18話 彼女は疲れ切る
わずか半日、4時間ほどの探索だったけど私は疲れ切ってしまって部屋に入った瞬間に倒れ込んだ。
本来はもう少し探索する予定だったようだけど、赤松先輩が私を見て引き返す判断をした。
それにしても、途中途中で仕掛けた罠には私はとても驚いた。だっていきなり立ち止まると近くの木にやまちゃん先輩が持っていた袋から取り出したパンストを結びつけ始めた。あのときは何してるの?と本気で思ったよ。気になって植松君に聞くとあのパンストの中にはバナナ焼酎が入っているらしい。それを使ってカブトムシとかクワガタムシを捕まえる罠だそうだ。確かに出した瞬間に周囲に甘い匂いが漂ってきた。その後も、移動しては突然地面に穴を掘ってコップを埋めそこに土を入れたり、木と木の間にネットを張って下にブルーシートを敷いていた。
そんなことをしながらも何かを見つけてはふらふらと行くものだからついて行った私はもうクタクタになったよ。
私は特に何か捕まえられたわけではなかったけど男子はシマヘビを捕まえてこれは小さいね。と言って写真を撮ったあと離していたり、溝をのぞき込んで無言で頷いてから帰ってきたりしていた。ちなみにその溝をのぞきに行こうとしたらやまちゃん先輩に行くなってとめられたよ。
その後もふらふらしながらもどんどんと歩いて行き、近くのキャンプ場に出てからその周囲の木を入念にチェックして帰ってきた。
帰ってきてからは宿のすぐ近くに2本のポールを立てて真っ白な布を広げるとそのポールの上にライトをつけていた。ライトが布に向かってついているのは何か意味があるみたいだったけど、もう私には聞く余力はなかったよ。
私がもう少しで夢の世界に旅立ちかけた時突然ドアをノックする音が聞こえて飛び起きた。
「大丈夫?」
「あ、はい。
今開けます。」
赤松先輩の声がしたので私は扉を開けた。
赤松先輩は私を上から下に見てから少し考える素振りを見せた。
「さっき、宿の人に確認したらもうお風呂はいれるみたいだよ。
もし入るなら、心臓から遠い場所から心臓に向けてほぐすようにマッサージしたらいいよ。
あと、夕食は18時からね。
あ、今日の夜間採取ついてくる?来なくてもいいけど、来るならお風呂はあとの方がいいかも。」
赤松先輩はそれだけ言うと私の返事を聞かずに部屋に戻っていってしまった。
私は時計を見て今が17時過ぎなのを確認して少しだけ悩んだ。たぶん、今からお風呂に入ると時間的にぎりぎりになる気がする。だけど、部屋でダラダラしていたら寝過ごしそう。
何をするか悩んだ私はひとまず男子の部屋をのぞきに行った。
男子の部屋は扉が開けっ放しで中の様子がすぐに確認できた。中に入ると赤松先輩とやまちゃん先輩が紙に何かを書いていた。そして、植松君と松村君は今日採取した生き物をすでにケース分けしていた。すでに脱脂綿の入った瓶の中で動かなくなっているのがいるんだけど、これは何をしているのだろうか?
私は答えを知るのが怖くて聞けなかった。
私は何となく部屋の隅に座り込んだ。そして、しばらくすると私の意識は沈んでいった。




