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第二話 運命の日

そこから俺の修行が始まった...、始まったんだが。

俺の行動をずっと一緒にやってた幼馴染が、俺もやる!って言いだした。

幼馴染ってのが、転生初日に出会った悪ガキ。

名前を、サクラって言う。

何か女子っぽい名前だなぁって思ってたら、思いっきり女子だった。

言葉遣い荒いし、一人称俺だから男子だと思ってた...。


で、そこからサントス師匠に俺たち二人は剣術を習っていった。


---------そこから1年後


「では、またどこかで...な。」

俺たちがある程度戦えるようになったことを確認した師匠はこの村を出て行った。

体の傷はもうとっくに癒えてたんだけど、俺たちに剣を手ほどきする以上、中途半端にはできなかったらしい。

「師匠...。」


俺は、この1年で『剣術』スキルが生え、ニアマスターまで伸びた。

その他のスキルもエキスパートまで伸びている。

これなら、戦える!

魔物の襲来まで、後2年...。

いける、間に合う、間に合わせてみせる!


俺はこの村を救う。

そして、生き抜いてやる!


そして...運命の日がやってきた。


いつもの日常、いつもの風景。


「おかしい...、そろそろのはずなんだけどな...。」

俺は村の裏手にある林の中でそう呟いた。

妙だった、何も変わらない。

「なぁにがおかしいだ?ヒカル??」

相変わらず、言葉遣いの荒い女子。

「ちょっと、考え事をしてただけだ、気にすんな」

「考え事?なんだそれ?...あっ、アーリーのことだな!いやらしい奴め!」

アーリーっていうのは、村長の娘で俺たちと同じ年の女子だ。

健康的な美少女って感じの女子で、同年代の男子からモテまくってる。

いつも男子同士で話題に上がる子だ...サクラは男子じゃないけど。


その時だった。

「...うん?なにか...音がしたか?」

「.........グボッ!」

「え...!?」

突然胸から腕を生やして倒れるサクラ。

「なっ...!?」

すぐさま、剣をとる。


「な、いつの間に!?」


それは、狼の顔を持った大男だった。


「ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっっ!!」


...な、なんで?

スキルが反応しなかった??

それに、狼顔??

こんな敵、『Beast of the Apocalypse』にいなかったぞ!


一旦、距離をとって攻撃に転じないと....。


ザシュッ...ドサッ。


「いってーんだよ、クソ野郎!」


そう叫びながらサクラが剣を振り、狼顔の頭を切り飛ばす。


「サクラ!!」


「クソが...。」


そのまま、倒れるサクラ。


「ばかやろう、そんな傷で叫ぶんじゃねー」

「待ってろ、すぐ薬草を...。」

サクラの元へ駆け寄り、薬草を傷口に塗り込む。

「...くっ...いってーな、ヒカル!」

「だから、黙っとけって!」


「...はっ!?む、村のみんなは!?」


慌てて村の方へと目を向ける。

煙が上がっている。


「まずい、村が!?」


「くそっ、頼む!俺が行くまで、もってくれー」


---------名もなき村


...そこは、地獄だった...。

家は燃やされ、そこら中、死体だらけで...。

「くそぉー!」

一瞬、人影のようなものが見え、急いで駆け寄った。

オーガがいた。

誰かを食ってた。

「うぉぉぉぉっっ!」

ズシャァァッ!

剣がオーガの分厚い皮膚を裂く。

「ギィヤァァァ!」

断末魔を上げ、オーガが倒れた。


...トクおじさん...。

いつも畑で採れたじゃがいもをくれてた、気のいいおっちゃん...。


「か...母ちゃんは...??」


スキルマックス全力で走った。

途中、魔物がいたが、全て切り払った。

「邪魔だぁ!どけぇぇぇぇ!!」


「はぁはぁはぁ...。」

「あ...あぁ...嘘だ、そんな..。」

女性の体がバラバラにされて、杭のようなもので打ち抜かれて...。

魔物たちがゲラゲラ笑いながら、その杭を掲げている...。

掲げられている顔...、母ちゃん...??

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


---------しばらくして


「ヒカル!」


誰かが俺を呼ぶ声がする...。


「ヒカルしっかりしろ!」

泣きそうな顔で俺を見ている...サクラ!?

「サ...ク..ラ!?」

「やっと目を覚ましたか、バカ野郎...。」

「お、俺は、なにを?」

意識が飛んでいた。

慌てて周囲を見渡す。

魔物の死体が転がっている。


「俺が来た時には、もうこうなっていた。お前がやったんだと思って近づいたら意識を失っていて...。」

サクラがそう言って、俺を見つめる。

「悪い...、意識が飛んでた。」

「はっ!?村のみんなはどうなった?」

俺の言葉を聞きサクラは首を振りながら言った。

「ダメだ。村の中は魔物しかいねー」


「くっ...、なんで?なんでなんだ...。」

「どうした、ヒカル?」


おかしい。こんな展開知らない。

ムービーに滅ぼされた村って描写はあったけど、結構あっさりしてた。

しかも、なんだあの狼顔?オーガはまだしも、あんな敵見たことないぞ。

ま、まさか、ここは『Beast of the Apocalypse』の世界じゃないのか?

似てるだけで、全然別の世界?

...だとしたら、俺のゲーム知識なんて何の役にも立たない...。

どうする、どうすればいい??


「ヒカル!」

「あぁ、悪い。頭がまだぼーっとしていて...。」


「こんなとこでじっとしてるわけにはいかない。」

俺は立ち上がって、そう呟いた。

「一旦、村の裏手に回るぞ、サクラ!」


---------村の裏手にある林の中


「お、俺たちの村が燃えている...。」

「サクラ...。」

「父ちゃん、母ちゃん...。」

涙を流しながら座り込む、サクラ。


「守れなかった...。」


俺は、結局、何も守れなかった。

チュートリアル前のムービーで滅ぼされる村。

頑張ってスキルを生やしまくった日々。

近所のおばさんやおじさんとの会話...。

サントス師匠との稽古。


...母ちゃん...。


...................................


...ジリリリリリリッ!!

けたたましいアラーム音が鳴ってる。

...うん?アラーム音??


ジリリリリリリッ!!


「うるせーな、なんだよ、このアラーム音は!?」

反射的にアラームを止める。

「あ、あれ!?サクラ...は?」

「サクラ~、どこだ??」

俺は、自分の住んでるマンションの部屋で寝ぼけながら、声を出す。

「....あれ?ここどこ?...いや、俺の部屋だ。」

えっえっえっ???

な、なんで、俺の部屋??

サクラは?村は?魔物は??

慌てて周りを見渡す。


朝日が昇って、ベランダに光が差し込んでいた。


「ま、まさか、夢?」

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