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19話 彼は対応に困る。

「おーい。お前ら。晩飯だぞ。」

松浦先生がやってきて僕らの作業は一時中断となった。

赤松先輩とやまちゃん先輩も紙に今日の探索結果をまとめていて仕掛けを仕掛けた場所と様子を見て追加で仕掛ける予定場所を探っていた。

そんな中、僕たちは部屋の隅でねている山本さんに目がいった。

「先輩。

これどうします?」

僕の問いかけに赤松先輩はやまちゃん先輩をやまちゃん先輩は赤松先輩を見た。

「起こすか。」

それから赤松先輩はそう言ったけど、僕を見て固まった。

「なんですか?」

僕の言葉に赤松先輩は真顔になった。

「どうやって起こす?」

「そりゃ、声をかけて?」

僕の答えに赤松先輩は困った顔をした。

「たぶん、起きないよ。」

「ですよね。」

分かってはいたけど、多分ここまで熟睡していると起きない気がする。だって口が少し開いてよだれがたれてきてるもん。これは起きないよね。

「揺すって起こすのは?」

やまちゃん先輩の言葉に僕たちは場所を開けた。

「どうぞ。」

うえさんが山本さんを指しながらいった。

「え、俺?」

やまちゃん先輩の言葉に全員が頷いた。

「いや、山本さんは女子だぞ。」

その言葉に全員が頷いた。

みんな口にはしないけど、寝ている無防備な女子に触れるのは何となくダメな気がしているのだ。しかし、そうしないと起きないというのも共通認識のようでお互いに譲り合っていた。

「お前ら、どうした?」

あまりにも僕たちが来ないのに痺れをきらした松浦先生が部屋に入ってきた。

「先生。これどうしたらいいですか?」

赤松先輩の質問に松浦先生は山本さんを見てから僕たちの方を見た。

「頑張れ。」

それだけ言うと先生は出ていってしまった。しかもなぜか扉を閉めていった。

「え?」

誰かの悲鳴のような声が響いた。

しばらくお互いに譲り合いをしていたけど、ついに赤松先輩が頷いて山本さんに近づいた。

「どうするんですか?」

僕の言葉に赤松先輩は振り返ると無言で頷いた。

それから両手を山本さんの両脇の下にいれるとそのまま立ち上がった。

「やまちゃん。布団。」

やまちゃん先輩はすぐに布団を引っ張り出してきた。

赤松先輩は山本さんを両手でささえながらも腕をいっぱいいっぱいに伸ばしてほとんど触れないようにしながら布団の上に置くとそのまま転がした。

「これでよし。」

赤松先輩はそう言うとそのまま部屋を出ていった。そしてそれに続くようにうえさんまで部屋から出ていって扉を閉めた。

「いや、何も解決していないから。」

僕の言葉にやまちゃん先輩は頷くとスタスタと扉に向けて歩いていった。

「ちょっとまって!」

僕の叫び声は聞こえていただろうに普通に扉を閉められた。僕が慌てて扉に近づいたけど扉が全く開かない。これは扉の前でやまちゃん先輩達が扉が開かないようにしているんだろう。

僕はしばらく考えてから布団のほうを見た。

すると、そこには起き上がって眠そうに目をこすっている山本さんがいた。

「あ、えっと。山本さん。とりあえず、晩ご飯にしようか。」

僕の言葉に山本さんは何も言わずに立ち上がるとふらふらと僕の方にやってきた。

「何してるの?」

山本さんの言葉に僕は首を横に振った。

その様子を見て山本さんは笑うとそのまま扉を開けて出ていった。僕はその後を追うように扉の外に出た。すると、階段と反対側の廊下に松浦先生も含めて全員が立っていたよ。

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