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異世界症候群(Another World Syndrome)~幸せのカタチ~  作者: 相坂 四文
(第七章)スローライフ転生編
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第一話 僕、異世界転生?

僕の名前は、イシュリー・ホットロッド。

ガガリアン王国を支える四大公爵の内の一つ、ホットロッド家の長男だ。

僕の家は、歴代『剣聖』を輩出してきた家で、ガガリアン王国の武を担っている。

父は、王国騎士団の騎士団長エディロス・ホットロッド。

当代の『剣聖』だ。

母は、そんな父を心の底から愛し支えている。

父も母も、『剣』に特化したこの家を強く誇りに思っている人たちだった。


僕の国では13歳のときに、教会にてスキル鑑定を行う。

生まれたときにスキルの卵みたいなものが与えられ、肉体の成長とともに孵化すると考えられていた。

そして、肉体の成長時に経験したことがスキルの孵化時に大きな影響を与えるとされていた。

だから、僕は、幼少期からずっと剣を振るい、勉学にも勤しんできた。


『剣聖』スキル


当然、期待されてた、いや、そうであることが当然だと思われていた。


だけど。


僕が開花したスキルは...。


『生物成長促進』


剣どころか戦闘にも何の役にも立たないスキル。

両親は僕に失望した。


「今まで目をかけていたのに...。

あんなに剣を教えていたのに...。

何の意味もない、役立たず...。」

そんな言葉を並べ、僕を罵る両親。


それから、僕の生活は一変した。

部屋から追い出され、離れの小さな掘立小屋に放り込まれた。

一応、食事は出してもらえたが、両親はここに来なかった。

僕の相手をしてくれたのは、見習いメイドのアン。

彼女は、屋敷のメイドになって日が浅く、なかなか仕事を覚えられないでいた。

ある日、他のメイドに虐められているのを見たときに、僕が庇った。

そしたら、出来損ない同士で生活すればいいと執事長の指示で、僕の専属メイドになった経緯がある。

二人ボッチで毎日を過ごしていた。

そんなある日、屋敷の近くを散歩していた僕の耳に、メイドたちの話声が聞こえてきた。


「オーリッシュさまが、『剣聖』スキルを開花させた...」と。


オーリッシュというのは、僕の3歳年下の弟。

今年13歳を迎え、教会でのスキル鑑定を行った様子だ。


「旦那様たちが大喜びされたようね...。」

メイドたちの声が聞こえてくる。

「そりゃ、そうでしょ。だって、長男があれじゃ...。」

「...ってことは、跡取りはオーリッシュさまか?」

「えぇ、もちろん、そうでしょうね...。」

「でも、いちおう、長男がいるでしょ。この国って長男がいるのに次男が継承なんてできるの??」

「ううん。無理、そんなの。だから...。」


メイドたちの言葉が最後まで聞き取れなかった。

オーリッシュが、弟が『剣聖』スキルを開花させたって話を聞いた瞬間、強烈な痛みが走った。

メイドに気づかれぬよう、急いで小屋に戻った。


(オーリッシュが継承...。じゃあ、僕はどうなる?)


再び痛みが走った。

頭がグルグル回ってきて、そのまま意識を失った。


------------------------


ま、まじか...。

これ、異世界転生じゃん!


僕は、前世を思い出した。

そして気がついた。

今の状況が前世の漫画で読んだスローライフ系の異世界転生ものと同じだと。

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