14/23
第二話 ぼく、てんせい
「で、目が覚めたら、人間の赤ちゃんになってたんだよね~」
ずーっと僕の話を聞いてた女の子が、呆れた目でこっちを見てくる。
「何?その訳わかんない話!黙って聞いてて損した!もう帰る!!」
女の子は僕にそう答えると、足早に離れていった。
「あっ、待ってよ~ 〇〇ちゃん!」
慌てて僕はその子に追いすがる。
その子の名前は...?
そして、僕の名前は...??
--------------
...なんてとこで終わりかな。
うん?なんの話って?
今までのやりとりのこと。
そう、すべてはぼくの想像、夢。
なんだ、その変な夢って?
そうなんだ、変なんだね。
ごめん、分からないや。
だって、ぼくは、なにも知らないから。
ぼくがぼくを知ったときには、もうこうなってた。
病院の中の、白い白い壁に囲まれた部屋。
大人の男の人と女の人が代わる代わるやってくる。
ぼくは、ずーっとベッドの上でその人たちの話を聞いてる。
前は、少しだけだけど歩くこともできたんだ。
病棟の中を少し散歩したりした。
同い年くらいの子とも友達になった。
...いつの間にかいなくなったけど。
定期的に子どもたちがやってくる。
けれど、気が付けばいなくなってる。
ぼくもいつかいなくなるんだろうなぁ...。
それでも、ぼくは!
ぼくは...。




