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第81話:激突!摩擦ゼロの最速書記

「よし! 大掃除、終わったよー!」



アリシアが雑巾をバケツにポイと放り投げ、満足そうに汗を拭った。



「ふぅ……。全く、わたくしがこんなに汗をかくなんて……」



エリカも扇子でパタパタと顔を仰ぎながら、綺麗になった床を見渡して息を吐く。



「それじゃあ……約束通り、戦おうよ会長!」



アリシアは目をキラキラと輝かせ、拳をギュッと握りしめてレインへと向き直った。

だが、レインは優雅に紅茶のカップを傾け、静かに首を振る。



「ふふ、いきなり生徒会長の私と戦うのは無理というものですわ。……ということで!」



レインがパンと手を叩いた瞬間、生徒会室の奥の扉が『バァン!』と豪快に開いた。



「おほほほほ! お久しぶりですわ、暴れん坊の転校生さん!」



高らかな高笑いと共に登場したのは、ゴージャスな髪をなびかせた少女――生徒会書記、メイ!



「あッ! 体育祭のときの……!」



アリシアは指をさして叫んだ。

そう、あの怒涛の体育祭障害物レース。アリシアが死力を尽くしても惜しくも【11位】にとどまったのに対し、圧倒的な速さで堂々の【1位】を掻っさらっていったのが、このメイだったのだ!



「おやまぁ……。またえらく面倒なのが戻ってきたさね」



サクラは壁に背を預けたまま、頭を抱えてやれやれと肩をすくめる。

メイの足元――彼女が踏み出す一歩ごとに、床が鏡のようにツルツルとした異常な光沢を放ち始めていた。

あの体育祭で「なぜかお尻をバグらせて超加速している」ように見えた謎の立ち回り。その正体こそが、彼女の固有魔法――【摩擦の消失(フリクション・ゼロ)】!

接触したあらゆる物質の摩擦係数を「完全なゼロ」へと書き換える、絶対的推進力と滑走の魔法だ。



「よしっ! ちょうどいいや、あの時のリベンジマッチだね!」



アリシアはニシシと不敵に笑うと、床を力強く蹴り飛ばしてメイへと肉薄する!



「おほほ! 私の『摩擦ゼロ』の滑走に、貴女の拳がついて来られるかしら!?」



掃除が終わったばかりのピカピカの床の上で、最速の書記と猪突猛進の村娘によるリベンジマッチの火蓋が切って落とされた!

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