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異世界症候群(Another World Syndrome)~幸せのカタチ~  作者: 相坂 四文
(第七章)スローライフ転生編
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第二話 僕、追放?

えーっと、漫画と一緒の展開ってことは...、追放かなぁ?

親が望むスキルを手に入れた弟を跡継ぎにするためには、長男である僕が邪魔。

だからと言って殺すのは、少々無理がある。

バレた場合、自分たちの首を絞めることになるから。

だから、追放だけど、普通に追放したらしたで外聞が悪い。

...となれば。


病気療養のため、地方へ飛ばすってところか...。


僕はいたって健康体なんだけどね...。


療養なら、誰も文句言えないだろうし...ね。


ま、いいけど。


それに、どんな荒れ果てた土地であっても、僕の『生物成長促進』スキルが役に立つ!


さぁ、どんな展開かなぁ...楽しみ楽しみ。


------------------------数日後


僕は、屋敷を出た。

僕の予想通り、僕は『病人』になった。

空気の綺麗なところで『長期療養』が必要だからという言い訳を作り、領地の一番端っこにある荒地に追放された。

空気が綺麗...って言うか、何もないだけ。

馬車で連れてこられ、僕をボロボロの小屋の前に放って、執事たちは帰っていった。

側にいるのは、見習いメイドのアン。

両親がさすがに一人で療養は外聞が悪いってことで、一緒に行くメイドを選ぼうとしたんだがメイドたちが手を上げず、アンに白羽の矢が立ったというわけだ。


------------------------


それからの毎日は大変だった。

井戸が枯れていたので、水がない。

いくら僕のスキルでも水がなければどうしようもない。

でも、アンのスキルが役に立った。


スキル『地質調査』


メイドのスキルじゃなくない!

完全にスローライフ用のスキル。

なんと言う『ご都合主義』だ。

すぐさま、アンに水源を特定するためこの周辺の地質を調べてもらった。

井戸から500メートル離れたところにある山の中にだというのが分かった。

急いで、二人で向かった。

山はそれほど高くなく、それほど疲れることもなく頂上付近にたどり着いた。

湖があった。

山崩れか何かか、湖から井戸に続く道が土砂で埋まっていた。

それをアンのスキルで壊してもらった。

『地質調査』ってそんなこともできるんだ...。

水をひいてから、水質が気になったので、アンに調べてもらった。

『水質』も調査できると...。

それ、本当に『地質調査』?

ま、まぁ、いいか...。


水が通ると、植物が成長できる...。

でも、そもそも荒れ果てた土地で植物がいないんだが?

せめて、種があれば何とかなるんだけど...。

もういっそのこと、湖のある山に引っ越そうかと思っていたとき。

遠いところから、人影のようなものが見えてきた。


それは、キャラバンだった。


隣国へ向かうのに、ここの荒地を通るのが最短ルートらしい。

僕たちのことが噂になっていたらしい。

いつの間にこんな荒地に人が住んでいる変わり者がいるぞと...。

どんな奴らか見て見ようという話になってたみたい。


それで隣国へ抜けるついでに僕たちを見に来たってわけ。


「いやぁ、まさかこんなところで療養ですか。貴族の方も大変なんですね~」

男はそう言いながらこちらを見て話す。

「ははっ、なにぶん体が弱いもので...。」

僕はそう返し、続ける。

「申し訳ないのですが、何か植物の種とか持ってませんか?」

「種ですか?」

驚く男。

「えぇ、こんな何もない土地ですから何か植物でも育てようかと思って...。」

そう答えた僕の目をしばらく見た後、男はため息をつきながらこう言った。

「育てるですか?さすが余裕がありますね、お貴族様は。食べるのに必死な我々とは違うようで...。」


男たちは、そのまま去っていった。


(あ、あれ?こういう時、種じゃなかったとしても何か食べ物とかくれる展開じゃないの??)


参ったなぁ、思った展開じゃないなぁ。

どうしようかと思案していたら、アンがこちらに種を持ってきた。

「アン!?これはいったいどこで??」

僕は驚いてそう尋ねた。

アンが山に植わっている植物の種を探し拾ってきてくれたんだ。

「ありがとう、アン。」

僕はお礼を言い、その種を植えた。

水をやり、スキルを発動させた。


『生物成長促進!』


種に手を掲げ、スキルを唱える。

見る見るうちに植物は伸び、実を付けていく。

アンは、一つ実った実をもぎ取り、スキルを発動させた。

「これは、ピーチですね。甘くて果汁たっぷりの美味しい果実です。」

アンが皮を剥き、僕に手渡す。

...アンのスキルって何なの?


僕は一口食べて舞い上がり、一個全部食べてしまった。

「あ、ありがと...。うん、美味しい!アンも食べなよ...。あっ...。」

実は一つしか実らなかった。

そして、植物はそのまま枯れてしまった。

成長させ過ぎた。

実を増やすにはこのままじゃダメだ。

もっとうまく調整しないと...。

ちらっとアンの顔を見た。


アンの眉がピクピク動いていた。

怒っているなぁ...、やってしまった...。


「あぁ、うん。今度は僕が種を採ってくるよ。だから、待っててね。」

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