12話 彼女は案内される。
私が理科室の端で固まっているとやまちゃん先輩が近寄ってきた。
「暇ならついてくるか?」
「え、あ、はい。」
そして、私の返事を聞く前に理科室から出ていこうとしたので、私は返事をしながらやまちゃん先輩のことを追いかけた。
やまちゃん先輩は温室ではなく部室棟に向かって歩いて行った。
「待ってください。」
私が声をかけるとやまちゃん先輩が振り向いて停まった。
「悪い。」
先輩は私が追いつくまで、その場に留まっていたがすぐにまた、歩き出した。
「ここ、一応土足厳禁だからそこで靴脱いで。」
「はい。」
私は靴を脱いで改めて部室の中を見た。両側の壁には床から天井までぴったりとついた本棚があり、中に大量の本やファイルがぎっしりと詰められていた。そして、窓には段ボールが張り付けられていて、窓際には大量の骨格標本と剥製が置かれていた。
「ここが俺達科学部の部室。元々は理科準備室を間借りさせてもらっていたんだけれど、書類だとか標本だとかが多くなりすぎて、理科準備室を圧迫しすぎとなってかわりに開いた1階のこの部室を与えられて去年引っ越したばっかりだ。」
やまちゃん先輩はそう言いながら棚から古そうなファイルを出してきた。
「先輩それは?」
私が聞くとやまちゃん先輩は私の方を向いた。
「これは、過去の先輩の遺物。過去に俺と同じように魚類に興味を持った人は何人もいてその人達の知識や経験が詰められているやつ。」
やまちゃん先輩は笑顔で答えてくれた。
「あ、山本さんも自分が気になることがあったらここに来たら色々と知りたいことが分かるかもしれないぞ。何せ、科学部はこの高校が始まった時からあるらしいから。
長い年月が経っている分所属していた部員数が多いし、みんな色々なことに興味を持って気になることについて各自が研究してきたから謎にいろんな分野について大量に資料があるから。もし、なかったら俺か赤松にでも聞いてくれ。探すの手伝うから。」
やまちゃん先輩はそれだけ言うと部室から出て行こうとして、停まった。
「あ、そうだ。温室の方も行こうか。あっちはどちらかというと赤松が主に作業してるけど、もしあっちの方が興味出るかもだし。」
やまちゃん先輩はそう言いながら温室の方へと歩き始めた。




