温もり
外はもう真っ暗だった。
時計を見ると、日付が変わる頃だった。
私はSNSで4年くらい繋がりのあった
ユウキに連絡を取った。
まだ一度も会った事はない、年上の男子大学生。
近くの駅に住んでいると言う事は知っていた。
私はユウキに泊まらせてほしいと伝えた。
それからユウキはすぐに私の最寄り駅に迎えに来てくれた。
細かい事情は告げずに、
ちょっと色々疲れちゃったって笑って
心配そうな顔するユウキをはぐらかした。
ユウキの事は友人として好きだが、
恋愛対象では決してない。
私の好みとは正反対だ。
でも、そんなユウキだから
私は一緒に眠れた。
こんな汚い私が一緒に眠っても
罪悪感を感じない相手。
それからしばらく私はユウキと過ごした。
彼から、どこにいるの?と連絡が来ても
実家に帰るとだけ返して、連絡を切った。
風俗の仕事をするたびに、
私は嘘が上手くなった。
作り笑顔が張り付くみたいな感じ。
本性なんてどこかに置いて来ちゃった。
私は求められる私になる。
もう汚れてるから、
いくらでも汚れてみせるよ。
もう、彼はいない。
純粋な彼と暮らしていない。
私は、これでいい。
これがいいんだ。
これが私の生きれる居場所。
その日も給料を受け取り、
ユウキに帰ることを連絡して
駅に向かった。
その時、急に身体が怠くなってくるのを感じた。
必死にユウキのアパートに駆け込んで、
風邪薬を飲んで休んだ。
3日経っても高熱も怠さもなにも良くならない。
なんだか嫌な予感がした。
ユウキには、泊まらせてもらってる身で
心配かけたくなかったので、
ただの熱だからと言って
大学へ送り出した。
それから私は1人でタクシーを呼び
近くの大きな病院に向かった。
受付に行くと
看護師さんが心配して、
診察の順番までベッドで寝かしてくれた。
まともに歩けない私を車椅子に乗せて
採血など沢山の検査室に連れて行ってくれた。
私が不安な顔をすると、
笑顔で話しかけてくれる。
人の優しさ、
これに触れるのって
なんだか懐かしい。
私が前に触れていた世界、
今いる私の世界に無いもの。
小さい頃に過保護にされたような
それに似たような暖かい気持ち。
私、なんでこんなことに…
検査の結果、
私は一種の性病にかかっていた。
本当なら、
落ち込むことかも知れないはずなのに
それを聞いてホッとした。
意味がわからないけど、
救われた気持ちになった。
その日のうちに入院することになった
家族に連絡してくださいとのことで、
私は親に連絡を取ってもらい、
そして親から彼にも話が伝わった。




