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逃げ
別に言われたわけじゃないから
これも被害妄想なのかもしれない
ただ何となくなんだ。
それが正しかったとしても、
私は彼女にどう許してもらえばいいのか
分からなかった。
そんな事を考えながら私は業務的に試合をした。
「よっしゃ!」
試合中に点を取れば喜ぶのは良くある事だ。
でもそんな言葉や、
試合開始時の挨拶さえ私は交わしたくなかった。
関わりたくない、
試合なんてしたくなかった。
スマッシュを打たれる度に苦しい気持ちになった。
私が勝っても負けても、
何かしら陰口を言われている気分だった。
強がりする気力も無くなって、
私は体調が悪いと顧問に伝えて部活を後にした。
何をされた訳でもないのに、
ただ無視をされているだけなのに、
もうなんだかこの空間にいるのが
耐えられなかった。
はじめて逃げてしまった。
もう次は逃げたらいけないと思った。




