第二話 断罪されなかった悪役令嬢
「...というわけでわたくしに、その...エレナさんでしたっけ?に嫌がらせをすることはできません。ご期待に沿えず申し訳ございません。」
わたくしは王子にカーテシーをしながらそう答えた。
「ば、ばかな...、では、エレナから聞いていた話はいったい何なのだ?」
そう呟く第一王子。
顔色を青ざめているピンク髪の少女。
「...結論は出ましたか?まぁ、今後のことは後ろに控えている方々としっかりお話なさってください。」
わたくしがそう言うと、わたくしの後ろの方から数人の男女が現れた。
「なっ、ち、父上、母上!?なぜ、ここに」
第一王子が驚愕し目を見開きました。
「お前がバカなことをやるだろうという報告が入っていてな。」
「いつからこんなバカになったのか...。昔はもう少し理知的であったろうに...。」
「くっ...。」
「まぁ、いい。お前は廃嫡だ。ジーク。」
(...あ、ジークって言うのですね。実は、最初に名乗りもされなかったし、その後も全く関わらなかったせいで、お名前聞きそびれていたのですよね~)
「は、廃嫡?そ、そんな...。」
そのまま崩れ落ちる王子。
それを見て、そっと離れようとする少女。
「あぁ、エレナ・コーデル男爵令嬢か...。先ほど、コーデル男爵は爵位を返上したぞ。娘の責任を取ると言ってな。」
「............!?」
「...というわけで、お前はただの平民だ。平民が王子をたぶらかし、侯爵令嬢の名誉を傷つけたわけだが...、追って沙汰を言い渡す。しばし待つがよいわ。連れていけ!」
そう、国王が言うと側に控えていた騎士が、二人を外に連れ出していきました。
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「話は終わったかい、カーシャ。」
そう言いながらわたくしの近くに寄ってくる一人の男性。
「えぇ、終わりましたわ、アレク様。」
「ふぅ...、これで憂いは絶つことができた...ということでいいんだね?」
わたくしがそう言うと軽く、ため息をつき話を続ける男性。
彼はわたくしが留学している隣国キーヴ王国の王子、アレクサンドル・キーヴ殿下でございます。
留学中に知り合い、あれよあれよという内に婚約一歩手前までいってしまいました。
ただ、この国の王子との件が片付くまでは、お返事できないと話を延ばしておりましたのよ。
断罪を回避できるだけで良かったのですけど、気が付けば次期王妃さま...、困ったものです。
しかも、この方、わたくしに甘々過ぎなのです。
見た目だけなら絵に描いたような美形。
適度に締まった肉付き。
『ガチ』じゃなくて「細」マッチョという感じ。
大体の女の子が一度は夢見る王子様...な感じです。
「...よし。カーシャ、もうこんな国には用はない。さっさと国へ戻ろう。」
「はぁ...、気が早いことですね。かしこまりました...。」
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それからはアレクサンドル殿下からの溺愛と公務に追われる日々(王妃教育は、15歳の頃に終わってまして...。)
何かとバタバタしておりました。
そして、今日もわたくしの横には、殿下がいて。
「そういえば...、彼らの末路、聞きたいかぃ?」
「まぁ、いちおうは聞いておきましょうか。関わっていた方たちですので。」
「第一王子は、廃嫡後一代限りの公爵となり、王国領地なのだが飛び地で誰も管理していない土地を与えられ、その領主となった。」
「エレナとかいう女は...、鉱山での勤めが決定した。」
「...そうでしたか...。まぁ、そんなところでしょうね。」
「あまり興味ないのだな。」
「まぁ、とっくに終わっている話ですので。」
(そもそも始まりもしませんでしたけど...。)




