17話 彼女は到着する。
「到着です。
宿の人に挨拶してから、食堂でお弁当を食べて着替えたら出発しようか。」
松浦先生の言葉にみんな頷くと荷物を片手に降りていった。
「今日から1週間よろしくお願いします。」
「「「「よろしくお願いします。」」」」
赤松先輩の挨拶のあとに私たちは揃って挨拶をした。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
宿の人が挨拶を返してくれて私たちは荷物を運び込んだ。
男子は4人部屋で、私と先生がそれぞれ1人部屋もう1部屋は機材を置く部屋になった。これで宿の部屋はすべてだそうなので、1週間は私たちだけの貸し切りになるみたいだ。
私は部屋に荷物を置くとすぐに食堂に移動した。だけど、すでに男子は座っていて私が来たのを見ると松村君が横の席を叩いた。
私は小さく頷くとその席についた。
「それじゃあ、いただきます。」
「「「「いただきます。」」」」
挨拶をしてから食べ始めたけど、男子4人と先生は明らかに私の1.5倍はありそうなお弁当をあっという間に食べ終えてしまった。
「山本さん。ゆっくりでいいからね。」
食べ終えると同時に動き出した赤松先輩とやまちゃん先輩を見て私が慌てだすと松村君が私の横に座ったままそう言った。
私は小さく頷いてから、できる限り早く食べて席をたった。
「山本さん。着替えたら玄関前に集合ね。」
松村君の言葉に私は頷いた。
準備と言っても服はすでに着てきているので十分だろうから持ち物を確認したら終わりだ。
持ち物はパンフレットを参考にすると飲料水2Lから3L、タオル2枚、ティッシュ、軍手、帽子、携帯食料が最低限必要なもののようだ。私は3Lも持つと重くて動くのに支障が出そうなのでお茶を2L持ち玄関前に向かった。
「あ、来た。」
そこには赤松先輩が立っていた。
私のリュックとは違ってしっかりと山用の大きめのリュックを背負っていて手には大きな虫網があった。
「山本さん。
日焼け止めと虫除け塗った?」
赤松先輩の言葉に私は首を横に振った。
「塗っとかないとひどい目にあうよ。」
赤松先輩はそう言うとリュックの横から日焼け止めクリームと虫除けスプレーを出してきた。
「使いな。」
私は渡された日焼け止めと虫除けスプレーを塗った。その様子を見ていた赤松先輩が呆れた顔をした。
「虫除けスプレーを手につけて耳もしていないと面倒だよ。あと、帽子はつばの広いやつにしないと。まあ、いまさらだからタオルを1枚首元に巻いておいたら。」
赤松先輩の言葉によく意味が分からなかったけど、私以外の全員が麦わら帽子みたいにつばの広い帽子をかぶっているのを見て何か言っている言葉に理由があるのだろうと思った。私が言われた通りに首にタオルを巻くと赤松先輩は頷いた。
「それじゃあ、出発しようか。とりあえず、近場にトラップを仕掛けながら生物採取もしようか。」
赤松先輩の言葉に全員が頷いた。




