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しろのほう  作者: 焚(たき)
『分岐点』
28/39

あの日

あの夜、

告白をしてからも私たちはいつも通りに

電話をしたり、

会ったりもしていた。


もう私も、

これで良いのかもしれないと思うようになった。

このまま付き合えないままでも、

私は今とても幸せで、

彼は今は付き合うことはしないと言っている。

それがもしも嘘で、

誰かと付き合う日が来たら耐えられる

自信はないけれど、

私は彼を信用していた。

だからこの仲の良い友達でいれたらそれでいい。

そう割り切って遊んでいた。


彼が思わせぶりなそぶりを少し見せたとしても

そんな訳ないってすぐに冷静になれてた。

そもそも17と25って当時の高校生の私の目には

かなり大人に映った。

それが一緒にいるにつれてその年の差という現実

を教えられてきた気もする。

こんな子どもの私を彼が相手にする訳ない。

それは言われなくても私の中で腑に落ちる

理由だった。




いつものように彼のアパートで映画を借りて

観ていたある日。

彼と出会って3ヶ月くらいが経っていた。


映画を観おえて私が帰り支度をしていると

彼に、ふと後ろから抱きしめられた。


突然のことで、

嬉しいことのはずなのに、

びっくりして理解できなかった。

私がどうしたのか聞くと


「俺が昔、虐められたことを話したよね…」


「それから人が信用できないって言ったよね。」


私を相槌をうちながらジッとしていた。


「でもずっと一緒に過ごしてみて分かった、

2人ならこれからも大丈夫だと思えたんだよ。」




「…好き」




ずっと好きだった、

こんなに人を好きになった事がなかった。

ありのままでいられて、

一緒にいて気を張らないで落ち着いていれる。

その人に好きと言われて幸せでいっぱいだった。

私は静かに涙を拭いて、

彼を抱きしめかえした。




高校2年の秋、

彼と付き合うことになった。


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