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狼の耳の番  作者: himi
26/34

26 囮の覚悟



あみは廃工場の広場に立っていた


周囲にはジアたちが仕掛けた罠が隠されているが

彼女の役割はその中心で囚われているふりをすることだった

手首には縄が巻かれ、柱に縛り付けられているように見える

だが、それはあくまで敵を欺くための演技だった



「これで本当にうまくいくのかな……」

心の中で不安が渦巻くが、あみは深呼吸をしてその感情を押し込めた


仲間たちのために、自分ができることを全力でやる

それが今の彼女の覚悟だった




遠くから足音が聞こえ始める

政府軍の兵士たちがあみのいる場所に近づいてくるのが分かる

彼女は心臓が激しく鼓動するのを感じながらも

冷静を装ってその場に立ち続けた



「人間の女がいるぞ!」


兵士の一人が声を上げる


その言葉に他の兵士たちも反応し

あみの方へと視線を向けた



「助けて……!」



あみは弱々しい声で叫び、必死に助けを求めるふりをした

その演技は完璧で、兵士たちは完全に彼女に注意を向けていた



その隙に、ジアたちは物資のある場所へと静かに移動を開始する

敵の目があみに集中している間に計画通りに行動を進めていた




兵士たちがあみに近づき縄を解こうとしたその時、エリクが現れた

彼は政府側の兵士に紛れて行動しており

あみを助ける役割を担っていた



「俺がやる。お前たちは周囲を警戒しろ」


エリクは冷静な声で兵士たちに指示を出し

あみに近づいた


その目には一見優しさが宿っているように見えるが

彼の内心は冷たく計算されていた


「大丈夫だ、すぐに助ける」


エリクはあみに囁きながら縄を解くふりをする

しかし、その手は彼女を逃がすためではなく

彼女をそのまま連れ去るためのものだった



「エリクさん……?」



あみが抵抗しようとしたその瞬間

エリクは素早く手を伸ばし

彼女の首筋に軽い衝撃を与えた


視界がぼやけ、あみの体が力を失っていく


「……ごめんな」

エリクが小さく呟いたその声を最後に

あみの意識は闇に沈んでいった





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