俺を見た。


「この表を作る前から、全部分かっていたでしょう?」


「文字にして確認できると、それはそれで安心するんだよ」


「それなら、その発言は私の文書管理システムに対する支持として記録しておくわ」


「やめてくれ」


セラフィナがまた笑った。


### 視点:モード・ラン・ヴァレス


艦長の承認を記録したあと、私は乗客資格の発行手続きを開始した。


セラフィナは、自分の端末に現れた文書を見つめた。


「今、署名すればよいのでしょうか?」


「まずは読んでください。会議が終わりに近づいているからといって、急ぐ必要はありません」


「ありがとうございます」


彼女は条件を一つずつ確認していった。


ミレルも、人員の取り扱いに関する項目を調べている。


私は口を挟まずに待った。


事務の仕事とは、ただ署名を求めることだと思っている人もいる。


けれど、署名する本人が何に同意するのか理解していなければ、その署名には大した意味がない。


数分後、セラフィナが顔を上げた。


「滞在許可が終了する条件について、一つ質問があります」


「どうぞ」


「帝国側から迎えが到着しても、その身元や権限がまだ確認できていない場合、私たちはすぐにASTRAEONを離れなければならないのでしょうか?」


「いいえ」


私は文書の該当部分を表示した。


「安全であることが、移送の第一条件です。外部の人物による口頭の主張だけを根拠に、保護を終了することはありません。必要な確認を終えたあと、艦長が移送手続きを承認する必要があります」


セラフィナが頷いた。


「よかった。生存者たちを、一つの危険な状況から別の危険な状況へ移すようなことはしたくありません」


「私たちも同じです」


彼女は続きを読む。


「費用については、明細の写しを受け取れますか?」


「もちろんです。請求対象となる支出には、それぞれ記録上の根拠を残します。最終的な金額は、まだ決定していません」


「承知しました」


その後、セラフィナは以前から準備されていた限定的な認証手順を通じて、同意を示した。


ミレルも、自身の権限の範囲内でASTRAEA人員の取り扱いについて、別途確認を行った。


私は両方を保存した。


「文書を受理しました」


セラフィナが小さく息を吐いた。


「どうやら、これで私も正式に豪華客船の乗客になったわけですね」


「一時的な保護対象乗客です」と私は訂正した。


「もちろんです。失礼しました、ヴァレスさん」


「謝る必要はありません。ただ、今後正式な問い合わせを受けた際には、正しい資格を使ったほうが手続きも円滑になりますから」


紬が手を上げた。


「ラン、書類に署名してるとき以外なら、豪華客船って呼ばせてあげてもいいだろ」


「禁止しているわけじゃないわ」


「なら、よかった」


私はセラフィナを見た。


「あなたとミレルの客室は、同じ宿泊区域内に用意します。それ以外の人員については、現存する情報と医療評価の結果に基づいて、システムが配置を作成します」


「ありがとうございます」


「もう一つ、殿下。外部との正式な通信が必要な場合は、必ず指定された経路を使用してください。ASTRAEAの装置を、艦内ネットワークへ直接接続しようとしないようお願いします」


「そのようなことはしません」


「自動通信機能を持つ私物の機器についても、同様です」


ミレルがすぐに記録した。


「私たちの人員にも伝えます」


私は頷いた。


「ありがとうございます。これで、最初から誤解を避けられるでしょう」


### 視点:セラフィエル・ヴェロリア


艦内標準時05:11。


セラフィナの乗客資格が、ついに有効になった。


私は適用結果を確認した。


指揮権限に変更はない。


艦内の機密区域へ向かう追加アクセス権も付与されていない。


ASTRAEONの中核ネットワークへ、外部装置が直接接続できる状態にもなっていない。


そして、ASTRAEAの乗客は一人も、私たちの乗員として登録されていなかった。


すべて、紬の決定とランの文書に沿った結果だ。


私は会議テーブルに確認結果を表示した。


アストレオン・ヴェロリア — 乗客状況


| 身元 | 資格 | アクセス |

| --------------------- | ----------------------------- | ------------------ |

| セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン | 一時的な保護乗客 | 制限付き |

| ミレル・ソヴァン | 一時的な保護乗客 | 制限付き |

| そのほかのASTRAEA生存者 | 緊急避難乗客/患者 | 必要性および医療上の状態に応じて設定 |


ASTRAEONの指揮権限:変更なし。 ASTRAEAの所有権:変更なし。 契約C-145-MC:引き続き有効。


「完了しました、紬」


「よし」


セラフィナは表示を見つめた。


「これで私たちは、本当にASTRAEONの乗客として扱われるようになったのですね」


「そのとおりです、殿下。利用を許可された施設への案内機能も有効にしました。日常的なご用件については、サービスシステムが対応します」


「用意していただいたお部屋を見てもよろしいですか?」


「もちろんです」


私は室内の投影図を表示した。


セラフィナの客室には、専用の休憩スペース、快適なベッド、衛生設備、乗客用サービス端末、そしてプライバシー調整機能を備えた観察パネルが設けられている。


客室の端末から、艦の航法システムや制御システムへアクセスすることはできない。


ミレルの部屋も同じ区域内にあり、セラフィナの部屋から遠くない位置にある。ただし、客室自体は完全に独立していた。


「これは……十分すぎるほどです」とミレルが言った。


セラフィナもゆっくりと頷いた。


「正直に言って、あれほどの損傷を受けた艦から避難してきたあとで、こんな施設を使わせていただけるとは思っていませんでした」


紬が肩をすくめた。


「部屋が空いてるのに、わざわざ待合室の椅子で寝てもらう理由もありませんからね」


私は微笑んだ。


「厨房システムには、在庫の食材を使った朝食の選択肢も準備するよう指示してあります。新鮮な野菜、果物、パン、そのほかいくつかのメニューを、客室の端末から選べます」


「まだ治療を受けている私たちの人員にも、食事を届けていただけますか?」とセラフィナが尋ねた。


「可能です。ただし、医療上の条件に合わせてメニューを調整します。一部の患者については、ASTRAEAの医療担当者とエウフォリアのシステムが、事前に食事内容を承認する必要があります」


「分かりました」


ミレルが立ち上がった。


「それでは、許可をいただけるのでしたら、新しい取り決めを人員に伝えるお手伝いをしたいと思います」


「どうぞ」と紬が答えた。「必要な一覧と案内は、ランから渡してもらいます」


セラフィナも立ち上がり、私たちへ目を向けた。


「星崎艦長。ヴァレスさん。セラフィエル。カリスタ、ヴェスペラ、レアにも、私からの感謝を伝えていただけますか?」


「もちろんです」と私は答えた。


彼女はもう一度、頭を下げた。


「皆さんにも、まだご自身の仕事があることは理解しています。それでも、私たちを受け入れてくださって、ありがとうございます」


紬が小さく微笑んだ。


「今は休んでください。さっきの戦闘に関する問題を、全部一晩で解決する必要はありませんから」


「覚えておきます」


セラフィナとミレルは、サービスシステムの案内に従って部屋をあとにした。


扉が閉まると、紬が長く息を吐いた。


「……ようやく終わったな」


ランが振り向いた。


「会議は終わったわ。次の仕事は、これから始まるのよ」


「分かってる。そんなに早く俺の幸せを壊さないでくれ」


「それなら、あなたの承認を待っている書類が何件かある、とだけ伝えておくわ」


「それでも十分壊れてるんだけど」


私は小さく笑った。


しかし、紬が言い返すより先に、隔離された外部通信層へ新しい通知が現れた。


送信元はカイラではない。


ヴェイリエンヌ公爵家でもなかった。


メッセージは、ヴェルドラコン帝国の関係者である正式な受信者へ向けられていた。


私は中核ネットワークへ接続することなく、すぐに認証構造の検査を始めた。


暗号化メッセージ — 検証のため保留中


指定受信者: セラフィナ・ヴァルクレイン・ヴェルドラコン 送信元チャンネル: 帝国公式通信 本文: 未開封 状態: 検証および受信者の承認待ち


「紬」


彼が振り向いた。


「今度は何だ?」


「セラフィナ宛てに、新しい暗号化メッセージが届きました。初期構造は帝国の通信経路を示していますが、送信者の認証はまだ完了していません」


ランがすぐに顔を上げた。


「検査が完了するまで、添付ファイルや自動命令は何も転送しないで」


「すでに隔離済みです」


紬は通知を見つめた。


「安全が確認できたら、セラフィナに知らせてくれ。彼女宛てのメッセージなら、受け取るのも本人であるべきだからな」


「了解しました」


私はメッセージの最外層の検査を始めた。


送信側の装置を艦の制御システムへ接続しようとする動きは、確認されなかった。


ただし、本文を開かずに読み取れるメタデータには、私の手を止めさせる記述が一つあった。


そのメッセージには、ASTRAEA襲撃事件の続報という識別表示が付けられていた。


付随する時刻情報を見る限り、この事件に関する報告は、すでに救助宙域の外にある通信網へ伝達され始めているようだった。


私は、その発見を紬とランへ表示した。


「どうやら、帝国皇女が襲撃されたという知らせが、広まり始めているようです」


紬はしばらく画面を見つめた。


「……早いな」


ランが両手を組んだ。


「それなら、今後は救助や迎えを申し出るという理由で艦へ連絡してくる相手について、いっそう慎重になる必要があるわね」


「賛成だ」と紬が答えた。「検証なしに、どんな主張も受け入れないようにしてくれ」


私は頷いた。


艦の反対側では、セラフィナがつい先ほど、安全な滞在場所を得たばかりだった。


その一方で、彼女が発見されたという知らせは、ヴェルドラコン帝国の通信網を通じて広まり始めている。


そして私たちは、ASTRAEA OF THE SILVER LANTERNへの攻撃を、本当は誰が命じたのか、まだ知らなかった。


【次話予告・第169話】


「航路へ戻る」


航路へ戻る――ASTRAEONは、C-145-MCの輸送義務を再開するための準備を進める。ASTRAEAの技術的な今後、国境宙域の安全、そして外部からの関心の高まりによって、次の航法判断には、これまで以上の慎重さが求められることになる。


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