25 揺るがない想い
夜が更ける中、廃工場の外は静まり返っていた
遠くで風が吹き荒れる音だけが聞こえ、闇が世界を包み込んでいる
その静寂の中で、あみは両手を握り締めて座っていた
胸の奥では小さな炎が燃え続けているような感覚があった
「みんなを……守りたい」
あみは心の中で呟いた
それが彼女にとって、ただの思い付きや勢いではなかった
ジアやリアン、マイク、そして他の仲間たちが
命を懸けてこの世界を変えようとしている姿を見て
彼女も何かしなければならないという気持ちが芽生えたのだ
囮として作戦に加わることが決まったものの
不安は消えなかった
それでも、自分が役に立てるのなら
どんな恐怖にも立ち向かう覚悟があった
「これまで守られるだけだった私が……今度は誰かを守る」そう思うと、胸が少しだけ強く鼓動する
工場内の広場に集まる仲間たちの中で、ジアが冷静な声で指示を出していた
「各自、持ち場を確認しろ。時間通りに動くぞ」
その声には迷いがなく、皆がそれに従って動き出す
あみは仲間たちの動きを見ながら
自分の役割を心に刻み込んだ
ジアの隣に立ち、もう一度計画を確認するために声をかけた
「ジア、私、本当に囮で大丈夫だよね?」
彼は一瞬彼女を見つめたが、すぐに視線を戻しながら答えた
「……お前が無茶をしなければな」
その言葉には少しの苛立ちが含まれていたが
どこか彼女を気遣うような感情も見え隠れしていた
「分かってる。みんなを守るためだから」
あみは強い意志を込めて答えた。
その言葉に、ジアは短く頷き、彼女の肩に手を置いた
「無理はするな。安全を最優先しろ」
その瞬間、シノが軽く肩をすくめながら近づいてきた
「まあ、ジアの言うことを聞くのも大事だけどな。あみ、今回はお前が重要な役割だ。自信を持てよ」
彼の言葉に、あみは少しだけ笑みを浮かべた
あみは予定された場所へと移動し、緊張感に包まれながらその場に立った
彼女がいる位置は目立つ場所であり
敵の注意を引くには絶好の場所だった
しかし、その分危険も大きかった
周囲の暗闇から、敵の気配が徐々に近づいているのを感じる
彼女の心臓は激しく鼓動し、手のひらが汗ばんでいた
それでも、仲間たちのためにここで自分が動かなければならないと強く思った
「……大丈夫。私はできる」
小さく呟くと、彼女は深呼吸をして冷静さを取り戻そうとした
そして、敵の注意を引くための行動を始めた
彼女の動きに敵が反応する
視線がこちらに集中するのを感じながら
あみはその場を踏みとどまり
計画通りのタイミングを待った
その後ろではジアたちが動き出しており
彼女の囮としての役割がうまく機能していることを理解した
「みんな……成功させて」
心の中でそう願いながら、あみは全ての力を振り絞って敵の注意を引き続けた




