11話 彼女は自己紹介をする。
「それじゃあ、一旦手を止めて。」
赤松さんがそう言うとみんなが手を止めて赤松さんの方を見た。
「ついに、念願の女子部員が入りました。というわけでお互いに自己紹介をしましょう。」
赤松さんがそう言うとみんなが頷いた。
「それじゃあ、僕からね。」
赤松さんがそう言うとみんなが頷いた。
「部長の赤松です。見ての通り自由奔放な部員が多いですが、慣れてください。
よろしく。」
赤松さんはそれだけ言うと再び椅子に座った。
「それじゃあ、次は俺だな。」
やまちゃんと呼ばれていた男の人は立ち上がった。
「山下です。一応副部長です。
魚類の繁殖について研究をしています。
やまちゃんとでも呼んでください。」
そう言うと、山下先輩は椅子に座った。
「えっと次は僕だね。」
松村くんはそう言うと立ち上がった。
「松村です。
歴史と火薬が好きでそういった事について調べてます。
よろしく。」
松村くんはそう言うと座った。そして、入れ替わるように植松くんが立ち上がった。
「植松です。
標本を作るのが好きで、乾燥標本や樹脂標本を作ってます。骨格標本は赤松先輩の専門分野なので作りたければ赤松先輩に言ってください。それ以外の標本なら言ってくれれば作るのは手伝います。」
植松くんはそう言うと座った。
自己紹介が独特すぎて固まっていると赤松先輩が私の方を見てきた。
「あ、えーと。山本陽菜です。
よろしくお願いします。」
私はそれだけ言うと座った。本当はもっということがあったと思うんだけど、頭の中が真っ白になって何も言えなかった。
「それじゃあ、各自いつも通り探求。」
赤松さんがそう言うとそれぞれ自由に動き始めた。
「えっと……」
私はどうしていいのか分からずに赤松先輩に話しかけようとしたが、それより先に植松君が話しかけていた。
「先輩。あのアライグマの骨格標本組み立てるんですよね。僕も手伝います。」
「うん。」
そして、離しながら理科室から出て行ってしまった。
私は他に話しかけて返事をもらえそうな人は?と思い理科室を見渡したがすでに誰もいなかった。
「どうしたらいいの?」
私の口から自然と言葉が漏れていた。




