17 炎の夜
静寂がアジトを包む夜
あみはキッチンの隅で皿を片付けながら
仲間たちの笑い声を聞いていた
リアンとマイクが冗談を交わしているその様子に
どこか安堵を覚える
「なんだか最近、ここが少しだけ家みたいに感じるな……」
心の中でそう呟きながら、あみは小さな笑みを浮かべた
しかし、その穏やかな時間は突如として打ち砕かれた
轟音と共に、アジトの外から爆発音が響き渡る
続いて聞こえる銃声と怒号に
あみの心臓は一気に跳ね上がった
「どういうこと……?」
動揺するあみに、キッチンに駆け込んできたリアンが叫ぶ
「政府軍よ!アジトが襲われてる!」
その言葉にあみは硬直したが
リアンは彼女の腕を掴み
「急いで!ここにいたら危ない!」
と引きずるように走り出した
アジトの廊下は混乱の嵐に包まれていた
仲間たちが次々と武器を取り出し応戦する中
あみは身を縮めながらリアンと共に安全な出口を探していた
「マイクはどこ?」
あみが震える声で尋ねると、リアンは険しい表情で言った
「分からない!でも今は逃げることが先!」
その時、前方の通路が突然炎に包まれた
政府軍が放った焼夷弾がアジトを壊滅させようとしているのだ
仲間たちの叫び声が響く中
ジアの低い声が全体に響き渡った
「全員、散らばって逃げろ!」
その姿を見つけたあみは、思わずその方向に走り出そうとするがリアンが彼女を止めた
「ダメ!ジアは大丈夫だから!」
ジアは廊下の奥で敵と交戦しながら
冷静に仲間たちを指揮していた
その瞳には迷いがなく、彼の声が混乱の中でも人々の心を支えているように感じられた
一方、あみは自分の無力さを痛感していた
彼女は銃も持たず、ただリアンに手を引かれるまま出口を探して走り続けた
「これが……戦い……」
初めて目の当たりにする戦場の惨状に
あみは足が震えそうになる
それでも、仲間たちのために必死に動くリアンや
他の獣人たちの姿に背中を押され、あみも前へ進む
やっとの思いで非常出口に辿り着いたあみとリアン
外にはマイクが待ち構えており
二人を確認すると安堵の表情を浮かべた
「よかった……無事だったんだな!」
しかし、彼の言葉が終わる前に
背後から政府軍の兵士たちが迫ってくる
マイクは拳を握り締めて立ちはだかり
「ここは任せろ!」と叫んだ
リアンが一瞬躊躇するが
あみを見つめて強引に出口から押し出した
「あんたが無事でいないと!」
夜空の下に飛び出したあみは
振り返るとアジトが炎に包まれて崩れ落ちるのを見た
その光景に胸が締め付けられるが
リアンが彼女を引き戻す
「行くよ!マイクも必ず追いつくから!」
こうしてアジトは失われ
レジスタンスは新たな試練を迎えることになった




